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2000年度目次(東南アジア地域研究専攻)

  第二十回 「環境保全と環境破壊−寡欲と強欲の系譜」
 
 

Contents

1 環境破壊と植民地支配

土地との付合い方
2 雲貴高原の棚田

3 収穫季の棚田

4 新世界の大農場

5 ブラジル東北部のサトウキビ地帯

6 カナダの小麦地帯

林との付合い方
7 産米林−タイ系民族の開拓方式

8 破壊を招いた大規模開発

9 カナダ先住民の林

10 伐採会社の理屈

動物との付合い方
11 インド

12 カナダ

生態破壊の業
13 ラオスの不発弾

14 地球温暖化

  

9 カナダ先住民の林

 アラスカ西岸からカナダ西岸は温帯多雨林帯がある。クロベ、アメリカネズコ、アメリカヒノキ、アメリカツガ、ダグラスモミ、トウヒ、などの針葉樹林である。原生林は樹齢千年、径2メ−トルを超える大木の密林である。こうしたオールドグロス林はしかし今やヴァンク−バ−島やアラスカのトンガス国有林に少し残る程度だが、ヴァンク−バ−島のヌ−チャ−ヌルス族の伐採抵抗運動で一躍有名になった。かれらの木材利用は立ち木の皮を一部帯状に剥ぐとか、板を取るにも柾目に楔を打ち込んで板を抜き取るといった方法で、伐採は殆どしない。カネは生まないが、見事な林を保全していた。写真はヴァンク−バ−島トフィナの原生トウヒ林。