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第十五回 「地域研究と文献研究」 | |||
Contents 2.葬式本 |
2.葬式本 私はタイの政治を勉強しています。もっぱら文献に依拠した研究です。こうした人間にとっても、現地に出かけることにはとても大きな意義があります。サファリの例のように文献では分からないことが分かりますし、さらに文献の理解度が格段に深まり、記述内容の真偽判断能力が高まるからです。それに加えて、タイ語文献資料を閲覧収集するという重要な意味もあります。タイ語の資料にはいろんなものがあります。そうしたものの1つに、「葬式本」があります。長期にわたる葬儀のクライマックスとなる火葬(宗教によっては埋葬)の際に、参列者に引き出物として配布される本です。遺族が出版するのが普通です。故人が偉い人の場合には、多くの個人や団体が出版します。現国王の母親の葬式では、大小取り混ぜて18冊も配布されました。 |