「アジア・アフリカ地域研究情報マガジン」バックナンバー

メールマガジンバックナンバー 
  ■■■ April 2012 第106号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数 1112】■■■■■

___________今月号の目次_________________

□「友人になるのは、似たものどうし(?)」........フィールド便り
□「崖の上でサッカー」..........................メルマガ写真館II
□お知らせ.......大学院入試情報、大学院東京説明会、各賞の受賞など
□アフリカ地域研究資料センター情報.........公開講座、新刊情報など
□編集子より
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新年度になり、編集体制にいくつか変化がありました。ASAFASの広報
委員会が編集をすることは変わりませんが、作業面ではキャリア・
ディベロップメント室がサポートしてくれることになりました。これ
まで通り、フィールドワーク・インターンシップ支援室も参画してい
ます。

この頃は、日本の研究環境も、調査地である海外の状況も、非常に変
化が速いように感じています。そこで、これからの地域研究において、
情報の交換は、ますます重要になっていくでしょう。同じ地域で行わ
れている異分野の研究、同じ分野の研究者が他地域で行っている活動
について理解を深め、変わりゆく状況に柔軟に対応することが必要だ
と思います。これは、研究者だけでなく、現場で実務を担う人にとっ
ても、同じでしょう。

分野横断の地域研究をリードする研究教育機関として、ASAFASの役割
は大きく、関連情報を広く皆様と共有するための、本メールマガジン
をますます活性化していきたいと思います。(TF)

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■フィールド便り
~みる・きく・ふれる:アジアとアフリカのフィールドから~
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「友人になるのは、似たものどうし(?)」
            ................菅野直美(アフリカ地域研究専攻)

先日、頭が熱いにもかかわらず、身体がぞくぞくし寒気を感じました。
日本で一人暮らしをしていると、病気のときに困るなぁ、と身にしみ
ました。同時に、アフリカでこの症状を話したら、「それはマラリア
よ!病院にいきなさい」といわれるに違いない、とぼんやりとした頭
で思い返しました。

私は、2009年から2010年までの2年間、ASAFASを休学し、
青年海外協力隊員として東アフリカのケニア共和国に滞在しました。
私の活動地域では、数年前までヨーロッパ系NGOが農村開発プロジェ
クトを展開していましたが、NGO関係者と現地にくらすカンバの人た
ちが個人的に付き合うことはなかったようです。現地の人が生活す
る長屋の一室に居を構えた私を、最初は遠巻きにみていることが多かっ
たのですが、徐々に慣れていったのでしょう、カンバ人は普通に接し
てくれるようになりました。

私が接したカンバ人はみんな私に似ていた、と思います。初対面が
得意ではないところや、冒険的なこころみに二の足を踏むところなど。
でも、一番似ていたのは、頑固なところだったかもしれません。私は、
幸いマラリアにかかったことがありませんが、ケニアでは私は幾度も
マラリアにかかったものとされているのです。数か月に一度の頻度で、
高熱とはならないものの微熱がつづき体調を崩して寝込む私にむかっ
て、かれらが口にしたのは、「ナオミ、それはマラリアよ!病院にい
きなさい。薬をのみなさい」。

定職についているかれらは、少しでも体調が悪いと感じると、町の開
業医を訪れます。日本でもほとんど病院にもいかず、薬も飲まない私
は、「寝ていれば治る」とゆずりません。かれらは戸惑った顔をしま
したが、仕方ないと思ったのでしょう、「困った時はよぶのよ。扉の
鍵をしめないように」といって、自宅に戻っていきます。身体のだる
さとは対照的に、長屋の中庭から聞こえるこどもの声を耳にしながら、
幸せな気持ちでまどろんでいたのを覚えています。

ようやく体調が回復したと思ったら、また同じ症状を呈する私を人び
とは訪ねてきました。そして繰り返される「病院へいくように」、
「寝ていれば治る」の応酬。こりないというのでしょうか、めげない
というのでしょうか、お互いに。フィールドワーカーと協力隊員、立
場は違いますが、どこへいこうとも友人となるのは自分と似ている相
手なのかもしれません。

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このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから
ご覧いただけます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/

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■メルマガ写真館II ~フィールドで出会う~
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「崖の上でサッカー」
 ..........................前川護之(アフリカ地域研究専攻)

スポーツ広場は世界のどこの村にもあるようです。この写真
は南アフリカの小さな村のもの。村自体が海沿いの崖の上に
あって・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/2012_04.html

(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/phots_list.html

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■お知らせ
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□京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試情報
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京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)は、
アジア・アフリカ地域に関する深い理解と国際的・総合的視野
をもつ先導的な地域研究者および地域実務者の養成を目指して
います。

◆平成25年度 学生募集要項の配布開始
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/exam/guidelines.html

◆大学院東京説明会
平成25年度入試に向けて下記の日程で東京説明会を行います
ので、ふるってご参加ください。申込は参加申込フォームから。

日 時:2012年5月12日(土) 16:00~18:00
場 所:品川インターシティA棟27階 京都大学 東京オフィス
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/OC/tokyo2012.html

