第80回 「メルマガ写真館」

「クラスでいちばん！」
...有井晴香（アフリカ地域研究専攻）

エチオピア南西部に位置するわたしの調査村に小学校ができたのは今から約40年前のことでした。当時学校に通う女の子は非常に少なかったそうですが、今では男女問わず子どもを小学校に通わせることが当たり前になりつつあります。

年度の終わりに当たる7月には学校でお祭りが開かれます。女性の教師と生徒が協力して作った牛肉とタマネギを煮込んだシチューや蜂蜜のジュースなどが売られ、父兄や村役場の人たちなど大勢が集まります。この日のメインイベントのひとつが、成績優秀者の発表です。1年生から8年生までの各クラスの上位3名が表彰されます。教師から生徒の名前が呼ばれ記念品が渡されると、その両親や兄姉たちは一目散に生徒のもとに駆け寄ってきます。表彰された子どもを担ぎあげ、その額や頬に家族はつぎつぎに10ブル札やときには100ブル札を貼り付け称えます。3年生の少女はクラスで１番をとりました。満面の笑みで彼女を抱き上げた父親たちは本人以上に嬉しそうにみえました。

かつては積極的に娘を学校に行かせようとする人がほとんどいなかったそうですが、こういったイベントに参加し本人以上に喜んでいる父兄の姿から、地域住民の学校に対する考え方の変化の一端がみえるような気がしました。