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第十七回 「イスラーム世界研究の新地平 ― スーフィズム・タリーカ研究―」 |
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Contents 3.倫理の学としてのスーフィズム |
3.倫理の学としてのスーフィズム スーフィズムは一般に「イスラーム神秘主義」と訳されています。しかしながら、「神秘主義」という言葉には、日常生活とは縁遠い、一部の好事家だけが社会を離れてしている何か、普通の人には理解できない難しい(もしくは怪しい)もの、といった含意があります。 「イスラーム神秘主義」という、ある種偏ったスーフィズムのイメージを相対化するために、私は最近「倫理の学としてのスーフィズム」ということを考えています。よりよく生きるにはどうしたらよいのか、そのことを考え、実践し、教えるのが、倫理の学です。もちろん、イスラームにおける倫理の学ですから、それはムスリムとしてよりよく生きる、ということを目指しています。 たとえば、中世の有名なスーフィー導師、イブン・アターウッラーの言葉に耳を傾けてみましょう。 イブン・アターウッラーはシャーズィリー教団の第3代指導者(シャイフ)で、数多くの弟子を育て、著作をのこしました。 |