第162回 「メルマガ写真館」
第162回「メルマガ写真館」
「インドのサリーを体験するマレー人女性の心中は...」
柏 美紀(東南アジア地域研究専攻)
スーパーで幼い男の子が口ずさむのは、愛国歌。 国旗のデザインのスカーフを被る、イスラーム教徒の女性。 今年8月31日、マレーシアは、62回目の独立記念日を迎えました。
「連帯」をスローガンに開かれたイベントの広場は、主要な民族とされるマレー人、華人、インド人、先住民族の文化体験ブースで賑わいます。
『息子がパレードで行進するのよ!』と誇らしげなマレー人女性が漏らしたのは、『このままでは華人に国を乗っ取られてしまう、もともと住んでいたのはマレー人なのに。』という不満。
勤める会社が倒産した後、運転手として食い繋ぐ華人男性は、『進学や就職で不利で、裕福なら外国に行くけど…政治を握るのはマレー人だから…。』と表情を曇らせます。
各ブースの仕切りは、互いを尊重しながらも築かれる、心理的な壁の象徴のようにも感じられました。