アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:写真館バックナンバー

メールマガジンバックナンバー第88号

■■■■■ October 2010 第88号 <改革プロ・メルマガ第23号>■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/index.html
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___________今月号の目次_________________

□「他人まかせのすすめ」...........................フィールド便り
□「3つのG?」.....................メルマガ写真館II
□大学院教育改革支援プログラム情報
....................第2回 ASAFAS Graduate Student Conferenceなど
□お知らせ....IAS-INFOMご意見・ご感想フォーム、アフリカ研究最前線
□GCOE情報
..........................最終成果公表に向けて、大学院派遣報告など
□セミナー情報
□編集子より
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■フィールド便り 第23便
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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「他人まかせのすすめ」
                              ...............片岡樹

これまで、タイには何度も足を運んでいる。だからタイのことなら
たいてい知っている。これまでずっとそう思い込んでいた。今回の
タイ・フィールドスクールまでは。

今回は、フィールドスクールの実施を、チェンマイのLinkとい
う日系NGOと一緒に行った。このNGOの活動しているフィール
ドを見せてもらう、というのが趣旨である。私自身もタイ北部の山
地でずっと調査をしているのだが、今回の旅行を通じ、知らないこ
とがまだまだ多いことに今さらながら気づかされた。

変な言い方になるが、他人まかせの旅行というのは楽しいものである。
Linkのフィールドを見るということは、Linkの興味にした
がって行き先を選ぶということでもある。自分自身の調査で行き先
を選ぶ場合にはそうはいかない。あくまで自分の行きたい場所に行
き、自分の見たいものを見る。しかしこれでは自分の想像力を一歩
も越えられない。同じ場所に何回足を運んでも、自分の想像力から
跳躍することは難しい。

今回たずねた共有林づくりの現場も、カレン族の村も、ファーン川
のミカン農園も、自分の研究課題とは関係がない。だからこれまで
は、足を運ぼうなどと考えもしなかった。しかしいざ行ってみると、
自分の調査地のすぐ近くに、自分の知らない社会、自分の知らない
文化、自分の知らない環境問題がたくさんあることを知った。やは
りたまには他人のフィールドを訪ね、他人の都合で行動してみるの
もいいかもしれない。自分の都合よりも他人の都合を優先すると、
これまで見えなかった地平が見えてくることもあるようである。

タイ最北端チェンマイ県のミャンマー国境に近い村で、共有林づく
りの取り組みについて話を聞き、翌日はファーン川という川流域の
篤農ネットワークの活動について話を聞き、ファーン川沿いに発生
している環境問題の現場を案内してもらった。この間は毎晩カレン
族の村にホームステイをし、最後の晩は村人たちと交流会を行った。

何度も足を運ぶからといって、その国に詳しくなるとは限らない。
いや、通えば通うほど視野が狭くなるのかもしれない。なぜなら自
分の興味というのはだいたい決まっているから、同じような場所に
ばかり通う。この限られた範囲に関しては知識がどんどん増えてい
くのだが、それと比例して視野がいびつになっていくのかもしれな
い。同じ村に十回通えばその村のことには詳しくなる。しかしタイ
といえばその村しか知らない、ということにもなりかねない。一つ
の村に通い続けることだけが地域研究ではない。
今回のフィールドスクールで、この初心にもう一度気づかされたの
は、私にとっての収穫だった。

ところで地域って何だろう、と、改めて考えてみる。我々は地域研
究者を名乗っている。では何を見たら地域を見たことになるのか。
村なのか、県なのか、国なのか。特定民族の分布範囲なのか。行政
単位を跨いだ流域圏などの単位を独自に設定するのか。それとも国
際的な通商ネットワークなのか。たしかに自分はタイに通いつめて
いる。しかし自分は地域を見ているのか?この素朴な疑問が、
フィールドスクールから帰って以降、私の頭にとりついて離れない。

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このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから
ご覧いただけます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/mm_list.html

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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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「3つのG?」
................. 江岸伸(グローバル地域研究専攻)

インドのドライバーはみな運転が上手です。道路はいつも車や
リキシャ(注)で混雑しており、歩行者は信号などお構いなし
に横断していきます・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/2010_10.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/mm_phots.html

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■大学院教育改革支援プログラム:
研究と実務を架橋するフィールドスクール情報
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第2回 ASAFAS Graduate Student Conference
(「大学院教育改革支援プログラム・院生発案共同研究報告会」)

日 時:2010年10月13日(水)13:30~
場 所:京都大学総合研究2号館4階AA447

◆写真掲載をおこないました。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/reports/2010conference.html

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お知らせ
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■□■□アジア・アフリカ地域研究 メールマガジン■□■□
■□■□ご意見・ご感想 フォーム開始!□■□■□■□■□
........みなさまからのメールマガジンに対する
ご意見・ご感想をお待ちしております。
http://form.mag2.com/gianoubima

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□同窓生、在学生のみなさん!
京都大学ホームカミングデイを開催します。
日 時:2010年11月13日(土)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h8/d2/news4/2010/
101113_1.htm

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□アフリカ地域研究資料センター5回連続公開講座
「アフリカ研究最前線:生きる」
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/
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現代アフリカの人びとが生きてきたさまざまな環境とその変貌
について長年にわたってアフリカに通い続けてきたフィールド
ワーカーがお話します。

