第56回 「メルマガ写真館」

「森と水のある暮らし」...内山明子（グローバル地域研究専攻）

北タイの中心都市、チェンマイから車で走ること約３時間。2010年9月12日から20日までのタイ・フィールドスクール期間中、私たちが4日間滞在した村、ホイポン村での1枚です。

メコン川の源流部に位置するこの村では、NGO、ＬＩＮＫの支援を受け、村人による参加型環境保全の取り組みが行われています。この活動は森と川をただ守るだけではなく、いかに自然資源を活用しながら村での暮らしを豊かにするという取り組みもおこなっています。住民リーダーが語った「森はスーパーマーケット」という言葉通り、私がホームステイをさせていただいた家庭では、筍、青菜、豆などの山の幸が毎日食卓にのぼりました。また有機農業や自然素材を使った伝統的な機織りの復興も行われています。村の中を流れる川は、水田や畑、そして森を潤し、そこに暮らすすべての生命を育む水源であり、子どもたちの遊び場でもあります。

重要な自然資源である大河の源流部の水源林を守るということは、そこに住む住民が自分たちの住んでいる場所を大切にすることによって初めて可能になります。自然と共生することとは何かを肌で感じた4日間でした。