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地域研究情報マガジン

アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第219号

■■■ September 2021 第219号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 959】■■■■

__今月号の目次 Contents__________________

□ フィールド便り.............From the oldest textile weaving village in Sri Lanka: 
                              Insights gained from my research field during the Covid 19 Pandemic.
□ メルマガ写真館............. シリアの懐かしい食べ物
□ お知らせ................... 履修証明プログラム、入試日程
□ 講演会・セミナー情報....... アフリカ公開講座
□ 最近の出来事............... Facebook・Twitter情報
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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"From the oldest textile weaving village in Sri Lanka: 
Insights gained from my research field during the Covid 19 Pandemic."
Sulari De Silva (Division of Global Area Studies)     

Thalagune is a small village which is home to several artisan families descended from traditional weavers of Dumbara textiles. It is located in the Dumbara valley in the central hills of Sri Lanka. The tradition of weaving, which originated from Dumbara and is unique to it, came to be known as Dumbara weaving by the name of the place of its origin. Dumbara weaving are handcrafted with beautiful patterns. The designs are textured on a monochromatic piece of fabric with motives and patterns with hand-inserted coloured yarn raised in relief. Due to its artistic features and ancient tradition, Dumbara weaving has been identified as a national heritage of Sri Lanka.  

The last time I went to the Dumbara weavers' workshop in the village of Thalagune, I saw that the usual atmosphere I used to see there had changed a lot. In almost every workshop the looms have become dirty covered with thin layers of dust. Skeins of cotton yarn packed in cardboard boxes were becoming ant and termite colonies. During my stay in Thalagune, as I was walking from one weaver’s house to another, I saw at some workshops, among the other abandoned looms, a weaver was sitting on his loom engaged in weaving. His head is bent towards his work, his body curled around the loom nourishing the whole piece of work he was crafting. I heard the sound of the shuttle colliding with the rhythm of his hands and fingers pulling through the warp. The sound of a sole shuttle echoed louder than ever in the deserted workshop.
This time I went to Thalagune when the second wave of the Covid 19 pandemic was subsiding in Sri Lanka. I stayed there for months for my study of this weavers’ community. Seeing these deserted workshops further reinforced in me the uncertainty I had about the future of this industry. 
However, since they were not too busy as usual, I had a better chance of engaging in lengthy conversations with them this time.
“This is not the only time the industry has collapsed. This is something we experience throughout our lives.”
“I inherited this craft from my grandfather and my father. Today, I work alongside my sons.”
“I was born into this. I have known the art of Dumbara weaving as long as I have known myself.  
…. besides being the only work I know, I am passionate about this because, along the way, this has given me everything, this land, house, my vehicle….”
“This is our family occupation. At times, we had other jobs, but none of our families ever stopped weaving.”
I have quoted above few excerpts from the conversations which were transcribed in my field notes. 

During this time of crisis, for almost two years, the weavers did not make any money from the production of Dumbara weaving. I saw that they had a lot of piles of products left over unsold, from the last weave. The weavers had mortgaged property such as gold jewelry, motorcycles or three-wheelers to pay wages of co-weavers for work that had been stopped halfway and to pay off loan installments. In addition to talking about their deep concerns over the impending decline of Dumbara weaving, the weavers interviewed were more willing to talk about their family histories and work relations and about their sense of themselves as Dumbara weaver-artisans. 
Even in crises, their faith and devotion they place in their familial livelihood are evident in their statements above. My sense of uncertainty about this industry, which had been in my mind for some time, faded away with the revelation of the highly ambitious sense of weavers towards their livelihood and of their life history trajectories.

Photos:
1. & 2. A weaver engaged in weaving alone in his workshop.
3. A weave designed months ago is stopped halfway on a loom.

(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/4481392508573733

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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「シリアの懐かしい食べ物」
中西萌(グローバル地域研究専攻)

越境先の生活では、意外な食べ物が無性に恋しくなることがありますよね。

先日私は、東京に住むシリア出身の友人に「もえ、僕はビネガー味のポテトチップスが食べたいんだ。」と言われ、その友人と一緒にビネガー味のポテトチップス探しの旅に出かけました。

幸いにも日本最大の都市、東京での出来事でしたので、3軒目のスーパーマーケットで見つけることができました。その友人は、大喜びしながら店頭に並んでいた全てのビネガー味の国産ポテトチップス(以下、ポテチ)の袋をつかみました。そして、セルフレジでの会計では、財布を逆さまにして、この方が簡単で速いんだぞと言っているかのように、持っていた全ての硬貨を小銭受けにジャララララと流し込み、6袋ものポテチを購入しました。

店を出るや否や、すぐに1つ目のポテチを開けて、もう待ちきれなかったかのように、バリバリと食べ歩きながら語りました。

「シリアにいた頃は、毎日のようにビネガー味のポテチを食べていたんだ。でも、日本に来てからこれっきり見かけた事がない。ビネガー味が一番おいしいと思うのに、なぜここにはないんだ?」

さらに、日本のポテチは薄く、味が控えめなのに対し、シリアのポテチはカリカリで、味がはっきりしていることを教えてくれました。私にも、さぁ、食え食えとたくさん分けてくれました。

溢れんばかりの笑顔をしていた友人と一緒に食べた、日本のポテチは、いつもと違って楽しさいっぱいの味がしました。

もちろん、その友人と一緒におやつばかり食べていたわけではありません。ポテチ巡りの旅の後に、その友人はシリアの料理をお腹いっぱいになるまで振る舞ってくださいました(写真)。

