発表者のプロフール
■ 東城文柄(とうじょう・ぶんぺい)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程在学中。東京農工大学農学部(地域生態システム学科)卒業後、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科入学。専門分野は途上国の農村開発と環境問題に関する地域研究。2002年頃から現在まで、フィールドワークを通じて、バングラデシュ・モドルプール国立公園における自然環境保護と地域住民(特に少数民族ガロ)の居住権を巡る社会問題に、地域住民の視点から取り組むことをテーマとして継続的に関わり続けている。主要論文に"Conflict between Natural Environmental Protection Policies and Local Resident Rights in Madhupur National Park, Bangladesh" Proceedings of Kyoto symposium, 2006 -Crossing disciplinary boundaries and re-visioning area studies 465-471 (2006)がある。
■ 甲山治(こうざん・おさむ)
山梨大学医学工学総合研究部 COE研究員。京都大学工学部(地球工学科)入学後,京都大学探検部に入部,登山を中心に活動.1998年にはネパール遠征中に知り合った国際NGOネパール・ムスタン地域開発協力会の農場に滞在し,過酷な自然条件下での人々の暮らしに興味を持つ.帰国後アジアモンスーンエネルギー・水循環観測プロジェクトGAME(GEWEX Asian Monsoon Experiment)に加わり,京都大学工学研究科に進学.防災研究所で研究に従事し,中国淮河流域の梅雨前線の形成・維持過程の解明に向けて,様々な土地利用における水・熱フラックス動態の観測およびモデル化を行った.博士取得後,山梨大学COEプロジェクト・アジアモンスーン域流域総合水管理研究教育の研究員として今に至る.主要論文「中国淮河流域における農業形態の推定と陸面過程モデルへの適用」『水工学論文集』48巻 pp.211-216 (2004),「衛星リモートセンシングと陸面過程モデルを用いた中国史灌河流域における水利用の推定」『第4回水文過程のリモートセンシングとその応用に関するワークショップ』pp.45-54 (2004)がある.
■ 黒崎龍悟(くろさき・りゅうご)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程在学中。宇都宮大学農学部卒。在学中の2001年7月から2年間、青年海外協力隊員として、東アフリカのタンザニア連合共和国南部において、農村開発プロジェクトに従事。以後、現在まで研究をつづける。 おもな関心はタンザニアにおける開発と農村社会のかかわり。とくに、「開発」という状況下における農村の人びとの社会的つながりの動態や、人びとの言説が果たす役割をみていくことを通して、「開発」のはたらきかけが人びとの生活のなかでいかに生きてくるのかを探っている。専攻はアフリカ地域研究。 博士予備論文(修士論文)『南部タンザニアにおける地域開発の展開と住民の対応:「発展」の解釈に着目して』(2004年)。 NPO法人アフリック・アフリカに所属し,アフリカに関する広報活動等に携わる。
■ 小國和子(おぐに・かずこ)
日本福祉大学大学院非常勤講師。 千葉大学文学部(文化人類学専攻)入学後、インドネシア国立ガジャマダ大学に留学。千葉大学大学院修士課程(開発人類学)、同博士課程修了。同大学博士号取得。1994年12月から2年間、青年海外協力隊員としてインドネシア南スラウェシ州の村落開発プロジェクトに従事したのを皮切りに、インドネシアの地域・村落開発支援の実践と研究に携わる。 2003年9月から2006年3月までJICA長期派遣専門家(参加型開発・農民組織化)としてカンボジアに赴任。著書『村落開発支援は誰のためか:インドネシアの参加型開発協力に見る理論と実践』(2003年、明石書店)、「「分権化」をめぐる村落社会のリアリティ」(松井和久(編)『研究双書533:インドネシアの地方分権化』、pp.227-269、2003年、アジア経済研究所)、「"根っこ"のある組織化を目指して」(佐藤寛(編)『援助と住民組織化』、pp.195-226、2004年、アジア経済研究所)、「村落開発援助におけるエンパワーメントと外部者のまなび」(佐藤寛(編)『援助とエンパワーメント』、pp.131-156、2005年、アジア経済研究所)ほか。
■ 岩井雪乃(いわい・ゆきの)
早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター客員講師。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)。1993〜95年、青年海外協力隊としてタンザニアの高校で数学教師を経験。大学院在学時から一貫して、野生動物の保護政策と、保護区周辺の住民との関係について、住民の生活に根ざした保護のあり方を模索し、政策に有効な提言につなげる形での研究を続けている。現職において学部学生をつれてアフリカのフィールドでの臨地教育に従事するかたわら、写真展や高校への出前授業などユニークな活動を展開するNPO法人「アフリック・アフリカ」の代表理事を務める。主要論文に、「住民の狩猟と自然保護政策の乖離:セレンゲティにおけるイコマと野生動物のかかわり」、『環境社会学研究』7:pp.114-128(2001)、「自然保護区と地域住民の生計維持:セレンゲティ国立公園とロバンダ村の事例」、『アフリカ研究』55:pp.51-66(1999)がある。