Contents

１．多様なイスラーム世界

２．統一性と多様性

３．アラベスク

４．一と多

５．偶像崇拝の禁止？

６．現代のイスラーム世界

７．『マッカ会議』

８．イスラーム復興運動

９．アジア・アフリカの宗教アイデンティティ

10．パラダイム転換

11．日本のイスラーム世界研究

９．アジア・アフリカの宗教アイデンティティ

　イスラーム復興は、現代における宗教復興、政治と宗教の再結合などの要素を持っており、近代化が世俗化をもたらすという考え方からは、非常に理解しにくい。そのため、「異常な事態」「近代世界に対する脅威」というイメージから、「原理主義」というような表現が（特に欧米では）安易に使われる。しかし、アジアやアフリカは元来、宗教アイデンティティの強い地域であり、西洋的な世俗化だけでは理解できない。