■■■ October 2020 第208号 ■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 904】■■■■■
__今月号の目次 Contents_____________
□フィールド便り............... ケニアの人口統計調査
□メルマガ写真館............... 焼きたての美味しさ
□お知らせ.......................... オープンキャンパス、入試日程
□講演会・セミナー情報..... アフリカ地域研究会など
□最近の出来事................... Facebook・Twitter情報
□編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「 ケニアの人口統計調査 」
久保田 ちひろ(アフリカ地域研究専攻)
2020年10月現在、日本では国勢調査が行われていますが、一年余り前、私が現地調査をしていた前年8月、ケニアでも10年に一度の人口統計調査が行われていました。
8月24日と25日の夜に調査が実施される予定で、一週間ほど前からテレビCMが流れ、調査時の夜間の外出自粛が呼びかけられていました。ニュースでは、元大統領が自宅で統計調査の質問を受けている様子が取り上げられていました。
予定日からやや遅れた8月27日、朝の農作業や家事を終えた午前9時ごろ、ようやく私が滞在していた家にも調査員がやってきました。この時の統計調査では、調査員が一軒一軒訪問し、回答を専用のタブレットに入力する方法が取られていました。調査員は、この地域に住む若者が臨時雇用されています。まずは世帯主、次に世帯主の妻、同居している長男の妻、次男、次男の妻…と質問に答えていきます。ケニアの人口統計調査は、「調査時点(8月24日)にケニアにいた全ての人」が対象です。したがって、現地調査をしていた私も人口にカウントされます。質問事項は、名前、最終学歴、子どもの年齢、障がいを持っているか、家の広さ、持っている電気製品の種類、栽培している作物の種類…といった内容です。このように細かい内容を一つ一つ雑談を交えながら質問するため、全てを終えるのに30分程の時間がかかっていました。
この統計の結果は、2020年2月にインターネット上で公開されました。統計からは様々な情報を読み取ることができ、研究においても有用なデータとなります。この統計調査結果を日本で見ながら、10年に一度の人口統計にカウントされたことを少し嬉しく感じました。
(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/3532061946840132
写真の説明:回答をタブレットに入力する調査員(中央)と、質問に回答する滞在先の家族
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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「焼きたての美味しさ」
近藤 加奈子(アフリカ地域研究専攻)
電気も水道もないモザンビークの農村にも、パン屋はあります。店に並ぶパンは一種類だけ。昼からパン作りを始めると、・・・
(続きと写真は次のURLをご覧ください。)
第173回 「メルマガ写真館」
(上記の写真館については次のFacebookでもご覧いただけます。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/3532093253503668
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■ お知らせ Announcements
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□ 専攻別 2020年度 オープンキャンパスの開催
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*詳細情報と申込方法は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。
◆ 東南アジア地域研究専攻 第2回オープンキャンパス2020
日時:2020年11月11日(水)13:00-17:00(開場 12:50)
オンライン会議システムZoomでの開催となります。
参加申込URL: https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/asia20201111/
◆ アフリカ地域研究専攻 第3回オープンキャンパス2020
日時:2020年11月21日(土)14:00-16:30
オンライン会議システムZoomでの開催となります。
参加申込URL: https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/africa20201121/
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□ 2021年度 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試日程
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*募集要項等の詳細は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。
*新型コロナウイルス感染症予防対策としてオンライン等による入試を実施する予定です。
◆ 第2回入学試験(東南アジア地域研究・アフリカ地域研究専攻のみ)
出願期間:2021年1月8日(金)~1月19日(火)17時必着
試験日程:2021年2月3日(水)、4日(木)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application/
◆ 博士課程[5年一貫制]第3年次編入学試験
出願期間:2020年12月16日(水)~2020年12月23日(水)17時必着
試験日程:2021年1月13日(水)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/transfer/
*大学院入学試験の受験を検討されている皆様へ
本研究科東南アジア地域研究専攻およびアフリカ地域研究専攻の博士課程[5年一貫制]第2回入学試験、ならびに研究科博士課程[5年一貫制]第3年次編入学試験は、例年とは異なり、新型コロナウイルス感染症予防対策としてオンライン等による入試を実施する予定です。
詳細については、後日、本研究科のWebサイトでお知らせいたします。大学院入学試験は、募集要項のとおり実施される予定です。
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■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars
