アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館
第73回 「メルマガ写真館」
「水に浮かべる花への愛―トルコのマーブリング―」
...園中曜子(東南アジア地域研究専攻)
トルコの人々は古来より花を愛してきました。それは、かつてチューリップ時代と名付けられた時代があったことからも分かりますが、トルコに滞在していると、人々の花への愛は現代も変わることがないことを実感することができます。
街を歩いていると、家族や恋人に花束をプレゼントする人々の姿をしばしば見かけるほか、建物の壁面や食器類の装飾にも、花のモチーフを数多く見出すことができます。
また、トルコの伝統芸術であるマーブリングは、バラの枝で作った筆を使い、水面にチューリップやバラなどのモチーフを描いていくものです(右下写真)。かつては神秘主義教団の修行法としても行われていたこの芸術は、現在は大学の授業などにもとりいれられ、若者の間でも多くの愛好者を生み出し続けています。