◆第2回「森に生きる」

アフリカ大陸の中央部をしめる大きな熱帯雨林。そこに生きる
人びとの生活は、私たちの暮らしとも無縁ではありません。
現代アフリカの抱える問題を森に生きる人びとの暮らしから
お話します。

日 時:2010年11月20日(土)15:00~17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室

スピーカー:
市川光雄(京都大学アフリカ地域研究資料センター 特任教授)

受講料:4000円(5講座)
 ※1回ずつの受講も可(1講座1000円)

登録フォーム
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/form.html

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■京都大学 G-COE プログラム
:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点HP掲載情報
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□お知らせ

◆「最終成果公表に向けて」
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/staticpages/
index.php/towards

◆GCOEプログラム紹介記事
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101001113117385

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■大学院教育
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□GCOE大学院派遣報告(2010年度)
◆「地域住民の参加型研究を可能にする空間情報活用のための
インターフェイス開発の試み」
....久田信一郎(ASAFAS アフリカ地域研究専攻)

住民と共に行う参加型開発・研究計画が立案される際に、
その計画の基礎となる地理的な空間情報が地域住民と立
案者のあいだでほとんど共有されていない場合が多い。
住民と行政の間で、空間情報のように地域開発を...
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
2010_fs_hisada_j

◆"Life and Formation of families within the community of
laborer from Myanmar in Maesot and Samutsongkhram(Thailand)"
....Nobpaon Rabibhadana(ASAFAS 東南アジア地域研究専攻)

The main objective and focus of this research is to gain a
greater understanding of the life and formation of families
within the community of laborers from Myanmar. Significant
findings from fieldwork in Myanmar...
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
2010_fs_Nobpaon_j

>>GCOE大学院派遣報告リスト掲載(2010年度)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
2010list

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■10月開催の研究会※研究会活動の記録掲載をすすめています。
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■パラダイム研究会
[2010-10-02](第2パラダイム研究会)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20100927

[2010-10-25] [第6回研究会] (第2パラダイム研究会)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
201001025

■イニシアティブ1
[2010-10-23]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101023_ini1

[2010-10-30]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101030_ini1

■国際シンポジウム
[2010-10-20]G-COE国際シンポジウム2010
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20100907141129373

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■セミナー情報....11月のおもな地域研究関連の研究会情報
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[2010-11-01] 「3つの圏の論理と生存基盤指数への展開」 
(G-COEパラダイム研究会)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/20101018

[2010-11-01]カンボジア農村における子と高齢者の世帯間移動の互助機能」
(イニシアティブ4 研究会)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101027101524209

[2010-11-02]「コンゴにおける紛争と鉱物資源」[第5回 アフリカセンター
国際研究フォーラム会合]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101102

[2010-11-06] [東南アジア学会関西例会]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101106_02

[2010-11-15][第33回研究会] (G-COEパラダイム研究会)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101115

[2010-11-16] "Christianity, Headhunting, and History among 
the Bungkalot / Ilongot of Northern Luzon, Philippines"
[Special Seminar]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101020141859858

[2010-11-20]現代南部アフリカにおける社会経済変動と
地域住民の動態―地域研究からのアプローチ (国際集会・国際シンポジウム)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20100622105004994

[2010-11-21]「イスラーム法とテクノロジー」[2010年度第1回
京都大学イスラーム地域研究センター]
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101121

[2010-11-22]2010年GCOEプログラム「ペカンバルフィールド
ステーション設立シンポジウム」 (国際集会・国際シンポジウム)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20100622105205613

[2010-11-22][第7回研究会] (第2パラダイム研究会)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
201001122

[2010-11-27](イニシアティブ1 研究会)
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/
20101127_ini1

◆カレンダーからその他セミナー情報が閲覧できます。
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/calendar/index.php
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◆編集子より◆
タイ・フィールドスクール(タイFSC)が無事に終了しました。今回のタイ
FSCは、日系NGOの活動している地域を訪問することを中心にして開校しま
した。今回は、研究者という立場よりも実践にたずさわる人々の立場に
よりそって講義や演習を開催しました。村の人たちの家にホームスティ
させてもらう機会もあったので、スクールのあとにフィールドワークを
予定している人にとっては貴重な経験になったことと想像します。
11月12日~21日までにはナミビアFSCが開催されます。参加者の多く
は、すでに自分のフィールドさがしをしたり予備的な調査をはじめています。
ナミビアFSCという場が、多くの参加者にとってはじめてのフィールドワーク
をふりかえったり、自分の経験を多くの人と共有できる場となり、次の調査
へと続ける気力を充実させる機会になることを期待しています。(MK)
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◆このメールマガジンは、JSPS大学院教育改革支援プログラム「研究と実務
を架橋するフィールドスクール:社会に貢献するアジア・アフリカ地域専門
家の養成」実行委員会がASAFASフィールドワーク・インターンシップ支援
室より発行しています。

◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。
掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。
宛先:http://form.mag2.com/gianoubima

◆バックナンバーは、こちらのページから読むことができます。
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
ASAFASフィールドワーク・インターンシップ支援室
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協力:
京都大学 G-COEプログラム:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点
http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
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