参加申し込みフォーム
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/OC/applicationT.html

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□各賞の受賞
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◆大山修一准教授が日本地理学会賞(論文発信部門)を受賞
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/news/news.html#oyama

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□新刊情報
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◆学術誌『アジア・アフリカ地域研究』第11-2号
(2012年3月)が発行されました。
目次・本文PDF>>
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/publication/2011_2.html

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■京都大学 アフリカ地域研究資料センター HP掲載情報
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□アフリカ研究最前線
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【アフリカ地域研究資料センター8回連続公開講座】
 「アフリカ研究最前線:出会う」
 http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/index.html
――――――――――――――――――――――――――――
今回のシリーズでは、アフリカ研究をする私たちが、いつ
どのようにして、その研究テーマに出会い、なぜそのよう
な研究をするようになったのか、その糸口となったフィー
ルドでのさまざまな出会いから、現在の研究に至るまでの
過程とその成果をお話します。

◆第5回「手仕事の世界に出会う」

アフリカに暮らすうえでかかすことのできない日用品をつくる
人々の生活世界と彼らが創造しつづける技法との出会いを語り
ます。
詳細>>
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/20120519.html

日 時:2012年5月19日(土) 15:00~17:00
会 場:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/access.html

講 師:金子 守恵 (京都大学大学院 人間・環境学研究科 助教)

受講料: 1講座 ¥1,000
※全8講座中、4講座以上お申し込みいただく場合は
1講座あたり¥800 になります。

※定員50名、先着順

登録フォーム
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/form.html

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【東京公開講座】
「アフリカにおける地球環境問題と地域住民」
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日 時:2012年6月2日(土) 15:00~17:00
会 場:品川インターシティA棟27階 京都大学東京オフィス
    会議室2・3
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/tokyo-office/about/access.htm

◆講座1「類人猿ボノボ保護をめぐるアクターたち:
              コンゴ民主共和国ワンバの事例」
講師:木村大治(京都大学アフリカ地域研究資料センター 教授・
                         センター長)

◆講座2「西アフリカ・サヘルの砂漠化に挑む:
          在来知識にもとづいた荒廃地の修復活動」
講師:大山修一(京都大学アフリカ地域研究資料センター 准教授)

※受講料:無料、事前申し込み不要
※定員50名、先着順

詳細・問い合せ先>>
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/20120602TOKYO.html

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□新刊情報
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【京都大学アフリカ研究シリーズ 006~011】が出版されました。
(発行者:松香堂書店、発行所:京都大学アフリカ地域研究資料
センター)

006『サヘルにおける食料確保-旱魃や虫害への適応および対処
行動-』石本雄大(著)

007『コーヒーの森の民族生態誌 -エチオピア南西部高地森林域に
おける人と自然の関係-』伊藤義将(著)

008『森と人の共存への挑戦 ―カメルーンの熱帯雨林保護と狩猟採
集民の生活・文化の両立に関する研究―』服部志帆(著)

009『マーケットに生きる女性たち― ケニアのマチャコス市における
都市化と野菜商人の営業実践に関する研究 ―』坂井紀久子(著)

010『Chimpanzee Sanctuaries: Changes in human-chimpanzee
relationships』樺沢麻美(著)

011『タンザニアのサンダウェ社会における環境利用と社会関係の変化
-狩猟採集民社会の変容に関する考察-』八塚春名(著)


◆京都大学で育った若きアフリカ研究者の本が出版されました。

『現代の<森の民>:中部アフリカ、バボンゴ・ピグミーの民族誌』
松浦 直樹(著)、昭和堂

『遊牧と定住の人類学:ケニア・レンディーレ社会の持続と変容』
孫 暁剛(著)、昭和堂

『創造するアフリカ農民:紛争国周辺農村を生きる生計戦略』
村尾 るみこ(著)、昭和堂

◆大山修一准教授の監修による、『地理シリーズ 世界の国々
アフリカ州』(帝国書院)が出版されました。

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□Twitter 情報
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京都大学アフリカ地域研究資料センター
・・・京都発のアフリカ研究関連情報を発信していきます。
http://twitter.com/Africa_Kyoto_U

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□メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。
http://form.mag2.com/gianoubima
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◆編集子より◆

新年度を迎え、ASAFASにも多くの新入生が入学してきました。
初々しい表情や生き生きとした会話が、大学院構内の雰囲気
を明るくにぎやかなものにしています。その新入生たちも早
い人では3か月後、夏休みに入ると最初のフィールドワーク
に出かけていきます。本メルマガにも、彼ら/彼女らの一回
目の新鮮な調査体験をつづったエッセーを掲載していく予定
です。今年度もASAFASメールマガジンをよろしくおねがいい
たします。(TS)
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◆このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント
室、ASAFASフィールドワーク・インターンシップ支援室より発行して
います。

◆ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。
掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。
宛先:http://form.mag2.com/gianoubima

◆バックナンバーは、こちらのページから読むことができます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/mm/
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います。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)
広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
ASAFASフィールドワーク・インターンシップ支援室
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/

協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/
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