「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー
メールマガジンバックナンバー■■■ January 2016 第151号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1178 】■■■
____________今月号の目次______________
□「マダガスカルに息づく『異界の住人たち』」.......フィールド便り
□「遊び場になるトゲだらけの柵」.................メルマガ写真館II
□お知らせ ..............................科目等履修生関連情報など
□講演会・セミナー情報.....................アフリカ地域研究会など
□編集子より
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■フィールド便り
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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「マダガスカルに息づく『異界の住人たち』」
.......江端希之(アフリカ地域研究専攻)
マダガスカル中央高原地帯に暮らしていると、ラジオから不意に
「ザザバビンジャヌ(zazavavindrano)」や「ヴァジンバ(vazimba)」
という言葉が聞こえてくることがあります。あるいは、ゴシップ系
新聞の一面に「パムサビ mpamosavy」や「カラヌル kalanoro」と
いう単語が躍っていたり、人々が交わす噂話の中に「マトゥトゥ
matoatoa」や「アンガチャ angatra」という囁きが聞こえること
もあるでしょう。そう、これらは全て、「異界の住人たち」の名
称なのです。ザザバビンジャヌは人魚、ヴァジンバは神話的な先
住民(荒ぶる精霊)、パムサビは魔女、カラヌルは座敷童的な存
在の小人、マトゥトゥやアンガチャは幽霊やお化けのことです。
大学院を出てコンサル会社で働くマダガスカル人の友人から、こ
んな話を聞きました。「東海岸の村に住んでいる親戚の女の子が、
あるとき行方不明になった。あきらめて葬式を出したが、数年後
ひょっこり帰ってきた。彼女は海の中の人魚の村に行っていたん
だ!人魚と契約して、託された呪物を持ち帰った。それ以降、彼
女はすごい占い師になったんだ。」
村に住みこんで調査をしていたときに村人からこんな体験談を聞
きました。「ある夜、道の向こうに、裸で全身に油を塗って髪を
振り乱した知人の女性がいた。彼女は実は魔女(パムサビ)だっ
たんだ!彼女は昼間は普通で、教会の礼拝にも参加しているけど、
夜になると魔女になってしまう。悪い魔女が作った惚れ薬を盛ら
れた女性は、自分でも気づかないうちに悪い魔女になってしまう
んだ。」人々の語りによれば、魔女には良い魔女もいるといいま
す。良い魔女は、いわば民間治療師です。
マダガスカル人の友人と街を歩いていると、不意にこのように言
われることがあります。「あそこに金持ちの家が見えるだろう。
あの家の2階のあそこの部屋には、カラヌルが住んでいる。だか
らあの家は金持ちでいられるんだ。」このような語りも、人々か
らよく聞かれるものです。
霊的な存在だけでなく、霊的な場所というのもあります。一番有
名なのが、霊山・アンブンジュンベ Ambondrombe でしょう。ここ
は、人によって評価が正反対に分かれる場所で、クリスチャンに
とっては悪鬼や悪霊が徘徊する恐ろしい山ですが、伝統宗教を信
仰する人にとっては祖先が集う「マダガスカル人にとって最も神
聖な山」なのです。アンジュバベ Andrebabe という村も有名です。
そこには色々な噂話があるものの、「水の中にあって外からは見
えないし中にも入れない」という点はおおよそ共通しています。
この村の住人は人魚(ザザバビンジャヌ)の一族だという説や、
魔女(パムサビ)とはまた異なった魔法使いの特殊な一族だとい
う説など、諸説があります。
このように、マダガスカルには異界の住人たちが溢れていて、彼ら
は人々の生活世界の中に息づいているのです。
このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから
ご覧いただけます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/
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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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「遊び場になるトゲだらけの柵」
.........田 暁潔(アフリカ地域研究専攻)
ケニアに暮らす牧畜民マサイのホームステッドは、トゲのある木
の枝を高く厚く積み上げた柵で囲まれています....
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2016_01.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)
↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/phots_list.html
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■お知らせ
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□京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)情報
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
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◆学位論文公聴会を実施します
詳細は以下のURLよりご覧ください
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/news/announcements/3939
◆平成28年度 科目等履修生および研究生の出願受付がはじまります
出願期間:平成28年2月15日(月)~2月19日(金)
出願要項など詳細は以下のURLをご確認ください
科目等履修生 >>
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/non-degree
研究生 >>
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/research-student
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□臨地教育支援センター プログラム情報&フィールド・ワーク報告
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/shien/
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フィールド・ワークの報告書が続々とアップされています。
とてもホットな調査報告をぜひご一読ください。
新着学生レポートは以下のサイトへ >>
http://www.iasu.kyoto-u.ac.jp/
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□京都大学「アフリカ研究基金」の創設と寄付のおねがい
http://www.kikin.kyoto-u.ac.jp/contribution/africa/index.html
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京都大学アフリカ地域研究資料センターは、アフリカ研究のハブ拠点
として、
(1)アフリカにおける民族や言語、文化、生業、経済、生態の研究
(2)紛争やテロ、貧困の削減や経済開発、食料の安全保障といった
現代的な課題の解決
(3)熱帯雨林の保全や砂漠化の環境修復、野生動物の保護など環境
問題の解決に資する研究を推進しています。
今後、世界におけるアフリカの人口比率が高まり、その存在感はたか
まっていきます。アフリカ地域研究資料センターの研究活動を強力に
推進し、わが国とアフリカ諸国との学術パートナーシップの構築を進
めていくためにも、京都大学基金として「アフリカ研究基金」を創設
しました。皆さまには、京都大学のアフリカ研究の伝統と理念をご理
解いただき、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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■講演会・セミナー情報
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◆第217回 アフリカ地域研究会のお知らせ
日時:2016年2月18日(木) 15:00~17:00
会場:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
演者:岩田拓夫(立命館大学・准教授)
演題:アジアにおけるアフリカ研究の国際ネットワーク形成プロセス
─ヨーロッパとの比較を通して─
研究会詳細フライヤー >>
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/as/as213217.pdf
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□Twitter 情報
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京都大学アフリカ地域研究資料センター
・・・京都発のアフリカ研究関連情報を発信していきます。
http://twitter.com/Africa_Kyoto_U
http://twilog.org/Africa_Kyoto_U(ツイートをブログ形式で表示)
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□メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。
http://form.mag2.com/gianoubima
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◆編集子より◆
記録的な寒波が到来していますが、みなさまお変わりございませんか?
大学院はいま学位論文の公聴会シーズンです。連日、寒さを吹き飛ばす
ような熱い研究成果が発表されています。(FK)
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◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント
室、ASAFAS臨地教育支援センターより発行しています。
◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。
掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。
宛先:http://form.mag2.com/gianoubima
◆バックナンバーは、こちらのページから読むことができます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/
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◆このメールは「まぐまぐ」と「melma!」システムを利用して配信して
います。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/index.html#form
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
京都大学学際融合教育研究推進センター・総合地域研究ユニット
臨地教育支援センター(IASU)
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/
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