Contents
1.多様なイスラーム世界
2.統一性と多様性
3.アラベスク
4.一と多
5.偶像崇拝の禁止?
6.現代のイスラーム世界
7.『マッカ会議』
8.イスラーム復興運動
9.アジア・アフリカの宗教アイデンティティ
10.パラダイム転換
11.日本のイスラーム世界研究
幾何学紋様はその成り立ちを見ると、どれも円を基にして、それに内接または外接する多角形から作られていることがわかる。つまり、円の中心という一点から多様な文様が展開する、あるいは複雑な文様は実は一点に回帰する、という理念が図形化されているのである。このような世界観を、アラビア語では「多の中の一、一の中の多」と表現している。