第184回 「メルマガ写真館」
第184回「メルマガ写真館」
「シリアの懐かしい食べ物」
中西萌(グローバル地域研究専攻)
越境先の生活では、意外な食べ物が無性に恋しくなることがありますよね。
先日私は、東京に住むシリア出身の友人に「もえ、僕はビネガー味のポテト チップスが食べたいんだ。」と言われ、その友人と一緒にビネガー味のポテ トチップス探しの旅に出かけました。
幸いにも日本最大の都市、東京での出来事でしたので、3軒目のスーパーマー ケットで見つけることができました。その友人は、大喜びしながら店頭に並 んでいた全てのビネガー味の国産ポテトチップス(以下、ポテチ)の袋をつ かみました。そして、セルフレジでの会計では、財布を逆さまにして、この 方が簡単で速いんだぞと言っているかのように、持っていた全ての硬貨を小 銭受けにジャララララと流し込み、6袋ものポテチを購入しました。
店を出るや否や、すぐに1つ目のポテチを開けて、もう待ちきれなかったか のように、バリバリと食べ歩きながら語りました。
「シリアにいた頃は、毎日のようにビネガー味のポテチを食べていたんだ。 でも、日本に来てからこれっきり見かけた事がない。ビネガー味が一番おい しいと思うのに、なぜここにはないんだ?」
さらに、日本のポテチは薄く、味が控えめなのに対し、シリアのポテチはカ リカリで、味がはっきりしていることを教えてくれました。私にも、さぁ、 食え食えとたくさん分けてくれました。
溢れんばかりの笑顔をしていた友人と一緒に食べた、日本のポテチは、いつ もと違って楽しさいっぱいの味がしました。
もちろん、その友人と一緒におやつばかり食べていたわけではありません。 ポテチ巡りの旅の後に、その友人はシリアの料理をお腹いっぱいになるまで 振る舞ってくださいました(写真)。
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