「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン第181号
 
■■■ July 2018 第181号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン ASAFAS E-zine
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine (IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1226】■■■■■

________今月号の目次 Contents______________

□フィールド便り............................つつしんでいただきます
□メルマガ写真館..................調査の醍醐味:特別な生肉を味わう
□お知らせ................................................入試日程
□講演会・セミナー情報............東南アジアの観光に関するセミナー
□最近の出来事.............................. Facebook・Twitter情報
□編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「つつしんでいただきます」
上村 知春(アフリカ地域研究専攻)
 
テスファイは、借りた鍋を返しにきた近所の婦人の腕をつかんで室内へ招
き入れました。婦人は促されるまま部屋へ入り土間に腰をおろしましたが、
テスファイが差し出したインジェラ(酸味のある薄焼きパン)の皿は手で
制しました。
「もう食べてきたんだよ、いらない、食べないよ」
しかしテスファイは、いっそう力を込めて皿を彼女の方へ押しつけます。
「ちょっとだけよ」

 婦人は「いらないよ、食べないよ」のことばを繰り返しながら押し返し
ます。めまぐるしい皿の往来が続き、ややあって、テスファイが、「じゃ、
半分だけ」と言って二つに折りたたまれたインジェラの上半分をちぎりと
り、皿を婦人の脇に置いたところで決着がつきました。婦人は、あきらめ
た、といった様子でゆっくりと皿を手にとって膝の上に置きました。
 
 これは、私が調査でお世話になっているエチオピアの村でしょっちゅう
繰り広げられる、訪問客と主人の押し問答の一場面です。来客があれば飲
食物をふるまい、客はそれを拒絶し、主人はふたたび押しつける??これを
何度も繰り返し、最終的に受けとる(あるいは拒絶しきる)という一連の
流れが、ふるまい/ふるまわれる場合の礼儀であり習慣です。ときにはけ
んかにもみえかねないこの押しあいのあいだに、主人は、「(客が)本当
に欲しくないのか?遠慮しているだけなのか?」を見きわめようとし、客
は、「これは、積極的に提供しようとしているのか?たてまえか?」と主
人の本意を探るのです。子どもたちも、おとなをみならって自然にこの作
法を身につけてゆきます。家庭の外で食事を出されると、4歳にならない
ような子どもでも、はじめは礼儀正しくちょっと断ったりするものです。
 
 村に暮らしはじめて間もないころの私は、こうした気づかいが日本人の
「遠慮」に似ていると親近感を覚えつつも、ほどあいがわからなかったた
めに、とりあえずは「ひかえめにする」のが無難だと思っていました。あ
るとき隣の家の母さんが出してくれた食事を丁重にお断りしたところ、
「じゃあいつ食べるのよ!」と叱られました。そのときは感謝しながら素
直に受けとるのが正解だったのです。一見なにげない日常のやりとりは、
人と人の関係性をうつし出します。外からやってきたばかりの私は、うま
くふるまおうとして空まわりしてしまったのです。
 
 ある日、やんちゃ坊主たちがおとなたちの問答をふざけて真似してみせ
ました。真剣なおとなたちの様子をおもしろおかしく、しかしそっくりに
演じる姿に、おもわず笑いがこみあげました。
 
(上記のフィールド便りに関する写真は次のFaxebookでご覧ください)
https://www.facebook.com/kyoto.asafas/posts/632616413791100
 
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■ メルマガ写真館~フィールドで出会う~  Photo Gallery
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「調査の醍醐味:特別な生肉を味わう」
下山 花(アフリカ地域研究専攻)
 
エチオピアの祭日に欠かせないのは、牛の肉です。私の調査地である同国
南部のガモ地域に暮らす人びとは・・・
 
(続きと写真は次のURLをご覧ください)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2018_07.html
 
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■ お知らせ Announcements
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□ 2019年度 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試日程
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*募集要項等の詳細は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。

◆ 第1回入学試験
(東南アジア地域研究専攻、アフリカ地域研究専攻、グローバル地域研究専攻)
出願期間:2018年8月20日(月)~8月29日(水)17時必着
試験日程:2018年9月12日(水)、13日(木)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application

◆ 第2回入学試験
(東南アジア地域研究専攻・アフリカ地域研究専攻のみ)
出願期間:2019年1月11日(金)~1月22日(火)17時必着
試験日程:2019年2月6日(水)、7日(木)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application
 
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■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars
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□ 東南アジアの観光に関するセミナー
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日時:2018年 7月26日(木)15:00 ~ 17:00
会場:京都大学 百万遍キャンパス 総合研究2号館4階 第一講義室(AA401)
演者:Prof Ploysri Porananond (Chiang Mai University)
演題:Elephant and Tourism Development in Chiang Mai, Thailand

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□ 第237回 アフリカ地域研究会
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日時:2018年10月18日(木)15:00 ~ 17:00 
会場:京都大学 稲盛財団記念館3階大会議室
演者:白戸 圭一(立命館大学国際関係学部・教授)
演題:企業が変えるアフリカ
*10月以降に開催される研究会案内チラシをアフリカ地域研究資料センターのウェブ上で近日中に公開予定です!
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/as/index.html
 
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■ 最近の出来事 Recent Topics
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□ Facebook・Twitter情報
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http://twilog.org/Africa_Kyoto_U

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■ 編集子より From the Editor
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私がお世話になっている調査地の人々は「太陽が私を殺す」という表現を
して直射日光を受けることを極力避けます。先日、タンザニアから来日し
ている研究員の方が「連休中に、ゲストハウスの前のグラウンドで朝11時
頃から夕方4時まで、少年たちが炎天下のなかサッカーをしていたけれど、
彼らは大丈夫なのか?」と尋ねてきました。その場にいた一人が「暑いと
思うけど、W杯もあったから夢中になって練習していたのかもしれない」
と答えました。 ASAFSAでは、 7月末から多くの院生・研究員・教員がア
ジアやアフリカへとフィールドワークのために渡航します。地域によって
は、日本と逆の冷涼な気候のところもありますが、日本以上に酷暑をむか
えているところも数多くあります。フィールドワークに夢中になりすぎて
「太陽に殺される」ことなく元気に帰国して、興味深いフィールドワーク
の話を聞かせてもらえることを楽しみにしています。(MK)
 
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
ASAFAS 次世代型アジア・アフリカ教育研究センター 臨地教育・国際連携支援室
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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