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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第259

■■■ January 2025 第259号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 1,093】■■■■■■■■■

___________今月号の目次 Contents__________

□ フィールド便り.................. マルミミゾウに囲まれる夜
□ メルマガ写真館.................. 今日も仕事は続いていく
□ 最近の出来事....................オープンキャンパス情報・研究会情報
   Facebook・X(旧Twitter)情報 
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「マルミミゾウに囲まれる夜」
大坂桃子(アフリカ地域研究専攻)

 焚火の灯りの外側には、ずっと暗闇が続いています。その暗闇からきこえるのは、木々をかき分けて歩く音、仲間となきかわす声…。
 私が調査対象としているのは、アフリカゾウの一種であるマルミミゾウです。深刻な絶滅の危機に瀕している一方で、時に人を襲う恐ろしい動物でもあります。保全活動が比較的進んでいるガボン共和国には、マルミミゾウの全個体数のうち3分の2ほどが集中していると言われています。そのためガボンでは、マルミミゾウによる人身被害や農作物被害が特に深刻な問題となってきました。私はそんなガボンを舞台に、農村を訪れるマルミミゾウの生態調査をおこなっています。
 11月になると、村のいたるところに植えられたマンゴーが結実期を迎えます。マルミミゾウが最もよく調査村を訪れる季節です。ゾウは、村の周りをぐるりと取り囲む「ゾウ道」を歩きながら、マンゴーの木々を渡り歩いていきます。私は経験豊富な調査助手と共に、暗視カメラを使いながら群れの構成や個体識別情報などを記録していきます。その間も常に暗闇からの音を聴き、安全には最大の注意を払います。
 次第にゾウの数は増え、村はゾウの物音に囲まれました。暗視カメラを覗いてみると、南側にはこの時期毎日のように村に来る大きなオスと、同じく常連のメスたちのグループがいます。西側には小さなアカンボウのいるファミリー、東側には牙のない年老いたオスが1頭で立っていました。南側の群れの近くをトラックが通り過ぎ、警戒したゾウのトランペット音が鳴り響きます。
 一旦就寝した後も、ゾウが家の近くを通ると、目を覚まし、音を聞き、安全な距離であればそっと窓を開けてゾウを観察するという作業を一晩中続けていきます。突然睡眠を打ち破って壁越しにきこえるゾウの息づかいや咀嚼音が、帰国した今も私の耳にこびりついています。

写真1:暗視カメラで撮影した大きなオスのマルミミゾウ
写真2 :昼間に森から姿を現したマルミミゾウの群れ

(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/1105157621407734

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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「今日も仕事は続いていく」
島田龍人(アフリカ地域研究専攻)

 ここはケニア・ナイロビ市内にある自動車修理ガレージ。「ここで働かせてください!」ジブリのあの有名な主人公にでもなった気持ちで、このガレージで弟子入り生活をしています。
ケニアでは屋外で額に汗して働く人びとをジュアカリ (スワヒリ語で「灼熱の太陽」の意味) と呼びます。その名のごとく、太陽が燦々とガレージを照らす中、人びとは今日も仕事を続けます。「リュート、カジ・ンズリが大切だぞ!」仕事中、親方が私に言います。カジ・ンズリとは仕事ぶりの良さを意味するスワヒリ語で、これを客に示すことが、自分専属の客を獲得するうえでとても大切なのです。
今日もガレージに修理車がやってきます。カジ・ンズリを示せるように、と気を引き締めて。
さぁ、仕事の始まりだ。

写真1 調査地のガレージ
写真2 親方とその仕事を観察する青年
(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/1105158838074279

(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/

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■ 最近の出来事
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□オープンキャンパス情報
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〇グローバル地域研究専攻 2025年度 第1回 オープンキャンパス 
日時:2025年2月3日(月)13: 30~18:00 頃
場所:総合研究 2 号館⼤会議室( AA447)  
開催詳細・参加申込
URL:https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/oc-global2025february/
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□研究会情報
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「東南アジアの都市居住」第12回定例研究会(ダイキンセミナー)
持続可能社会のデザイン    報告者:広井良典(人と社会の未来研究院)   
 日時:2025年1月24日(金)16:00–17:30(日本時間)
  場所:京都大学稲盛財団記念館2階セミナー室(I213)
  https://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/event/20250124/

『負債論』から『万物の黎明』へ―「貨幣」「都市」「文明」(「万物研」公開研究会)
日時:2025年2月1日 (土) 13:00-18:30
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
ご登録先(Google フォーム):https://forms.gle/zW1xJwGVYUyTRtZr6
問い合わせ先: 万物研/比較考古学研究会(小茄子川)
 E-mail: chanhudaro[at]gmail.com

第10回 子育ての生態学的未来構築コロキアム
Environmental History in Southern Africa
日時:2025年 2月19日(水)14:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
https://www.cci.jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/efm/en/colloquium-10-20250219/

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■ 編集子より From the Editor
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 博士予備論文公聴会が開かれました。今までフィールドで気づいたこと、文献で調べてきたこと、どうやったらうまく伝わるのだろう…?様々な調査や思索、試行錯誤を経て発表された研究成果は、どれもとても興味深いものでした。研究は常にインプットとアウトプットの連続。いつもより広いオーディエンス、分野が違う人からもらえたフィードバックもまた新たな気づきや次のインプットへ向けたきっかけになったことと思います。 (K.A)
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