「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

メールマガジンバックナンバー 
■■■ November 2016 第161号 ■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1179】■■■■

________今月号の目次_________________

□フィールド便り.....................「人生初のチョコレート!?」
□メルマガ写真館.....................「貼ってふさぐ、貼って治す」
□お知らせ...............ASAFAS大学院入試、オープンキャンパス情報
□講演会・セミナー情報........INDAS International Conference など
□最近の出来事..........................FacebookとTwitterの情報
□編集子より
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■ フィールド便り
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「人生初のチョコレート!?」
吉野 慶一 (東南アジア地域研究専攻)
 
 チョコレートの原料であるカカオ。赤道を挟んで緯度にして南北20
度の間の熱帯地域で栽培されます。この産地として日本で有名なのは
ガーナですね。しかし、ガーナのカカオ生産量は世界第2位で、1位は
ガーナの隣国であるコートジボワール、そして3位は実は東南アジア
のインドネシアなのです。
 13,000もの島々からなるインドネシアにおいて、カカオの生産が最
も盛んなのはバリ島やカリマンタン島よりもさらに東に位置するスラ
ウェシ島。この島でインドネシアのカカオの約80%が、また全世界の
カカオの約10%が生産されています。
 2011年より本格的にこの島に通い続け、今では渡航回数は30回を超
えます。驚くべきはカカオ農家の中にはチョコレートを口にしたこと
がないという人がかなり多いということです。
 どんなに小さな村でも売店はあり、チョコレート菓子は売っていま
す。しかし、まだ低温輸送が発達しておらず、電気が通ってない村も
ある中で、温度が約30℃で溶けてしまうピュアな板チョコは村ではほ
とんど見かけることはありません。しかもバータイプのピュアな板チ
ョコは、国内メーカーのものでも150円程度、外国からの輸入チョコ
レートだと400~500円くらいです。屋台でナシゴレンと呼ばれる焼き
飯が 100円で食べられるという物価に鑑みると、インドネシアではチ
ョコレートは超高級菓子だということがよくわかりますね。
 自らチョコレートの原料であるカカオを栽培しているけれど、それ
はあくまで換金作物。自分で簡単には作れないということもあって、
チョコレートはカカオ農家にとっても高嶺の花なのです。
 そんなある日、私はカカオ農家を集めて一緒にチョコレート作りを
しました。まずカカオの実を半分に割って、白い果肉に包まれた種子
(カカオ豆)を果肉ごと取り出し5日間発酵させて(そう、チョコレー
トは実は発酵食品なのです!)、その後3日間乾燥させたカカオ豆を
フライパンで焙煎します。それからサンバルと呼ばれるトウガラシの
ペーストを作るときに使用する石製のすり鉢とすりこ木で練り上げま
す。途中砂糖を加えるのですが、これもカカオ農家が自分の農園から
採ったヤシ砂糖を使用。
 焙煎したカカオ豆をひたすらすり潰すこと約2時間。カカオ農家は
出来たてのペースト状のチョコレートを恐る恐る口に運びます。する
と口の中でチョコレートが溶けるにしたがって、みんなの表情がどん
どん笑顔になっていきました。自分で作ったチョコレートの味は格別!
機械がなくても、原料のカカオがあって、手間さえかければチョコが
できると知って、村のお母さんたちはこどもの誕生日などにチョコケ
ーキを作るようになりました。
 そして今ではその村でカカオ農家たちが自ら作ったチョコレートが
スラウェシ島の空港に並ぶまでに。フィールド調査の帰りに空港の売
店で誇らしげに並ぶ彼らのチョコレートを見るたびに、あのチョコづ
くりの体験がきっかけとなって今があると思うと胸が熱くなるのでした。
 
 
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■ メルマガ写真館 ~フィールドで出会う~
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「貼ってふさぐ、貼って治す」
白石 奈津子(東南アジア地域研究専攻)
 
 日本でもおなじみの湿布薬「サロンパス」。フィリピンでも大人気の製
品です。よくお土産にもせがまれるのですが、実は、フィリピンではサロ
ンパスの主成分であり・・・・
 
(続きは次のURLをご覧ください)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2016_11.html
 
 
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■ お知らせ
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□ 平成29年度 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試日程
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第2回試験:2017年2月8日(水)、9日(木)
(東南アジア地域研究専攻・アフリカ地域研究専攻のみ)

*募集要項等の詳細は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application
 
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□ 専攻別 2016年度第2回オープンキャンパスの開催
 (東南アジア地域研究専攻のみ)
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◆ 東南アジア地域研究専攻 オープンキャンパス
日時:2016年12月7日(水)13:00-17:00頃(受付開始12:30)
場所:京都大学 本部キャンパス 総合研究2号館4階 大会議室(AA401)
 
