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第170回 「メルマガ写真館」

第170回「メルマガ写真館」
「誰の子供を何人産むか?」
寺本理紗(アフリカ地域研究専攻)

 人間の女性の出産は、妊娠期間が約10ヶ月と非常に時間がかかります。出産後には赤ちゃんの育児と授乳が待っているため、女性は1回の出産につき4年ほどの貴重な時間を費やすことになります。
 では、女性の出産の意思決定に際して問われるべきは、莫大なコストのかかるイベントを経て、いかに人生を盛り上げるかという点です。
 例えば、私の調査地であるボツワナ共和国kgatla集団では、女性が生涯に同じパートナーの子どもを産み続けることもありますが、出産の度にパートナーを変え続けて5人の子どもの父親が全員違う、ということも普遍的な社会です。生涯に同じ男性の子どもを産むのも幸せかもしれませんが、Kgatlaの女性をみていると何度もパートナーを変えて出産する人生も楽しそうに思えてきます。
 実は同じパートナーの子どもを産み続けるという価値観は、人間においてはたかだか20万年程度の流行りです。ボツワナに来ることで自分たちの生殖観や人生観を振り返る貴重な機会を得ることができました。


写真1:カタの祖母と孫 カタ社会は社会的母系なので子どものお母さんたちは祖母と子育てをします。


写真2:カタの女性の一般的な服装。腰の布は子どもを背負うように使います。


写真3:ボツワナで9月くらいから売り出されるおやつのモパネワームです。サバンナ気候で生活する上で重要なたんぱく源になります。虫食に加えていうと、白アリの巣を削って食べる妊婦さんもいるそうです。

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