「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー
メールマガジンバックナンバー■■■ September 2013 第123号 ■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1164】■■■■■
__________今月号の目次_______________
□「TEACAの植林20年に思う」 .................フィールド便り
□「闇医者」..................................メルマガ写真館II
□お知らせ ..................................セミナー情報など
□アフリカ地域研究資料センター情報 ..........セミナー情報など
□編集子より
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■フィールド便り
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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「TEACAの植林20年に思う」
..................福島直樹 (グローバル地域研究専攻)
2013年8月、ASAFASフィールド・スクールでタンザニア北部のキリ
マンジャロ山麓にあるテマ村に滞在した。ラオス山岳部で焼き畑農村を
研究している私にとって、非常に刺激的な体験となった。
地元の住民組織TEACAが植林を始めたのは約20年前のことである。
彼らは環境問題という知識をどこかで学んできて、それで植林している
のだろうか。主要メンバーの一人であるムチャロさんに尋ねると、特別
な生育歴は特にないようで、学校は中学校しか出ていない。「神様が力
をくれている」と笑って応えたあと言い直して、「心の問題だ」と答えた。
テマ村の小学校の近くにカトリック系の教会がある。神父のモシさん
はテマ村生まれで、キリマンジャロ州の神学校に学んだ。説教の数回に
一度、自然環境の大切さや植林の意義について話すという。近隣のルワ
村の神父は、TEACAが植林を始めるずっと以前から裸地に植林する活動
をしていたそうで、数名の村人が手伝っていた。現在、ルワ村では苗畑
の土地を教会が提供しTEACAの植林を支援している。
「家畜飼料の牧草を得るために森に火入れをして裸地を作ることは悪い
ことだと思うか」と問うと、ムチャロさんは「悪い」と即答。「人が森
から恩みを得た後には、また恵みを受けられるように元の森に戻すこと
が大切だ」と答えた。別のメンバーのジャウさんは家畜飼料に使える樹
種を教えてくれた。彼はこれら飼料用の樹木を家の近くに植えれば、森
に行かなくても済むようにできるはずだという。「家畜のエサは、開け
た草地からだけではなく木からも得られる。これまでも森から十分なエ
サを得てきたのだから、これからも大丈夫。信じてください」とムチャ
ロさんも同意する。
TEACAの植林は、水不足や不作への危機意識から始まったという。しか
し世界遺産登録や国立公園化を契機に、「森林の荒廃がどれだけ進んだか」
が新たな尺度として立ち現れた。「国立公園化したために住民のモラルが
崩壊し森林荒廃が進む」とTEACAは主張する。
森林の管理と利用権を中央政府から村人の手に取り戻すという大義が
いまのところうまく機能しているように思う。TEACAや村長、村人、校長、
神父、外国の支援団体の思惑が交錯しつつも、植林が続けられている。
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ご覧いただけます。
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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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「闇医者」.........阿部麻美(グローバル地域研究専攻)
村で高熱を出してしまった深夜、お世話になっていたお父さんが
バイクで搬送してくれたのは腕のいい闇医者さんの・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2013_09.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)
↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/phots_list.html
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■お知らせ
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□セミナー情報
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◆CSEAS Tonan Talk, a Brown Bag Lecture Series
“Urban Vs Rural: The 13th Malaysian General Elections”
日時:2013年9月9日 8:00~17:00
場所:Tonan-tei (Room No. 201), CSEAS, Inamori Foundation
MemorialBuilding, Kyoto University
◆CSEAS Tonan Talk, a Brown Bag Lecture Series
“The East-West Cultural Corridor Project: Living Buddhist
Heritage in Myanmar”
日時:2013年9月17日 12:00~14:00
場所:Tonan-tei (Room No. 201), CSEAS, Inamori Foundation
Memorial Building, Kyoto University
◆アジア経済発展研究セミナー(東南アジア研究所、経済学研究科、
アジア研究教育ユニット共催) 9月定例研究会
報告者:矢野 剛 氏(京都大学 経済学研究科)
“Factors in the Development of Trade Credit: Case Study of
Provinces in China”
日時:2013年9月17日 17:00-18:30
場所:吉田中央構内 法経東館1F 106演習室
◆ASAFAS附属現代インド研究センター
2013年度 現代インド・南アジアセミナー
日時:2013年9月21日(土)~23日(月・祝)15:00-18:00
場所:東京外国語大学府中キャンパス
アジア・アフリカ言語文化研究所3F大会議室
(〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1)
URL:http://www.tufs.ac.jp/
*参加応募は締め切らせていただきました。
プログラム:
http://www.indas.asafas.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/
pdfs/20130921_program.pdf
◆“Catching up Southeast Asian New body: States, Markets and
Public Spheres”
日時:2013年9月25日 8:00~17:00
場所:Cape Panwa Hotel, Mueang Phuket District, Phuket,
Thailand
◆CSEAS Colloquium for September
“Importance of biodiversity for rural livelihoods in Lao PDR:
A case study of multi village Mak Jong management group in
Pathoumphone district, Lao PDR ”
Speaker: Ms. Latsamay Sylavong, Visiting Research Fellow of CSEAS.
