南部アフリカにおけるミオンポ林とモパネ林の広域比較研究 (2009)
概要
アフリカ大陸南部にはミオンボ林が広い面積で分布し、その南端にはモパネ林が帯状に存在している。どちらもマメ科ジャケツイバラ亜科の樹木が優占する植生帯であるが、その種組成や景観は大きく異なっている。これまで3人のメンバーは、ナミビアのモパネ林とマラウイのミオンボ林で個別の植生調査を行ってきた。本共同研究では、モパネ林とミオンボ林の境界となっているザンビア共和国とマラウイ共和国において広域調査を実施する。そして各自の調査地域の結果もふまえながら、南部アフリカに広く分布する植生帯が植生帯の内部でどのように異なっているのか、その地域差を明らかにすることが目的である。そして最終的には、モパネ林とミオンボ林間の移行様式の解明や、分布の規定要因なども検討して明らかにしていきたい。さらに、マラウイで実施する報告会などを通して現地研究者と情報交換や議論をすることで、新たな研究課題の発見や各自の研究テーマの更なる発展にもつながると考えている。
研究報告会
広域調査
成果論文
アジア・アフリカ地域研究第10-2号 手代木功基 ナミビア乾燥地域に分布するモパネ植生帯の植生景観の特徴 TESHIROGI Koki Characteristics of the Vegetational Landscape in Mopane 山科千里 ナミビア北西部、モパネサバンナの植生に与えるシロアリ塚の影響 YAMASHINA Chisato Negative Impacts of Termite Mounds on the Vegetation in Mopane Savanna in Northwestern Namibia |
研究報告書
目次 はじめに <第1部> ナミビア乾燥地域に分布するモパネ低木林の特徴とその成立要因 手代木功基 ナミビア北西部,モパネサバンナにおける樹木の枯死とシロアリ塚 山科千里 火入れが及ぼすミオンボ林の植生動態への影響 藤田知弘 <第2部> ザンビア・マラウィのモパネ林における植生構造とモパネの樹形について 手代木功基、山科千里、藤田知弘、藤岡悠一郎 ムランジェ山における植生の分布 藤田知弘、手代木功基、山科千里、藤岡悠一郎 おわりに |
メンバー
氏名 | 調査地 | 研究テーマ |
手代木功基 (研究代表) |
ナミビア | ナミビアのモパネ植生帯における放牧活動と植生の関係 |
山科千里 | ナミビア | ナミビア北部、モパネ植生帯におけるシロアリ塚と植生の関わり |
藤田知弘 | マラウイ | マラウイ北部のミオンボ林において火入れ・伐採が植生に与える影響 |