地域研究への誘い
地域の発生はまず自然ありきである。人間という生物は自然のエネルギー流をとりこんで、身体を維持増殖し、文化や制度も作り出した。その豊かな成果が地球の様々な地域世界だ。この簡明な事実に立ちかえり、環境と精神と社会の生態をトータルに捉え直す,それが地域研究だ。 その新たな息吹で,新鮮な知恵をだして、桎梏と化したサド・マゾ的人工社会に大きな風穴を刳り抜こう.これは「自然に帰れ」ではない。共同体的伝統の在り方と価値観を、21世紀の指針に据え直す主体的な創造の姿勢でありたい。開けゴマの新たな鍵を作る仕事に若いエネルギーの参加を期待したい。
1 チモール島北岸、かつての白檀積みだし港リファウに立つ十字架。「1515年8月18日ここにポルトガル人が上陸した」と刻まれている。東南アジア受難の始まりである。
|