アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:写真館バックナンバー
メールマガジンバックナンバー第82号
■■■■■ April 2010 第82号 <改革プロ・メルマガ第17号>■■■■■ アジア・アフリカ地域研究情報マガジン Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM) http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/index.html ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1022】■■■■■ ___________今月号の目次_________________ □「マリアの旅立ち」............フィールド便り □「青年狩人」..................メルマガ写真館II □大学院教育改革支援プログラム情報 ........................2010年度 参加者募集のお知らせ □お知らせ....ASAFASオープンキャンパス、アフリカ研究最前線、出版物情報 □GCOE情報..........デジタルブック化、若手研究者養成、大学院教育報告など □セミナー情報 □編集子より __________________________________ ________________________________ 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科では、組織的な 大学院教育改革推進プログラムをはじめ、院生の調査研究を支援 する様々な取り組みを充実させています。その成果の一端を、 メールマガジンを通じてお届けします。今年度もどうぞよろしく お願いいたします。 ________________________________ ========================================================= ■フィールド便り 第17便 ~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~ ========================================================= 「マリアの旅立ち」................杉島敬志 1983年、私が調査をおこなっていたインドネシア・フローレス 島中部の村に、いろいろな問題をおこして厄介者あつかいされてい る男がいた。名前はベシとしておこう。マリアは、ベシとある未婚 女性とのあいだに生れた子どもだった。この女性は、マリアを産ん ですぐに亡くなり、ベシは村を追われ、イリアン・ジャヤ(現在の パプア)に逃げるように移住していった。そしてマリアは近くに住 む母の親戚にひきとられていった。 それから26年たった昨年8月、数週間の予定で村をおとずれた。 3年ぶりの再訪だったが、村には大きな変化があった。それは携帯 電話の急速な普及である。数年前までは、高価なうえに電波がとど かないので、無用の長物にすぎなかった携帯を、かなり多くの村人 が日常的に使うようになっていた。村近くの山頂には高い電波塔が たち、村でも畑でも、通話やショートメッセージの送受信が可能に なった。 こうした携帯の普及は社会関係のありかたに、大きく、多方面にわ たる影響をおよぼしつつある。そのひとつは親族ネットワークの活 性化である。これまでは島外に移住した者との音信は途絶えてしま うことが多かった。ところが、携帯が普及することで、国内の遠隔 地に住む親類だけでなく、海外にいる出稼ぎ者とさえ話すことがで きるようになった。こうして、パプアで水田耕作を営んでいるとい うベシからも、村長に電話がかかってくるようになっていた。 昨年8月、私が村に滞在していたとき、パプア生まれの若者2人が 村をおとずれた。かれらの父はべシの少しまえにパプアに開拓農民 として移住した村人のひとりだった。死んだ父親からさんざん聞か されていた故地をひとめ見るのと、どちらか1人が帰村する可能性 をさぐるのが来訪の目的だった。 マリアは、かれらの携帯をかりてベシと連絡をとったらしく、パプ アに帰るかれらについて、まだ見たことのない父にあいたいといっ て、あわただしく船でフローレスを出ていった。この思いがけない 事のなりゆきに、ひとびとはあきれ驚いた。生れてこのかた、村か らさえあまり出ることなく育ったマリアが、親戚や友人の猛反対を おしきり、2,000キロをこえる遠方の地に旅立ったことの背景 には、私の知らない、いろいろな事情があるのだろう。しかし、 携帯の普及とそれにともなう親族ネットワークの活性化が大きく作 用していることはまちがいない。 __________________________________ このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから ご覧いただけます。 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/mm_list.html ========================================================= ■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~ ========================================================= 「青年狩人」 ................. 今中亮介(アフリカ地域研究専攻) この写真は、私の調査村に住む青年オジョとランシが狩りを しにブッシュに向かっている様子です。この村を含むマリン ケ社会では・・・ http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/2010_04.html (写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます) ↓「メルマガ写真館」バックナンバー http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/mm_phots.html ========================================================= ■大学院教育改革支援プログラム: 研究と実務を架橋するフィールドスクール情報 ========================================================= ■2010年度 参加者募集のお知らせ □研究発信/フィールドスクール/共同研究 募集要項と申請手続き http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/procedures/ procedures.html ========================================================= お知らせ ========================================================= ―――――――――――――――――――――――――――― □京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 オープンキャンパス2010 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/for_test-takers/ opencampus2010.html ―――――――――――――――――――――――――――― 日 時:2010年5月19日(水) 13:00~18:00(受付開始/12:30) 場 所:京都大学 稲盛財団記念館3階 大会議室 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html#map2 参加申込フォーム http://asafas.kyoto-u.ac.jp/for_test-takers/ application.html ―――――――――――――――――――――――――――― □アフリカ地域研究資料センター5回連続公開講座 http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/ ―――――――――――――――――――――――――――― 「アフリカ研究最前線:解る・アフリカ」2010年5月より 始まります。ASAFASの若手研究者も講師として、 アフリカの今をわかりやすく伝えます。 お誘い合わせの上、是非ご参加下さい。 ◆第1回「アフリカ研究最前線:解る・アフリカ」講座 「『商う』~アフリカのマーケットで古着や野菜を売って、 活き活きと働く人たちの生活についてお話します。」 日 時:2010年5月22日(土)15:00~17:00 場 所:京都大学稲盛財団記念館中会議室 スピーカー: 池野旬(京都大学アフリカ地域研究資料センター) 小川さやか(国立民族学博物館) 受講料:4000円(5講座) ※1回ずつの受講も可(1講座1000円) 登録フォーム http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/form.html ―――――――――――――――――――――――――――― □出版物情報 ―――――――――――――――――――――――――――― ◆「アジア・アフリカ地域研究」 第9号-2号 (発行:2010年3月) http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/publication/2009_2.html ========================================================= ■京都大学 G-COE プログラム :生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点HP掲載情報 ========================================================= デジタルブック化をはじめました □自己点検評価報告書(平成20年度) http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/book/ inspectionFY2008/ ―――――――――――――――――――――――――――― ■若手研究者養成 ―――――――――――――――――――――――――――― □次世代イニシアティブ成果報告(2009年度) ◆「東アフリカ紛争多発地域において外部介入が生存基盤の再生 に果たす役割」 ....