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第十九回 「AA 研究科をフィールドワークする」 | |||||||||||
Contents 10.侃々諤々 |
10.侃々諤々 今年の2月と7月の2回、AA 研究科で初めての博士予備論文公聴会が開催された。研究科開設時に入学した院生23人のうち、2年目で8人、2年半の時点で2人が予備論文を提出したことになる。目出度く全員が合格と判定された。なお、この間、1人が、諸般の事情で退学、就職している。提出者の数がいささか少ないと思うが、当初から1年間のフィールドワークや語学留学を織り込んだ者が複数おり、彼らを含めて、5年一貫制の時間のなかで、予備論文提出のタイミングを測った者が多かったということである。 提出された予備論文のタイトルをいくつかあげると、下のようになる。
予備論文の公聴会は、必修科目の地域研究論、アジア・アフリカ地域研究演習とともに、教師・院生を問わず、AA 研究科のメンバーが一同に会する唯一の機会を構成している。予備論文の発表時間は各自20分、質疑応答は15分である。公聴会は形式に流れることなく、質疑応答では様々な意見が飛び交い、時には院生そっちのけで教師間の熱い論議が展開された。当然のことだろう。地域研究の実践について、多様な考え方を内包した研究科である。論議の質をより建設的なものに高め、さらには院生の討論参加を一層促進していく工夫は必要だが、このような専攻、講座を越えた白熱の意見交換は、今後も積極的に推進していくべきだと思う。公聴会がたんなる儀式となるとき、それは研究科が大きな曲がり角に差し掛かったことを意味しているだろう。 クルアーン読誦法のお披露目式、全景、コトダラム村にて、1999年。博士予備論文公聴会はこのように華やかではない。 |