アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第213号
■■■ March 2021 第213号 ■■■■■■■■■■■ アジア・アフリカ地域研究情報マガジン ASAFAS INFOrmation Magazine https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/ ■■■■■■■■■■■■【発行部数 905】■■■■■ __今月号の目次 Contents__________________ □ フィールド便り............. 食事におけるタブーと工夫 □ メルマガ写真館............. 美味しい一杯を支える女性たち □ お知らせ................... オープンキャンパス □ 最近の出来事............... Facebook・Twitter情報 □ 編集子より _______________________________ ========================================================== ■ フィールド便り Letter from the Field ========================================================== 「食事におけるタブーと工夫」 本山 可南子(グローバル地域研究専攻) 私は、インドのダリト(かつての不可触民)の人々の教育環境の実態を明らかにすることを目的に、これまで計3回のべ6カ月現地調査を行ってきました。しかし、大学院に入学するまで調査地であるインドには行ったことがなかったため、調査を十分に行えるのか不安がありました。こうした不安を解消するにあたって、現地での日々の食事の時間が私にとっては重要だった、と感じています。 幸いにも現地の食事で体調を崩すようなことは一度もなく、“3食カレー続き”であっても新鮮に感じることが多くありました。家庭やお店によって料理の具材や調理方法に個性があり、それにともなって食事の作法や一緒に食べるメンバーなども変わるため、食事の時間に感じる小さな変化が思いもよらない気づきになることがあります。 インド北東部ビハール州に位置するブッダガヤでの滞在時には、ダリトの家族が8人住んでいる家に1室を借りて調査をしていました。他にもムスリムの女性が部屋を借りていたり、親戚の人が数週間滞在していたりと、大所帯の生活のなかで、それぞれの食事に関する配慮を目にすることが多々ありました。 例えば、家主には豚肉を食べる習慣があるのに対して、妻やその実家では豚肉は一切食べないため、家主の実家に訪問した際には、口外しない、という約束のもとで豚肉入りのカレーをごちそうになったことがありました。また、私が日照り続きで体調を崩していた際には、 彼らは菜食期間にも関わらず、卵を日常的に食べられるよう手配をしてもらったこともありました。 あるいは、飲酒や買い食いなども性別やカーストによっては顰蹙を買うような行動です。そのため、周囲の様子を注意して真似る必要がありました。インドでは、食に関するタブーがたくさんありながらも、状況に応じて柔軟に対応している人々の工夫を目の当たりすることが出来ました。 どのように配慮しあっているのか、食事の時間を通して学んだことは、共に生活をする上でのみならず、調査での気づきを深めることにも繋がっていく、と考えます。 (上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。) https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/3929758800403776 ========================================================== ■ メルマガ写真館 Photo Gallery ========================================================== 「美味しい一杯を支える女性たち」 工藤 太地(グローバル地域研究専攻) 私の調査地であるインドのタミル・ナードゥ州ニルギリ県は、有名な茶葉の産地で、地域一帯に鮮やかな緑の茶畑が・・・ (続きと写真は次のURLをご覧ください。)第178回 「メルマガ写真館」(上記の写真館については次のFacebookでもご覧いただけます。) https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/3929752347071088 ========================================================== ■ お知らせ Announcements ========================================================== ────────────────────── □ 専攻別 2021年度 オープンキャンパスの開催 ────────────────────── ◆ グローバル地域研究専攻 第1回オープンキャンパス2021 日時:2021年5月8日(土)13:30- ◆ アフリカ地域研究専攻 第2回オープンキャンパス2021 日時:2021年5月15日(土)14:00-16:30 *オンライン会議システムZoomでの開催となります。 *詳細は、後日ホームページに掲載しますので、そちらをご確認ください。 ========================================================== ■ 最近の出来事 Recent Topics ========================================================== ──────────── □ Facebook・Twitter情報 ──────────── FacebookとTwitterから最新情報を発信しています。是非ご登録ください! ○ 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS) https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/ https://twitter.com/asafasprcc ○ 東南アジア地域研究専攻Facebook https://www.facebook.com/AsafasAsia/ ○ 東南アジア地域研究専攻生態環境論講座Facebook https://www.facebook.com/asaseaeco/ ○ アフリカ地域研究専攻 Facebook https://www.facebook.com/ASAFASAfrica ○ グローバル地域研究専攻Facebook https://www.facebook.com/京大アジアアフリカ地域研究研究科グローバル地域研究専攻-545053518980616/ ○ 京都大学アフリカ地域研究資料センター https://www.facebook.com/CAASKyotoUniv/ http://twitter.com/Africa_Kyoto_U http://twilog.org/Africa_Kyoto_U ========================================================== ■ 編集子より From the Editor ========================================================== 桜も満開となり、春爛漫な季節となりました。あっという間に過ぎ去ってしまう桜の時期の如く、昨年一年間はコロナ禍の中で瞬時に過ぎ去ってしまったような気がします。行動が制限されて苦しい中にありながら、新たな可能性を見出そうともがいた一年でもありました。フィールドワークに重きを置く地域研究者にとって、難しい状況であったことは間違いありません。さて、気持ちも新たに、4月からは新学期が始まります。ウイルスが変異し続けるように、私たち研究者も変化し続けなければいけません。国外への自由な渡航はなかなか実現しそうにない状況ですが、昨年の糧を活かして、私たちも変化を続けたいと思います。(M.S.) ========================================================== □ メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。 http://form.mag2.com/gianoubima ========================================================== ◆ このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント室、ASAFAS臨地教育・国際連携支援室より発行しています。 ◆ ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。 宛先:http://form.mag2.com/gianoubima ◆ バックナンバーは、こちらのページから読むことができます。 https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/melmaga/ ◆ このメールは「まぐまぐ!」を利用して配信しています。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。 https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/magazine/ ========================================================== ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集/発行: 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会 ASAFASキャリア・ディベロップメント室 ASAFAS次世代型アジア・アフリカ教育研究センター 臨地教育・国際連携支援室 協力: 京都大学 アフリカ地域研究資料センター ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■