「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー
メールマガジンバックナンバー■■■ February 2016 第152号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ アジア・アフリカ地域研究情報マガジン Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM) http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1176】■■■■■ ________今月号の目次_________________ □「仮面の奥」..................................フィールド便り □「猟犬と野鳥と人間と」......................メルマガ写真館II □お知らせ.......オープンキャンパス、大学院説明会@東京のご案内 □講演会・セミナー情報 ........アフリカ地域研究パラダイム再編セミナーのご案内 □編集子より _______________________________ ============================================================== ■フィールド便り ~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~ ============================================================== 「仮面の奥」 ............. 西島 薫(東南アジア地域研究専攻) 調査地の農村で長期調査をおこなっていると、何度か人の死に遭遇し ます。2014年にインドネシア・西カリマンタン州の農村で調査を開始 してから、4回の葬送儀礼がおこなわれました。 私の調査地では、葬送儀礼はバブクンと呼ばれます。「バ」とは、行 為をおこなうことを意味する接頭辞ですので、「ブクンをおこなう」 という意味になります。ブクンとは、おどろおどろしい仮面をかぶり、 全身をろうけつ染めの布で覆った精霊あるいは妖怪です。儀礼の間、 5人または7人のブクンが村中を練り歩き、村人たちに果実、米、砂 糖や酒などを要求します。異界からやってきたブクンは恐怖の対象で あり、「ホホホホ」と言うブクン独特の笑い声が聞こえると、子ども たちは逃げ回り、大人たちの中には戸を閉め身をひそめる者もいます。 儀礼の中でも、ブクンが棺を墓に運ぶ瞬間は、故人との物理的な別れ のときです。村の川上と川下からブクンが姿をあらわすと、親類たち の中には涙を浮かべる者もいます。ブクンは、家に入ると棺のまわり をグルグル回りながら、いたずらをします。棺に背をもたれくつろぐ ブクンもいれば、儀礼の参加者を脅かすブクンもいます。私は、カメ ラの液晶画面に注視しつつ、ブクンがいたずらをする様子を追ってい ました。あるブクンが、棺に突っ伏したまま動きません。酒に酔って 立てないのか、いたずらのつもりなのか、と横顔をよく見てみると、 唇を震わせて泣いていました。彼は故人の息子でした。仮面の奥で悲 しみを堪えつつ、ブクンとして道化的な役割を演じていたのかと、 ハッとさせられました。 参与観察といいつつも、儀礼の記録のことで頭がいっぱいで、仮面の 奥に隠れたごくごく当たり前の感情にすら想像力が及ばなかった自分 を、少し反省する思いでした。 _______________________________ このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから ご覧いただけます。 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/ ============================================================== ■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~ ============================================================== 「猟犬と野鳥と人間と」 .............佐久間香子(東南アジア研究所) この写真を撮影したのは、マレーシア・サラワク州の内陸部に建てら れた、遊動民の定住村(ロングハウス)です。この村に訪れるといつ も私は・・・ http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2016_02.html (写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます) ↓「メルマガ写真館」バックナンバー http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/phots_list.html ============================================================== ■お知らせ ============================================================== ――――――――――――――――――――――――――――――― □4月16日(土)オープンキャンパス 参加申込受付を開始しました ――――――――――――――――――――――――――――――― 平成29年度入試に向けて下記の日程でオープンキャンパスを行います。 ふるってご参加ください。詳細は下記URLからご覧いただけます。 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/opencampus2016 日時:2016年4月16日(土) 13:00~18:00頃(受付開始 12:30) 会場:京都大学 稲盛財団記念館 3階大会議室(川端キャンパス) 参加申込み:下記URLで参加申込フォームに必要事項をご記入のうえ、 送信してください。 https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/opencampus2016/form_opencampus ――――――――――――――――――――――――――――――― □7月2日(土)大学院説明会@東京オフィスを開催します ――――――――――――――――――――――――――――――― 平成29年度入試に向けて東京で大学院説明会をおこないます。ふるって ご参加ください。詳細は下記URLからご覧いただけます。 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/tokyo2016 日時:2016年7月2日(土) 14:00~16:00頃 会場:京都大学 東京オフィス 新丸の内ビルディング 10階 (東京都千代田区丸の内1-5-1) ――――――――――――――――――――――――――――――― □平成29年度 ASAFAS大学院入試日程 ――――――――――――――――――――――――――――――― 第1回試験:平成28年9月17日(土)、18日(日) (東南アジア地域研究専攻・アフリカ地域研究専攻、グローバル地域研究専攻) 第2回試験::平成29年2月8日(水)、9日(木) (東南アジア地域研究専攻・アフリカ地域研究専攻のみ) ※募集要項等の詳細は平成28年4月初旬に下記の研究科ウェブサイトで 公開予定です。 