Contents
なにが問題なのか
1、なぜ行き詰まったのか-政治制度
2、なぜ行き詰まったのか-政権の運営
3、なぜ行き詰まったのか-政治的妥協と非常事態宣言の問題
4、新政権は安定するのか
5、なぜ政治社会秩序は不安定なのか
6、なぜ家族主義システムは崩壊したのか
7、インドネシアの危機をどう考えるか
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なにが問題なのか
インドネシアの政治がまた危機に陥っている。
アブドゥルラフマン・ワヒッド政権が成立してこの七月で一年九ヶ月、本来であればまだ三年以上の任期のあるはずなのに、実際にはすでに、やめるか、やめさせられるか、名目的な大統領として生き残るか、その最終的帰趨はなお明らかでないものの、大筋としては、この八月一七日のインドネシアの独立記念日までにはメガワティ現副大統領を大統領または首班とする新政権の成立することがほぼ確実な情勢となっている。
ではなぜアブドゥルラフマン・ワヒッド政権はこれほど短期間で行き詰まったのか。メガワティ新政権は安定するのか。また新政権の下で、ここ数年、暴動、略奪、犯罪の増加、麻薬の蔓延、宗教・民族対立、分離独立運動などのかたちで現れてきた政治社会秩序の危機は克服されるだろうか。
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