「魅力ある大学院教育イニシアティブ」公開シンポジウム
『研究と実践を架橋する地域研究の未来―国際社会の現場からの提言―』
日 時: 2008年2月8日(金) 10:00〜17:30
場 所: 時計台記念館 国際交流ホール(I〜III)
趣 旨:今回のシンポジウムは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)が、 平成18年度−19年度の2カ年にわたって実施した「魅力ある大学院教育イニシアティブ」(文部科学省/日本学術振興会)による教育プログラム「臨地教育による実践的研究者の養成−アジア/アフリカ地域研究教育におけるフィールドワークとインターンシップを活用した研究者養成コースの導入」の最終成果発表の機会として企画されました。
本研究科は、このプログラムを通じて、のべ100人以上の学生と教員をアジア・アフリカの現場に派遣し、臨地教育(オンサイトエデュケーション)と臨地研究(フィールドワーク)をおこないました。本プログラムの特色のひとつである、現代的諸問題を研究課題とする「問題発見型フィールドワーク」では、地域に密着した長期のフィールドワークのなかから、アジア・アフリカの諸地域が直面する多様な問題への関心と、地域研究手法によるアプローチがこれまで以上に培われたと考えます。また、このプログラムではインターンシップを導入しましたが、これによって国際機関やNGO、研究機関などに派遣された学生がフィールドでの経験と研究蓄積を、いかに実践的場面で生かすことができるのかを実感するよい機会を提供しました。「実践的地域研究者」を国際社会に送り出す準備はこのプログラムで十分に整えられたのではないかと自負しています。
本シンポジウムは、このような成果をふまえたうえで、本研究科の現役大学院生だけでなく、広くアジア・アフリカをフィールドに研究と実践を志そうとする人々とともに、研究と実践の現在と未来について議論し、実践的地域研究のより具体的な可能性を提言しようとするものです。
シンポジウムでは、アジア・アフリカの現場において様々な問題に直面しながら、国際社会の舞台で実践的な仕事に従事されてきた方々の提言をもとにして、研究と実践はどのような関係にあるのか、また、国際社会において貢献する研究者の望ましい姿とはどのようなものなのかについて語っていただきます。報告者として本研究科で学位を取得した後、国際機関での勤務を経験した方々にも来ていただきます。昨年のシンポジウムに続いて、本研究科のめざす実践的地域研究の進め方や、実践の場で活躍することのできる研究者のそなえるべき資質などについて、活発な意見交換がおこなわれることを期待します。
プログラム:
■午前の部 | |
10:00 | 研究科長挨拶 シンポジウム基調 |
10:15 | 「Promoting Decent Work in Asia: 国際労働機関(ILO)での経験」 後藤健太(立命館アジア・太平洋大学アジア・太平洋マネジメント学部) |
11:00 | “The Road from ASAFAS to Afghanistan: How Do Life Experience, Education and Personal Effort Influence Your Career?” Daniel Baheta(Canadian International Development Agency) |
11:45 | 「ODAの現場から−シェラレオネの事例を中心に−」 長井圭子(株式会社コーエイ総合研究所) |
12:30〜14:00 | 昼食 |
■14:00〜15:00 | ポスター発表 |
■午後の部 | |
15:00 | 「よそ者の役割とは何か−ベトナムの農村を事例に−」 伊能まゆ(Japan International Volunteer Center:ベトナム現地駐在事務所代表) |
15:45 | 「国連リベリアミッションでの環境・天然資源アドヴァイザーとしての経験」 Hiroko Mosko(UNMIL:国連リベリアミッション) |
16:30〜17:30 | パネルディスカッション |
■レセプション | 18:00〜20:00 |