アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

第91回 「メルマガ写真館」

「ガネーシャ神、祭りに向けて身支度」
...松下綾日(グローバル地域研究専攻)

 

インド西部のマハーラーシュートラ州で大きな祭典の一つとなっているのが、9月初旬に行われるガネーシャ祭りです。ガネーシャ祭りは、人間の体に象の頭をしたヒンドゥー教の神様ガネーシャの祭典で、インド各地で行われます。祭典の10日間、各寺院、各地区、各家庭では煌びやかな装飾を施したガネーシャ像が祀られ、大通りでは音楽隊のパレードで賑わいます。

 

この写真は、盛大なガネーシャ祭りの1ヵ月前の様子。この時期、ガネーシャ像の制作は最盛期を迎えます。私がホームステイをした一家の奥さんは、ペインターとしてガネーシャ像制作に携わっています。彼女の仕事は、素焼きされたガネーシャ像の色付けと表情付けの作業です。部屋にあるガネーシャ像は持ち物、仕草、表情、配色がすべて異なるためどれひとつとして同じガネーシャ像はありません。彼女によると、一番難しいのはやはり目。一つ一つ丁寧に、しかし筆を止めることなく、ガネーシャ像に表情を与え身支度を整えていきます。部屋の両側の棚には、今か今かと祭りの身支度を整えてもらうのを待ち侘びているガネーシャ像が所狭しに並んでいます。彼女は、この時期、ガネーシャ像制作に大忙しです。

 

日本も年末年始という大行事が間近に迫ったこの時期、インドでお世話になった一家とガネーシャ像のことを思い出しました。