臨地教育研究による実践的地域研究者の養成

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

 ■■■■■■■■■■■■■■■ April 2008 第58号 ■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
Integrated Area Studies INFOrmation Magazine(IAS-INFOM)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/ml.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【発行部数1025】■■

___________今月号の目次_________________

□お知らせ................................ASAFASオープンキャンパス
□「フィールドで学ぶこと」..........................フィールド便り
□「経済危機の中での助け合い」......................メルマガ写真館
□問題発見型フィールドワーク実施報告....インドネシア、インド、中国
    ....カンボジア、ベトナム、タイ、タンザニア、ザンビア、セネガル
□編集子より
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■お知らせ

「京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
オープンキャンパス」
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/for_test-takers/opencampus2008.html

日 時:2008年5月14日(水) 13:00〜18:00頃(受付開始:12:30)
会 場:京都大学本部構内 総合研究2号館(旧・工学部4号館)4階

受験を希望する皆様に当研究科を紹介し、大学院での研究や生活
についての質問にお答えします。またゼミや授業の見学、教員との
個人面談や在学している院生との話し合いなどによって、大学院に
ついて理解を深め、ご自分の研究テーマや将来計画を練る機会とし
ていただきます。

::登録フォーム::
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/for_test-takers/application.html
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■フィールド便り・13便

「フィールドで学ぶこと」
                       ..................加藤眞理子(特任助教)

東北タイの村にいるときは、いつも学ぶ者でした。
「これ何?どうするの?どうして?いつから始めたの?」
調査に来たのだから、知らないこと、理解できないことを口に出して
村人に聞かなければなりません。学生として、当たり前といえば当た
り前のこと。でも時として、質問することが学ぶことに通じるとは限
らないことを思い知らされました。

私がいつも泊まっていた家のお婆さんは、地元では有名な霊媒師。
歌って踊る彼女の治療儀礼には、いつも多くの人々が集まりました。
私にとってそんな儀礼のすべてが珍しく、いつも「これ何?」と聞
き回っていましたが、誰に聞いても答えはあやふや。「うーん、昔
からこうしていたから・・・」それでもしつこく聞く私に、ある日
お婆さんは雷を落としました。

「おまえは、ナック・スクサー(学ぶ者、学生)じゃない!ナック・
ソー(討論する者)だ!」

思えば、彼女の弟子たちのなかに質問する人はいません。精霊が憑
依して勝手に踊り出すのを待つか、師匠であるお婆さんの行動を真
似します。「学ぶ」ことは「まねぶ」こと。つまり真似することで
習得していくのが、彼女たちの学び。それからしばらく大人しく
「まねび」を心がけていた私でしたが、未だ憑依は体得していません。

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このメールマガジンのバックナンバーは、こちらのページから読
むことができます。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/list/bn.html

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■メルマガ写真館......フィールドでの写真からはじまるコラム
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「経済危機の中での助け合い」
...................井戸雄大(アフリカ地域研究専攻)

ジンバブエでは、干ばつによる農業の不振や、欧米諸国からの経済
制裁などにより、近年、経済が極端に悪化しています。インフレ率
は8,000%とも言われており、外貨が不足し、石油など・・・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/phots/2008_4.html
(写真とエッセイの続きは上記HPでご覧いただけます)

↓「メルマガ写真館」バックナンバー
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/mls/phots/bn.html

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■問題発見型フィールドワーク実施報告...PDFファイルで掲載しています
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■問題発見型フィールドワーク実施報告リスト
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/list/list_fw_2006.html

□岩田剛
「インドネシア・南スラウェシにおける「恥」と「名誉」の
概念に関する研究」
【派遣先国】インドネシア

本研究の目的は、南スラウェシにおける「恥」と「名誉」の概念をめぐ
る言説の変化と継続の過程を解明することである。「恥」と「名誉」の
概念に関する問題は、南スラウェシを対・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/iwata_1.pdf