日時:2013年9月30日 16:00~
場所:Middle-sized Meeting Room (No.332), 3rd Floor, Inamori
Foundation Building, Kyoto University
◆第7回イスラーム経済国際ワークショップ
主催:京都大学イスラーム地域研究センター(KIAS)、京都大学科学研究
費基盤研究(A)「グローバル化時代に対応する21世紀型イスラーム学の
構築」、英国ダラム大学イスラーム金融教育センター
日時:2013年10月1日(火)13:00-18:15、2日(水)9:00-10:45
場所:京都大学本部構内総合研究2号館(旧工学部4号館)4階会議室
(AA447号室)
◆臨地教育支援センター主催 国際ワークショップ
International Workshop on Civil Society Organizations in the
Middle East and Asia
共催:
英国ダラム大学イスラーム金融教育センター、京都大学イスラーム地域
研究センター(KIAS)、京都大学科学研究費基盤研究(A)「グローバ
ル化時代に対応する21世紀型イスラーム学の構築」、英国ダラム大学
イスラーム金融教育センター
*本ワークショップは、COSERが実施する院生主体の国際研究集会助成
プログラム(国際研究発信力強化プログラム・リサーチ C&Mコース)の
一環として開催されます。
日時:2013年10月2日(水)11:00-18:15
場所:京都大学本部構内総合研究2号館(旧工学部4号館)4階会議室
(AA447号室)
◆第2回 京大アジア・アフリカセミナー「アフリカの現在(いま)」
日時:2013年11月1・8・15・22日(全4回)19:00~20:30
場所:キャンパスポート大阪
*参加にはWeb予約が必要です。
URL: http://kansai-seminar.com/courses/view/177
演題と講師
第1回 ケニアの観光と民族文化
中村香子(京都大学総合地域研究ユニット研究員)
第2回 タンザニア農民の暮らしと森と都市の新たな関係
近藤史 (ASAFAS助教)
第3回 エチオピアの在来資源を生かした開発の試み
重田眞義(ASAFAS教授)
第4回 カメルーンのキャッサバ栽培とビジネスチャンス
荒木茂 (ASAFAS教授)
受講料:1回2,500円、4回10,000円
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□頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム
アジア・アフリカの持続型生存基盤研究のためのグローバル研究
プラットフォーム構築 情報
http://brain.cseas.kyoto-u.ac.jp/
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派遣者の報告書をウェブサイトに掲載しました。下記URLからご覧い
ただけます。
◆2013年度派遣 若手研究者報告
大石 高典 「中部アフリカ熱帯林住民の生活史に関する比較研究:
貨幣経済の浸透と生業戦略の多様化」
報告1 >>
http://brain.cseas.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2012/
12/ooishi2012_1.pdf
報告2 >>
http://brain.cseas.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2012/
12/ooishi2012_2.pdf
甲山 治 「バイオマス利用と水循環の改変に伴う環境破壊を未然に
防ぐための国際的な制度設計」
報告1 >>
http://brain.cseas.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2012/
12/kozan2012_1.pdf
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□Kyoto Review of Southeastホームページ リニューアル
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“Kyoto Review of Southeast”ホームページが新しくなりました。
URL: http://kyotoreview.org/
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□新刊情報
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学術誌「Southeast Asian Studies」の Vol.2, No. 2 が刊行されまし
た。目次・本文PDFは以下URLからご覧いただけます。
URL: http://englishkyoto-seas.org/
新刊: “Preah Vihear : A Guide to Thai-Cambodian Conflict
and Its Solutions” by Charnvit Kasetsiri, Pou Sothirak,
Pavin Chachavalpongpun”
より詳細な新刊情報は以下URLからご覧いただけます。
http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/2013/08/new_book_by_pavin20130829/
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□ドキュメンタリーフィルムの募集
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“CSEAS Sustainable Humanosphere Visual Documentary Project”