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application ─────────────────────────────── □臨地教育支援センター プログラム情報&フィールド・ワーク報告 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/shien/ ─────────────────────────────── フィールド・ワークの報告書が続々とアップされています。 とてもホットな調査報告をぜひご一読ください。 新着学生レポートは以下のサイトへ >> http://www.iasu.kyoto-u.ac.jp/ ─────────────────────────────── □京都大学「アフリカ研究基金」の創設と寄付のおねがい http://www.kikin.kyoto-u.ac.jp/contribution/africa/index.html ─────────────────────────────── 今後、世界におけるアフリカの人口比率が高まり、その存在感はたか まっていきます。アフリカ地域研究資料センターの研究活動を強力に 推進し、わが国とアフリカ諸国との学術パートナーシップの構築を進 めていくためにも、京都大学基金として「アフリカ研究基金」を創設 しました。皆さまには、京都大学のアフリカ研究の伝統と理念をご理 解いただき、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。 ============================================================== ■講演会・セミナー情報 ============================================================== ――――――――――――――――――――――――――――――― □アフリカ地域研究パラダイム再編セミナーのご案内 (申込不要・入場無料) ――――――――――――――――――――――――――――――― ◆第1回 2016年3月4日(金) 15:00~18:00 "Bird Conservation and People 's Livelihood in Madagascar" 演者:HajanirinaFanomezantsoa Rakotomanana 博士 (アンタナナリヴ大学理学部動物学科・教授) 場所:京都大学稲盛財団記念館 3階 318セミナー室 ◆第2回 2016年3月11日(金) 15:00~18:00 "Language in identity formation in Africa" 演者:Matthias Brenzinger 博士 (ケープタウン大学・アフリカ言語多様性研究センター・所長) 場所:京都大学稲盛財団記念館 3階 318セミナー室 ◆第3回 2016年3月18日(金) 15:00~18:00 "Overcoming divides: African Studies and the Global South Studies Center at the University of Cologne" 演者:Clemens Greiner 博士 (ケルン大学・ケルン・グローバルサウス研究センター・上級講師) 場所:京都大学稲盛財団記念館 3階 318セミナー室 問い合わせ先や詳細情報などは以下URLからポスター(PDF)をご覧ください。 http://www.africa.kyoto-u.ac.jp/eng/enkuass/20160217B.pdf ─────────────────────────────── □Twitter 情報 ─────────────────────────────── 京都大学アフリカ地域研究資料センター ・・・京都発のアフリカ研究関連情報を発信していきます。 http://twitter.com/Africa_Kyoto_U http://twilog.org/Africa_Kyoto_U(ツイートをブログ形式で表示) ─────────────────────────────── □メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。 http://form.mag2.com/gianoubima _______________________________ ◆編集子より◆ インドネシアのある島で調査をはじめてから33年になります。80年代 には直線距離で40km移動するのに徒歩で5日以上かかっていました。 しかし2000年代から徐々に整備されてきた道路をバイクで移動し、本 拠地の村から数十キロ離れた別の首長国を日帰りで訪問できるようになり ました。昨年、こうした広域調査をおこない、これまでの自分の研究がい かに不十分なものであったかを痛感しました。過去に発表した自分の論文 を自分で批判することになるのですが、おもしろいですね。今年もやって みます!そのために必要なインドネシア政府からの調査許可をえるための 申請書類を準備しているところです。(TS) _______________________________ ◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究 研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント 室、ASAFAS臨地教育支援センターより発行しています。 ◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。 掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。 宛先:http://form.mag2.com/gianoubima ◆バックナンバーは、こちらのページから読むことができます。 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/ _______________________________ ◆このメールは「まぐまぐ」と「melma!」システムを利用して配信して います。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。 http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/index.html#form ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集/発行: 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS) 広報委員会 ASAFASキャリア・ディベロップメント室 京都大学学際融合教育研究推進センター・総合地域研究ユニット 臨地教育支援センター(IASU) 協力: 京都大学 アフリカ地域研究資料センター http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■