<< 東南アジア地域研究専攻 2000年度目次へ戻る |
第二十回 「環境保全と環境破壊−寡欲と強欲の系譜」 | |||
Contents 土地との付合い方 林との付合い方 動物との付合い方 生態破壊の業 |
7 産米林−タイ系民族の開拓方式 東北タイからラオスのタイ系民族は林を水田に開拓する時、独特の方式で行う。一時に林を伐開せず、少しずつ林をすかして、水田にする。だから水田には木が沢山立っている。建材、薪、若芽の食材利用、落葉落枝による施肥効果、水牛に日陰など、理由は様々だが、優れた土地利用デザインである。パ−クランドのような産米林は見事な美がある。この美は実利が根底にあって実現されているのだが、その実利は人間だけの実利に止まらず、水牛や、鳥や、虫、小動物の実利にもなっている。農民は他の生物にとっての実利が回り回って己の利に戻ってくると信じている。共生の思想というものだ。写真は東北タイムクダハンのプルアンを主にした産米林。 |