アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館
第109回 「メルマガ写真館」
「インドネシア・ムスリマ(女性イスラーム教徒)の朝」
...足立真理(グローバル地域研究専攻)
ムスリムの朝は早いです。日も昇る前、午前3時の礼拝のアザーンが聞こえる前に、マンディ(水浴び)の音が四方から聞こえてきます。きっと礼拝前のウドゥー(清め)でしょう。壁が薄く、ドアも隙間がある開放的な南国造りの女子寮(コス)では、人々の生活音が時にうるさく、時に心地よく流れます。
同じ寮に住む女の子たちと早朝、散歩に出ると、いつも車やバイクと排気ガスで騒がしい通りは驚くほど静かで、通りを歩く隣家の女性たちがみえます。ある人はただジャラン・ジャラン(ぶらぶら)しに。またある人は、写真の移動式野菜屋さんへ、朝食のための新鮮な野菜やテンペ(大豆の発酵食品)なんかを買い出しに。
道路の側溝側はでこぼこでゴミも溜まり歩きにくいのですが、早朝の時間帯は、車道の真ん中を堂々と闊歩できます。朝日もさしてきて、気分は晴れやかでした。たった数百メートルの逍遥ではありますが、開放的でちょっと健康的な気分になれる朝を、私は彼女たちとともに大いに楽しみました。