アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館

第89回 「メルマガ写真館」

「村のフランスパン」
...今中亮介(アフリカ地域研究専攻)

 

写真は、パン屋の主人が出荷用のフランスパンを確認しているところです。このあと横にいる少年がダンボールを担いで村内の商店に届けます。

 

旧仏領であるマリの農村を歩くと、フランスパンを焼く土窯を見かけます。朝夕の焼成時にそこを通りがかると、こんがりとした香ばしい匂いが漂ってきます。

 

パンは朝食時に紅茶とともに食べられます。熱々の焼き立てパンは、表面はまだそれほど硬くなく中はモチっとしっとりしており、それだけで食べても大変おいしいです。

 

パンは夕食後の「おやつ」としても食べられます。トマトやキュウリなどの野菜のスライスに、ピーナッツオイルとビネガー、塩を少々入れたソースを絡めて具を作ります。それを縦に割ったフランスパンの間に挟んでサンドイッチにするのです。サンドイッチの屋台を切り盛りするお姉さんの前には、毎夜夕食を軽めに済ませた男たちで静かな人だかりができています。