<< 東南アジア地域研究専攻 2000年度目次へ戻る |
第二五回 「カリフへの呪い」 清水和裕 連環地域論講座(東南アジア地域研究専攻) |
|||
Contents 4.アリーとムアーウィヤ 6.カリフへの呪詛の構図 |
4.アリーとムアーウィヤ アリーは、ウスマーン(第3代カリフ)の暗殺をうけて第4代カリフに就任した。しかし、ウスマーンの親族ムアーウィヤはアリーを暗殺の責任者と名指しして、血の復讐を誓った。両者は激突し、アリーの死後、ムアーウィヤがカリフ位を宣言してウマイヤ朝を開いた。スンナ派の大多数はムアーウィヤとウマイヤ朝を力によるカリフ位の簒奪者であり、彼らの統治権をカリフ権ではなく王権と規定する。一方、シーア派にとってはアリーとその子孫に対する敵以外の何ものでもない。そしてウマイヤ朝を打倒して築かれたアッバース朝においては、ムアーウィヤはウマイヤ朝という敵を代表する人物であった。 |
||