では、東南アジアの多元共生社会に関するドキュメンタリーフィルム
を募集しています。詳細情報は以下URLからご覧いただけます。
http://sea-sh.cseas.kyoto-u.ac.jp/visual-documentary-project-2013/
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■京都大学 アフリカ地域研究資料センター HP掲載情報
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□日本アフリカ学会創立50周年記念 市民公開講座のご案内
(日本アフリカ学会・アフリカ地域研究資料センター共催)
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この講座では、日本アフリカ学会の創立50周年を記念して、長年にわ
たってアフリカを研究してきた学会員が最新の研究成果をわかりやす
くお話しします。全8回シリーズ。(申込不要・入場無料)
◆今後の予定
第4回 2013年10月19日(土):宗教 「呪術―現代アフリカの見えない力」
第5回 2013年12月14日(土):経済 「急成長で岐路に立つアフリカ」
第6回 2014年 2月15日(土):芸術・音楽 「アフリカ音楽の魅力:無文字社会との関連から」
第7回 2014年 3月15日(土):政治 「民主化の20年を考える」
第8回 2014年 4月12日(土):映像・メディア 「お好みどおりのアフリカをつくる」
会場:京都大学稲盛財団記念館3階 大会議室
※ 駐車場はご利用いただけません。
◆問合せ先・詳細情報はポスター・チラシ(PDF)をご覧ください。
ポスター>> http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/jaasposter.pdf
チラシ >> http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/jaas50thFlyernaka.pdf
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□セミナー情報
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◆第17回 KUASS(Kyoto University African Studies Seminar)
日時:2013年9月26日(木) 15:00~17:00
演題:Enhancing livelihoods in Ghana through improvement in
native livestock production
演者:Dr. Boniface B. Kayang (Department of Animal Science,
University of Ghana)
場所:京都大学稲盛財団記念館3階セミナー室(318号室)
※講演は英語で行われます。日本語通訳はございません。
発表要旨は以下URLからご覧いただけます。
http://www.africa.kyoto-u.ac.jp/kuass/KUASS(17th).pdf
◆国際シンポジウム
“African Potentials 2013: International Symposium on Conflict
Resolution and Coexistence”
日時:2013年10月5日 9:20~18:50
2013年10月6日 9:30~16:30
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
受講料:無料/申し込み:不要
対象:どなたでも参加いただけます。
使用言語:発表はすべて英語で行われます。通訳はありません。
プログラムの詳細は以下URLからご覧いただけます。
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/20131005flyer.pdf
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□メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。
http://form.mag2.com/gianoubima
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◆編集子より◆
9月16日に台風18号によって、京都や関西では大きな被害が出ました。
特に、桂川などがあふれて広域に浸水し、5万軒以上が被災しました。
中東諸国は自然環境が厳しいと思われていますが、日本のように定期的
に災害が起きることは少なく、フィールドから帰ってくると、先進国の
日本で自然災害が多いことをあらためて痛感します。被災した皆さまの
1日も早い復旧を願っております。(YK)
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◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント
室、学際融合教育研究推進センター・総合地域研究ユニット臨地教育
支援センターより発行しています。
◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
京都大学学際融合教育研究推進センター・総合地域研究ユニット
臨地教育支援センター(IASU-KU)
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/
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