佐川徹(ASAFAS 研究員) 冷戦終結後、国家規模でなされたアフリカでの紛争と紛争後処理は 国際的に大きな関心を集めてきた。一方、より局所的で常態化した いくつかの地域紛争については、冷戦終結直後はあまり関心が集ま らなかった。申請者と共同研究者が・・・ http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/ 2009_jr_sagawa_j ◆「エチオピア南西部、山地森林域における生存基盤としての 『コーヒーの森』の持続的利用の可能性-」 ....伊藤義将(ASAFAS 研究員) 現在エチオピアで森林生態系を残している森林は国土の3%以下 であると言われており(JICA 2008)、残された森林の大部分が エチオピア南西部に立地している。エチオピア南西部の森林は、 エチオピア南部の半乾燥地域を縦断し・・・ http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/ 2009_jr_ito_j ◆「熱帯人工林持続のための樹木の育種研究」 ....海田 るみ(生存圏研究所 研究員) Transgenic mangiums (Acacia mangium) overexpressing Aspergillus xyloglucanase were generated by Agrobacterium method. The overexpression of xyloglucanase decreased xyloglucan content in the walls・・・ http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/ 2009_jr_kaida_j >>次世代研究イニシアティブ・研究助成リスト(2009年度) http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/2009_jr_list ―――――――――――――――――――――――――――― ■大学院教育 ―――――――――――――――――――――――――――― □GCOE大学院派遣報告(2009年度) ◆「バンコクの社会史---近代における公衆衛生をめぐる諸問題を中心に」 ....Nipaporn Ratchatapattanakul (ASAFAS 東南アジア地域研究専攻) 本研究は、19世紀末期から20世紀半ばにかけて、バンコク市内 で発生した都市衛生問題に着目し、中央政府および自治体の行政・ 政策と、市民自身による諸活動の双方から検討することにより、 バンコクという都市社会の特徴を歴史的に ・・・ http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/2009_fs_nipaporn_j >>大学院派遣者報告リスト(2009年度) http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/2009list ―――――――――――――――――――――――――――― ■成果公開 ―――――――――――――――――――――――――――― □ワーキングペーパ http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/staticpages/ index.php/working_papers ◆ G-COE Series 86(February 2010) The Reconfiguration of Cambodian Rural Social Structure: With Special Focus on the People Called Chen and Khmae http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/workingpaper86 >> ワーキングペーパリスト http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ staticpages/index.php/wp_list ―――――――――――――――――――――――――――― ■4月開催の研究会※研究会活動の記録掲載をすすめています。 ―――――――――――――――――――――――――――― ■パラダイム研究会 [2010-04-19]「持続型生存基盤パラダイムの構築に向けて」[第27回研究会] http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/20100419_para1 ■第2パラダイム研究会 [2010-04-26] [第1回研究会] http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/20100426 ■イニシアティブ4 [2010-04-19]「地域紛争と環境問題:ナイジェリア産油地域で起きていること」 http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/20100419 ―――――――――――――――――――――――――――― ■セミナー情報....5月のおもな地域研究関連の研究会情報 ―――――――――――――――――――――――――――― ■[2010-05-15]「親子のつながり」ワークショップ (イニシアティブ4 研究会) http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/article.php/20100515ini4 ■[2010-05-17][第28回研究会] (G-COEパラダイム研究会) http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/20100517 ■[2010-05-20]「京大におけるアフリカ地域研究の回顧と展望 ー個人史の視点から」[アフリカ地域研究会] http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/20100520 ■[2010-05-22][東南アジア学会関西地区5月例会] http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ article.php/20100522 ◆カレンダーからその他セミナー情報が閲覧できます。 http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ calendar/index.php __________________________________ ◆編集子より◆ いよいよ4月がはじまりました!改革プログラムでは、今年度も研究 発信トレーニング、フィールドスクール、院生発案共同研究を募集し ます。フィールドスクールは、9月にタイにおいて、11月にナミビ アにおいて開催されます。改革プログラムでは、今年度から新しいス タッフをむかえて、昨年度以上に最終年度のプログラムにとりくむ心 づもりです。一年間どうぞよろしくお願いします。(MK) ________________________________ ◆このメールマガジンは、JSPS大学院教育改革支援プログラム「研究と実務 を架橋するフィールドスクール:社会に貢献するアジア・アフリカ地域専門 家の養成」実行委員会がASAFASフィールドワーク・インターンシップ支援 室より発行しています。 ◆感想やご質問をお気軽にお寄せください。掲載希望の記事や 研究会の案内なども受け付けています。 宛先:ainfom@asafas.kyoto-u.ac.jp ◆バックナンバーは、こちらのページから読むことができます。 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/mm.html __________________________________ ◆このメールは「まぐまぐ」と「melma!」システムを利用して配信して います。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/mm/mm.html ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集/発行: 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS) ASAFASフィールドワーク・インターンシップ支援室 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/index.html 協力: 京都大学 G-COEプログラム:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点 http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ |
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