アジア・アフリカ地域研究情報マガジン:メルマガ写真館
第61回 「メルマガ写真館」
「ヒンドゥー寺院での休息」...高田洋平(東南アジア地域研究専攻)
これは、ネパールの首都、カトマンズのヒンドゥー寺院で、夕方、ストリートで生活する子どもたちが昼寝をする様子です。
カトマンズには、ヒンドゥー教の神々を祀ったたくさんの寺院があります。ストリートに隣接した小さな寺院や祠もたくさんあって、人びとの日々の祈りの場となっています。そのヒンドゥー寺院の1つが、私が調査しているストリートの子どもたちの寝床になっているのです。
昼間、ストリートを走り回って遊び、仕事をし、物を取り合ってけんかするなど、とにかく元気な子どもたちも、夕方になると疲れて、この寺院で1人、また1人と眠りに入っていきます。子どもたちを追いまわす警察や警備員は、商業施設の密集する地区にいることが多く、警察や警備員のいないヒンドゥー寺院は、子どもたちにとっての安息の場になっているようです。少し眠りをとった後、彼らは夜の街へと繰り出していくのですが、ヒンドゥー寺院での昼寝の時間は、とても静かで穏やかです。
子どもたちの溢れんばかりのエネルギーについていくことで必死な私も、この時ばかりは傍らに座りながら、ゆるりと心を休めるのでした。