第158回「メルマガ写真館」
「水を欲する乾いた喉」
山田 祐（アフリカ地域研究専攻）

19歳の夏、私はインド洋の西果てを旅していました。その地域はマダガスカルという素敵な名前で呼ばれていて、たくさんの人が抗い難い魅力に蠱惑され、島をあてもなくふらついていました。大きいマイクロバスなんていう気の利いたものは、島の外を流れる海流がみんな吹き飛ばしてしまって、私たちは狭いミニバンに押し込まれ、暑い夏に破滅的な路上を永遠と移動していました。

22歳の秋、また同じ場所で同じ車に乗るとは思っていませんでした。私は島に宿命的に惹きよせられ、マダガスカルの大地を踏みしめています、今度は確かな意味と目的を携えて。