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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第247

■■■ January 2024 第247号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 1,086】■■■■■■

___________今月号の目次 Contents__________

□ フィールド便り.................. オヴァンボと、身体と心を躍らせて
□ メルマガ写真館.................. バケツと水と大腸菌
□ お知らせ...................グローバル地域研究専攻 オープンキャンパス  
□ 最近の出来事............... Facebook・X(旧Twitter)情報
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「オヴァンボと、身体と心を躍らせて」
渡邉麻友(アフリカ地域研究専攻)

「リィリィリィリィリィリィ…! 」
ここはナミビア最大の民族として知られるオヴァンボのウエディングパーティーです。
青空の下、鮮やかなピンク色のドレスと高らかに鳴り響く歓喜の声が広がります。

ある日の午前、近くの教会で結婚式があると聞き、招かれていないにもかかわらず参列者と並んで着席していました。はじめてのアフリカでの結婚式に胸が高鳴ります。しばらくするとマスタード色のタキシードと純白のウエディングドレスを身にまとった新郎新婦が入場して、牧師により式は進められました。二人の人生において特別な場面に遭遇できたことを実感し、よそ者でありながら心打たれます。式は1時間ほどで終わり人びとの流れに従って教会から出ると、「この後パーティーがあるからあなたも来たら?」と近くにいた女性に誘われました。好奇心を抱きながら他の参列者と軽トラックの荷台に乗り込むと30分ほど揺られます。

到着すると、ピンク色のドレスを着た集団が向こうから歌い踊りながらやってきました。「リィリィリィ…!」自宅でパーティーの準備をしていた新婦側の親族のようです。「リィリィリィ…!」女性の甲高い声があちこちから聞こえ、笛の音に合わせステップを踏む姿に圧倒されます。荷台から降りた我々も歌い踊りながら新郎新婦とともに自宅の方へと進みました。「リィリィリィ…!」互いの集団が向き合い、好き好きに喜びを表現する姿に不思議な一体感を感じます。歌と踊りの後には豪華な食事と酒が振る舞われ、お祝いムードはさらに高まります。

ピンクのオヴァンボ・ドレスを身にまとった私も「リィリィリィリィリィリィ…!」と声をあげ、新郎新婦を祝福しました。身体と心を躍らせて。

写真1: 歌い踊る人びと
写真2: 新郎新婦に贈り物を渡す列
写真3: 新郎新婦の後ろ姿
写真4: ビュッフェスタイルの食事

(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/867324595191039

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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「バケツと水と大腸菌」
髙橋侃凱(アフリカ地域研究専攻)

ザンビア共和国の首都ルサカは舗装された大通りが走り、大規模なショッピングモールが複数あるほど発展しています。海外のファーストフードチェーンも進出していて、日本人に馴染みのある店で言うとKFCがあります。  
その一方で、中心部からたかだか10km程度の地域には、都市計画によって整備されていない住居が立ち並ぶ「未計画居住区」が広がっています。所狭しと家がひしめきあっていて、道路は舗装されていません。衛生環境も悪く、コレラなどの感染症が毎年のように発生しています。水道施設が十分に整備されていないこうした地区では大半の住民が家に蛇口を持たないため、屋外にある共用の給水栓から飲料用水を含む生活用水を手に入れています。毎日のように給水栓にバケツを持った人が並んで、水でいっぱいになったバケツを家まで運ぶ姿が見られます。
彼らがバケツに貯めている水からは大腸菌が多数検出されました。大腸菌は、水が糞便で汚染されているかどうかの指標となります。日本ではトイレの床からすら大腸菌が検出されなかったので、調査地の水サンプルの結果に驚きを隠せませんでした。目には見えない「菌」を可視化することで、人々が日々使っている水が必ずしも安全でないことを痛感した調査となりました。

写真1: 調査地でのサンプリングの様子およびサンプルから培養した大腸菌(左下)。青く見えているのが大腸菌のコロニーです。
写真2: ルサカの中心部。大通りには多数の日本車が走っていました。
写真3: 調査地における共用の給水栓。たくさんの人がバケツを用意して給水栓の周りに集まっていました。

(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/867326068524225

(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/

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■ お知らせ Announce
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□ 専攻別 2024年度 オープンキャンパスの開催
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◆グローバル地域研究専攻 オープンキャンパス  2024春
日時:2024年3月21日(木)13:30 - 18:00ごろ

参加申込URL:https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/oc-global2024march/

*オンラインのみでの開催となります。   
*詳細情報と申込方法は上記の研究科ウェブサイトで公開しています。

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■ 最近の出来事 Recent Topics
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■ 編集子より From the Editor
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今月はいよいよ博士予備論の公聴会です。いままでそれぞれの文献調査やフィールド調査、指導教員とのやりとりを通して温め、練り直し、悩みながら書き、そして書き直し…、ようやくひとつの成果としてまとまった博士予備論文。自らの調査で少しづつ慣れ親しんできた研究について、専門や研究地域が違う教員や院生の前で発表するのは難しいですが、説明(しようと努力)することで、自分でもびっくりするほど頭の中が整理されていきます。「研究について話したり聞いたりする」というのは、私がフィールド調査の次に好きな研究のプロセスです。相手の思いもかけない質問だったり、共通点だったり、素朴な疑問だったり、小さなきっかけで世界が劇的に広がっていきます。そしてそれは、公聴会や学会の発表の場のような正規の場面でもそうですが、その前後の廊下や、その後のごはんをたべながら(文化圏によってはお酒をのみながら)というのが、実はもっともっと、実り多いのですよね。コロナが落ち着き、対面でコミュニケーションできるようになった今こそ、こういう顔を見ながら話す時間を、大事にしたいです。
                       (K.A.)           
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
ASAFAS キャリア・ディベロップメント室
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協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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