第171回 「メルマガ写真館」
第171回「メルマガ写真館」
「仏教と森林保全」
安松弘毅(東南アジア地域研究専攻)
一人の僧侶が、袈裟の切れ端を使って二本の木を繋げています。乾季に入って弱ったコブミカンの木に、近くの木から生命力を分け与えようとしているようです。このコブミカンの木は結局枯れてしまいましたが、同様に森林において僧侶たちが樹木の保全を目的として自身の袈裟を巻いておくことがあるといいます。この場合、袈裟を巻かれた木は超自然的な仏の力…ではなく、仏教的な信仰によって、少なくともラオスの地域住民による伐採から守られるのだそうです。