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第十七回 「イスラーム世界研究の新地平 ― スーフィズム・タリーカ研究―」 |
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Contents 7.ゴルバチョフへの書簡 |
7.ゴルバチョフへの書簡 内面的な理論・思想と、外面的な行動のいずれかだけを見ていたのでは、イスラーム世界は姿を現してきません。 たとえば、イラン革命の立役者ホメイニーを考えてみましょう。彼は、ただ革命家・政治家であっただけではなく、中世の偉大なスーフィー哲学者、イブン・アラビーの思想の後継者でもありました。実際、ホメイニーは、イブン・アラビーの主著『叡智の台座』への注釈を著しています。それだけでなく、ソ連のゴルバチョフにあてた書簡のなかで、イスラーム世界の理解のためには、イブン・アラビーやイブン・スィーナー(著名なイスラーム哲学者。ヨーロッパ世界ではアヴィセンナの名で知られる)の思想の理解が不可欠だと述べています。高度な哲学思想と現実の革命とは、ホメイニー自身の中で分かちがたく結びついていたのです。 なお、この講座を見て興味を持たれた方のために、よりくわしいバージョンとして「スーフィズム研究宣言」を別途用意しました。よろしければそちらもお訪ね下さい。 注釈書は、ホメイニーの話していたペルシア語ではなく、学術語のアラビア語で書かれています。 |