□佐藤慶子
「南インド半乾燥地帯における農村貧困層にとっての貧困削減手段
としてのヤギ飼育の意義の研究」
【派遣先国】インド

ヤギは、牛に比べて手間や飼料の世話があまり要らず、また乾燥気候に
強く繁殖も早くて多産である。また肉や乳だけではなく、皮はテントや
グローブに、毛は絨毯に、・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/sato_k_1.pdf

□竹安裕美
「マカッサル人村落社会における農民の経済的依存先に関する研究」
【派遣先国】インドネシア

インドネシア・南スラウェシ州は東部インドネシアの玄関口といわれ、
古くから交易、商業の中心地として栄えてきた都市がいくつも存在す
る地域である。しかしひとたび地方に目を向ければ・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/takeyasu_1.pdf

□堀江未央
「中国西南部・雲南省における少数民族の生活変化とアイデンティティ
に関する研究」
【派遣先国】中華人民共和国

調査のなかで特に関心を持ったのは、ラフ族とチベット族である。ラフ
族はチベット=ビルマ語系に属し、雲南省から大陸部東南アジア北部に
かけて居住する民族である。彼らは・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/horie_1.pdf

□松本真理子
「カンボジア歴史地域調査参加報告」
【派遣先国】カンボジア王国

調査団の目的の概要は複数の学問領域による共同調査によってカンボジ
ア研究の時空間的枠組を構築することであり、これによってカンボジア
研究を他地域における研究の知見と統合する・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/matsumoto_1.pdf

□宮内春菜
「『タイ 国民国家形成期(1868‐1932年)における女子教育の展開』に
関する研究」
【派遣先国】タイ

現在、タイの女性に対して我々が抱くイメージの一つに、家庭外で活発
に活動し社会的評価を得ているというものがある。実際、労働参加や教
育機会等を指標にした女性の地位の国際的な相互比較・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/miyauchi_2.pdf

□柳沢英輔
「ベトナム中部高原に住む少数民族とゴング」
【派遣先国】ベトナム

急速な社会変化の中で少数民族は現在ゴングをどのような機会に演奏し
ているのか、そしてゴング(を演奏すること)は彼らにとってどのよう
な意味があるのかを明らかに・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/yanagisawa_1.pdf

□朝田郁
「聖なる人々の教団」
【派遣先国】タンザニア

フィールドワーク実施に先立って設定した課題は、東アフリカのザンジ
バルを舞台に展開してきたイスラーム神秘主義教団、タリーカ・アラウィー
ヤの宗教実践と社会活動を記述することである・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/asada_2.pdf

□太田雅子
「セネガルにおける写真の歩み」
【派遣先国】セネガル共和国・マリ共和国

本研究は、セネガルで活動する写真家と、彼(女)らが撮影した写真を分析
材料とし、写真家、被写体、家族、社会、国にとっての写真の役割を検討
することをとおして、セネガル人が近代国家の・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/ohta_1.pdf

□中山裕美
「難民の地域統合政策における自立開発支援の意義」
【派遣先国】ザンビア

ザンビア内における難民はその居住形態に基づき、指定された地域に居住
する難民、都市居住難民、自発的定住難民の3タイプにわけられるが、
本研究の調査対象は指定された地域に居住する・・・
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/miryoku/j/pdf/report/nakayama_2.pdf

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◆編集子より◆新年度を迎え、新しい出会いに心を弾ませている人も
多いことでしょう。かくいう私も新しく支援室に着任し、若い学生た
ちのアジア・アフリカへ馳せる夢や希望からエネルギーをもらう日々
を過ごしております。メルマガのご愛読とともに今後よろしくお願い
いたします。(K)
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◆このメールマガジンは、ASAFASフィールドワーク・インターンシップ
支援室 より発行されています。
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研究会の案内なども受け付けています。
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作成日: 2008年5月29日 | 作成者: 事務局
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