プログラム:
12:30-13:00 受付
13:00-13:25 大学院説明会
 竹田晋也「東南アジア地域研究専攻で学べること」
 伊藤正子「入試について」
 細田尚美「修了後の進路について」  質疑応答
13:30-15:30 大学院生によるゼミ発表
15:30-17:00頃 教員との懇談
  
お申込および詳細情報は以下のURLを御覧ください。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/senkooc2016/oc-asia2016dec
 
  
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■ 講演会・セミナー情報
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□ 第223回 アフリカ地域研究会のお知らせ
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日時:2016年12月15日(木) 15:00~17:00
会場:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
演者:浜田明範(関西大学社会学部・准教授)
演題:「化学的環境とイベルメクチンの配置:
ガーナ南部におけるグローバルヘルスの一側面」

研究会案内>>
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/as/index.html
研究会詳細フライヤー >>
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/as/as221225.pdf

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□ 京都大学アフリカ地域研究資料センター
設立30周年記念公開講座「アフリカから学ぶこと」
(要事前申込・受講料有)
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アフリカ地域研究資料センターでは、設立30周年を記念して
下記の要領で公開講座を開講します。
講師は新任の教員を中心にセンター教員が担当します。
 
◆ 第2回 2016年11月26日(土)
「エチオピアの女性職人から学ぶこと」金子守恵
◆ 第3回 2016年12月 3日(土)
「カメルーンの「森の民」から学ぶこと」安岡宏和
◆ 第4回 2017年 1月21日(土)
「「サルのフン」から学ぶこと」佐藤宏樹
◆ 第5回 2017年 2月25日(土)
「「貧困層」の暮らしから学ぶこと」高橋基樹

いずれの回も、
時間:15時~17時(開場 14時半)
場所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
定員:50名(先着順)
*問い合わせ先や詳細情報などは以下URLを御覧ください。
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/contribution/kokaikoza2016.html
 
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□ 第59回KUASS(Kyoto University African Study Seminar)
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日時:2016年12月1日(木) 17:00~19:00
場所:稲盛財団記念館3階小会議室2
演題:"Apex of African Neo-colonialism: Zimbabwe’s War Veterans 
Vanguard against Mugabe’s Dynastic Rule Establishment"
演者: Dr. Zvakanyorwa Wilbert Sadomba (Centre for Applied Social
Sciences, University of Zimbabwe)
言語:英語

詳しくは下記サイトをご覧ください↓
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/kuass/index.html


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□ African Primatological Consortium 
   第1回国際ワークショップ研究発表シンポジウム
  「霊長類研究・保全トレーニングセミナー」
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日時:2016年12月5日(月)13:00-18:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
主催:日本学術振興会研究拠点形成事業
共催:京都大学アフリカ学際研究拠点推進ユニット
   京都大学霊長類研究所
   京都大学アフリカ地域研究資料センター
参加対象:アフリカ研究機関教員・学生、本学教職員・学生
 
問い合わせ先:若松文貴 京都大学学術研究支援室URA
              E-mail: wakamatsu.fumitaka.7v@kyoto-u.ac.jp


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□ The 8th INDAS International Conference 
    - Toward Sustainable Development of India and South Asia -
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日時:2016年12月17日(土)、18日(日)
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
 
詳しいプログラムはこちら↓
http://www.indas.asafas.kyoto-u.ac.jp/seminar/indas_20161217
参加申し込みはこちらから↓
indas_office[at]asafas.kyoto-u.ac.jp
 

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■ 編集子より
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 今号は、東南アジアのインドネシアとフィリピンからフィールド調
査中の一コマを お届けいたします。他方タイでは先月(10月)13日に
プーミポン国王が逝去され、黒 服を纏い、悲しみにくれて涙を流す
大勢の人々の様子が日本においても報道されま した。黒い衣服のな
い人々のために、手持ちの衣類を黒色に染めるサービスも提供され
たと伝えられます。約一世紀前の1910年10月23日、チュラーロンコー
ン王が亡 くなられました。遺体はドゥシットマハープラーサート宮
殿に安置され、一連の公 式儀礼がおこなわれる傍ら、火葬儀までの
期間、毎月1日と15日に一般の人々にも弔 問が許され、白服に身を包
んだ大勢の人々が合掌拝礼して弔意を表した伝えられます。白と黒の
間に興味深い歴史がみえてきそうです。(J.K.)
 
 
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研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント室、
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
京都大学 アジア・アフリカ地域研究研究科 次世代型アジア・アフリカ
教育研究センター 臨地教育・国際連携支援室
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/
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