(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/4481385121907805

(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/


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■ お知らせ Announcements
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□ 専攻別 2021年度 オープンキャンパスの開催
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◆ アフリカ地域研究専攻 第3回オープンキャンパス2021
日時:2021年11月13日(土)14:00 - 16:30
参加申込URL:https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/africa20211113/

*オンライン会議システムZoomでの開催となります。    
*詳細情報と申込方法は上記の研究科ウェブサイトで公開しています。

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□ 2022年度 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試日程
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◆ 第2回入学試験(*東南アジア地域研究専攻・アフリカ地域研究専攻のみ)
出願期間:令和4年1月7日(金)~1月18日(火)17時必着
試験日程:令和4年2月8日(火)、9日(水)

*募集要項等の詳細は下記研究科ウェブサイトで公開しています。
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application/
*なお、東南アジア地域研究専攻については、令和5年度入学試験(令和4年実施)
からは9月の第1回試験のみとし、2月の第2回試験を行わない予定です。

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■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars
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□ 第254回 アフリカ地域研究会
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日時:2021年10月21日(木)15:00-17:00
演者:園田 浩司(京都大学アフリカ地域研究資料センター・機関研究員)
演題:教示の不在:カメルーン狩猟採集社会における「教えない教育」
主催:京都大学アフリカ地域研究資料センター
   日本アフリカ学会関西支部
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/archives/9718

*お申込み
本研究会は、オンライン会議Zoomによる開催を予定しています。
以下の専用フォームに必要事項を記入のうえ、お申し込みください。
https://forms.gle/WnTK8iJdcYopBeYi6
締め切りは、開催日前日の2021年10月20日12時です。申込者にZoomの
招待URLをお伝えします。

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□ 京都大学アフリカ地域研究資料センター主催
  2021年度 アフリカ公開講座
 「工学研究者、アフリカへ行く!“MNGDプロジェクト”の挑戦」
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 アフリカでは、古来より人やもの、情報のやりとりを様々に発達させてきました。そのなかでも、物理的な往来を容易くする「道」の存在は欠かせません。航空機や高速道路による長距離移動やSNSなどの情報通信が多用されるアフリカで、ともすれば村と村をつなぐふつうの「道」の重要性は看過されてきました。今回のアフリカセンター公開講座では、この「道」に注目して2019年からエチオピアで共同研究をはじめた工学研究者たちの挑戦をとりあげます。
 SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)「特殊土地盤上道路災害低減に向けた植物由来の土質改良材の開発と運用モデル」、通称MNGDプロジェクトの活動について紹介しながら、みなさんと一緒にアフリカの道について考えてみたいと思います。


◆第1回 2021年10月16日(土)15:00-17:00(開場14:30)
 講師:木村 亮 「アフリカに大学を造る」

◆第2回 2021年11月27日(土)15:00-1700(開場14:30)
 講師:安原英明 「アフリカで地盤環境工学を考える」

◆第3回 2021年12月18日(土)15:00-17:00(開場14:30)
 講師:福林良典 「アフリカで住民と道普請する」

◆第4回 2022年 1月22日(土)15:00-17:00(開場14:30)
 講師:亀井一郎 「アフリカの土壌を改質する」

◆第5回 2022年 2月19日(土)15:00-17:00(開場14:30)
 講師:澤村康生 「在来植物でアフリカの道を直す 」

*この公開講座は、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科の
「令和3年度 アジア・アフリカ地域研究履修証明プログラム」の
 一部として提供しています。

* 各日ともに、オンライン(Zoom)、および、
 京都大学稲盛財団記念館3階 大会議室での、ハイブリッド形式でおこないます。

*お申し込み
「お名前(ふりがな)、ご住所、メールアドレスなどの連絡先、受講希望講座」を記して、下記のいずれかへお送り下さい。会場での受講を希望される場合は、その旨お書き添えください。無記入の場合は、オンライン受講希望として扱わせていただきます。

1) E-mail:manabiafrica[at]gmail.com
         ([at]は@に変更してください)

2) 郵便:〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46 
        京都大学アフリカ地域研究資料センター 公開講座係               

3) FAX: 075-753-7831

各回、開講日の前週金曜までにお申し込みください。
お申し込みいただきましたら、5日以内に受講受付と受講料振込のご案内を返信いたします。入金確認後、当日までに会場での受講案内、あるいは参加URLをお送りします。講座の映像は、開講日以降もオンラインで見ていただけるよう、アーカイブを公開します(期間限定)。

*詳細
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/archives/9731

*共催
京都大学アフリカ地域研究資料センター、SATREPS「特殊土地盤上道路災害低減に向けた植物由来の土質改良材の開発と運用モデル」プロジェクト共同主催

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■ 最近の出来事 Recent Topics
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■ 編集子より From the Editor
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緊急事態宣言の解除が決まり、感染者数の報告数は減少傾向にあるものの、
未だ気を抜けない状況が続いています。欧米ではマスク無しで大勢の人が野球
やサッカー観戦をしている様子が見受けられ、国を跨いだ渡航も自由に行われ
つつあるよう。withコロナへの道筋をつけ、ウイルスと共存していく術をいち
早く見出しているように見えます。感染対策を十分にしつつ、徐々に日常を
取り戻したい、そんな思いが募ります。10月からは後期が始動します。
気持ちを新たに、スタートを切りたいと思います。(M.S.)

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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
ASAFAS キャリア・ディベロップメント室
ASAFAS 次世代型アジア・アフリカ教育研究センター 
    臨地教育・国際連携支援室
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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