■■■ December 2024 第258号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 1,096】■■■■■■■■■
___________今月号の目次 Contents__________
□ フィールド便り............. 邪視と子連れフィールドワーク
□ メルマガ写真館............. 村で日記を書く
□ 研究会情報
□ Facebook・X(旧Twitter)情報
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「邪視と子連れフィールドワーク」
浅井 登紀子(グローバル地域研究専攻)
昨年の夏から、当時1歳になったばかりの娘と4歳の息子、調査に合わせて育休を取得してもらった夫の4人でスリランカでの約7か月間のフィールドワークを行いました。
子連れでのフィールドワークは大変なことも山ほどありましたが、スリランカの人たちは子どもに好意的で、優しくときにおせっかいに接してくれたことは、日々生活する上での大きな支えでした。一方で、子連れだとどこへ行っても一人で出かけるとき以上に注目され、疲れてしまうこともありました。
調査地で毎日お世話になっていたムスリム家庭の奥さんのAさんは、そんな私たちを度々心配していました。スリランカでは、人の放つ視線には力が宿り、人や物に病気などの災いをもたらすことがあると広く考えられています。特に小さな子どもの愛らしさは羨望や妬みのまなざしを集めてしまうため、それらから身を守るために額や頬に黒いインクなどでポットゥと呼ばれるあざのような印を描きます。
邪視といわれ世界各地にみられるこうした考えを、タミル語では「カンヌール」といい、私はAさんに「よく知らない人に子どもを触らせたり写真を撮らせてはいけないよ、カンヌールだよ」と度々注意されました。
ある時、調査中に知り合った女性宅に家族で招待してもらえることになり、インタビューをして少しお茶をいただいて帰るつもりが、歓待を受けつい夜まで長居してしまったことがありました。そして、その翌日から私と子どもたちは立て続けに熱を出し、1週間ほどダウンしてしまいました。Aさんは「カンヌールだ!かわいい子どもだとじろじろ見られたからだ。出かけるときは子どもにポットゥをつけなさい」と言い、私たちを邪視から守ってもらえるようにとクルアーンの章句を唱えてお祈りをしてくれました。
それ以来、なんとなく外出時には子どもの頬と眉の横(もしくはどちらか)にスリランカの子どもがするようにポットゥをつけるようになりました。その後も家族が体調を崩すことは何度かありましたが、大事には至らず無事帰国できたのはポットゥのおかげかもしれません。
スリランカでの生活になじみ、お出かけ前には頬を指さして「ポットゥをつけて!」とアピールしていた娘は、今ではそんなこともすっかり忘れてしまったようです。
写真1:ポットゥと眉を描いてもらった娘。
写真2:乗り物好きの息子。オート(三輪タクシー)の運転手さんたちは快く運転席に座らせてくれました。息子ぐらいの歳になるともうポットゥはつけないので、息子も気が向いたときだけ描いてもらっていました。
写真3:壁に落書きして遊ぶ子どもたち。
(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid0QZGL22d9Z4sRzim49HjspXxAzng3o1fymJWF5QRKFiD2ZmHX2of2AboE5SYWvfrXl
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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「村で日記を書く」
緑川 茉歩(グローバル地域研究専攻)
インド、グジャラートの村での生活は思いのほか忙しいものでした。ちょうどお祭りの時期が重なっていたこともあり、朝から晩まで何かしらの仕事があります。みんなと楽しく過ごしていると、自分の時間が取れるのは深夜0時過ぎです。家族のみんなが寝静まる中、家の部屋の隅にあるホームテンプルのあかりを浴びながら日記を書きます。深夜の真っ暗なグジャラートの村で、神様がいる場所だけはネオンカラーで照らされていました。
写真1: ネオンがひかるホームテンプル
写真2: お祭りの夜
写真3: 火が身体を清める
(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
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(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/
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■ 研究会情報
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1. SATREPS-MNGDプロジェクト 公開講演会「アフリカの道を考える」
開催日時:2025年1月24日(金)16:00-18:30
開催方法:対面&オンライン
*後日、録画をオンデマンド配信予定
詳細:https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/event/2024-12-19
会場:京都大学稲盛記念館3階大会議室
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/access
お申し込み:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScbT7R28UScaoVANGxiI26BKkFVbLHUfwBudwpcJSc81jw-Tg/viewform
2025年1月23日締切(定員になり次第締切)
問い合わせ: contact*mngd.africa.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
チラシ:https://mngd.africa.kyoto-u.ac.jp/workshop-meeting/koukaikouenkai2025
2.「新グローバル秩序におけるソロモン諸島の政治・環境・暮らし」 海域アジア・オセアニア研究国際ワークショップ/ ソロモン諸島国立大学・京都大学 大学間学術交流協定締結記念
"Politics, Environment, and Life in Solomon Islands in the New Global Order"
日時:2025年1月26日(日)13:00~16:30(12時30分開場)
会場:京都大学国際イノベーション棟5Fシンポジウムホール
使用言語:英語
特別講演:トランスフォーム・アンゴラウ(ソロモン諸島国立大学・学長)、エリック・カトヴァイ(ソロモン諸島国立大学・副学長)
研究発表:黒崎岳大(東海大学)、土谷ちひろ(医療創生大学/京都大学)
趣旨説明:古澤拓郎(京都大学)
事前登録のお願い:https://forms.gle/13mRdTyGf68rXioH6
イベント詳細:https://maps.asafas.kyoto-u.ac.jp/activity/sinu-ku-ws20250126/
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■ 編集子より From the Editor
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年末が近づくと、キャンパスにも人がまばらになり、寒さが身に染みます。今年一年間、大変お世話になりました!そして、来年も皆様にとって充実した一年になるよう、お祈りい申し上げます。どうぞ良いお年をお過ごしください。(H・I)
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京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
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協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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