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□ 第252回 アフリカ地域研究会
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日時:2020年11月19日(木)15:00-17:00
場所:Zoomによるオンライン会議形式での開催を予定しています。
演者:牛久 晴香(北海学園大学経済学部・講師)
演題:かごバッグの村-ガーナの地場産業と世界とのつながり
主催:京都大学アフリカ地域研究資料センター・日本アフリカ学会関西支部
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/archives/9274
*本研究会は、2019年度総長裁量経費(若手研究者に係る出版助成事業)による成果に基づき、アフリカ研究出版助成記念講演として開催されます。
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□ 京都大学アフリカ地域研究資料センター主催
2020年度 アフリカ公開講座「アフリカの森を共創する」
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京都大学アフリカ地域研究資料センターは、2018年4月から2023年7月までの5年間あまり、JST-JICAによる地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)プログラムの枠組みのもとで、カメルーン東部州の森林地域にて「在来知と生態学的手法の統合による革新的な森林資源マネジメントの共創」プロジェクト(https://sites.google.com/view/projet-comeca/)を実施しています。
2020年度公開講座では、このプロジェクトにかかわる研究を紹介します。
*Zoomによるオンライン会議形式での開催を予定しています。
◆ 第1回 2020年10月24日(土)15:00-17:00(*終了しました。)
「アフリカの森の暮らしをおびやかす諸問題」
安岡 宏和(京都大学アフリカ地域研究資料センター・准教授)
◆ 第2回 2020年11月7日(土)15:00-17:00
「野生動物は何頭いるのか?」
本郷 峻(京都大学アフリカ地域研究資料センター・特定研究員)
◆ 第3回 2020年11月21日(土)15:00-17:00
「野生果実はどのような役割を担いうるか?」
平井 將公(京都大学アフリカ地域研究資料センター・特定研究員)
◆ 第4回 2020年12月5日(土)15:00-17:00
「森林産品は誰がどこへ運んでいるのか?」
戸田 美佳子(上智大学総合グローバル学部・助教)
◆ 第5回 2020年12月19日(土)15:00-17:00
「生物多様性はどのように保全されるのか?」
四方 篝(京都大学アフリカ地域研究資料センター・特定研究員)
*申し込み
以下の専用フォームに必要事項を記入の上、お申し込みください。
https://forms.gle/NraVRVNyJge9dcWw6
・締め切りは、各回の開催前日の17時です。
・申込者には、各回の開催前日の20時頃にZoomの招待URLをお伝えします。
・インターネットに接続されたスマートフォン、タブレット、パソコンがあれば、簡単にご視聴いただけます。
*詳細
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/archives/9138
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■ 最近の出来事 Recent Topics
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□ Facebook・Twitter情報
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■ 編集子より From the Editor
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COVID-19の感染拡大により、Zoom飲み会というものが広まっているが、編集子も何度か参加している。先日は、同年輩の文系、理系双方の古くからの友人とZoomで飲み会を開いた。多くが第2の人生に入っているが、かつての第一線の技術者も金融プロフェッショナルも、まだまだ元気である。
金融の元プロは、バブル期から中国の高度成長期まで、所属企業のために、顧客のために稼ぎまくったようだが、最近社会と後の世代のために役立つことをしたいと思い立った。そこで彼の思いは、紛争や事故などで手足を失った人に高度の機械を装着して機能を回復させる技術の開発のために資金を集めることに向かっている。まだ「売れる」価格での商品完成のメドが立たないため、投資家が見つからず、苦戦している若い起業家エンジニアを支援しようというのである。
彼の話を聞いた医療系の友人が、指先の感覚が機械の信号と身体の神経をつうじて脳に伝わるような技術が発達すれば、触感を通信で他人に伝えることも夢ではなくなるかもしれないと、言い始めた。アルコールも進み、別の元技術者も何人か加わってオンラインで五感が伝えられるようになるか、という方向に話が転がっていった。つまり、画像や音声以外の、肌触り、におい、味がデータ化でき、遠隔で通信できるのかどうか、ということである。
視・聴以外の触・嗅・味の3つの感覚が遠隔で伝えられるなど、純粋文系の自分にとっては絵空事だなあ、と金融の元プロの思いを置き去りにした議論に少々苛々しながら、彼らの難しい議論を聞いていた。そのときふと頭をよぎったのは、待てよ、もしかしたら、これは自分でフィールドワークに行かなくとも地域研究ができることなのかもとの考えである。
視聴覚の面では、手元にある機器を使いこなせば、現地のことは日本にいてもある程度わかるだろう。COVID-19のパンデミックが広がり、フィールドワークができなくなっている。それもオンラインで代えられるじゃないかという一部の考えに対しては、視聴覚以外の感覚をも通じて知ることが大切だからこそ、現地に行くことは欠かせないと思い続けてきた。ただ、触・嗅・味の3感覚が加わるとしたら、話は違ってくるのかもしれない。
しかし、実際に現地に行ったことをよくよく思い出してみると、信頼できる聞き取り相手や友人をつくり、「土地勘」を養い、PCやスマートフォーンでは捕まえられない多くの人びと、町や村の風景、人びとの表情や動作と対話をしなければならない。まして、触・嗅・味のオンライン通信の開発は、如何に技術進歩が加速化しているとはいえ、未だSFの中の話だろう。たとえデータ化と通信が五感について出そろっても、五感のそれぞれを大切にしつつ、総合して感じ、考えを多面的に広げることは現地にいなければできないだろう。「その場」「その社会」に身を置き、五感に個別に頼らずに「感ずる」ことは、他の方法では補えても、代えることはできない。そうもう一度思い返している。
だからこそ、COVID-19を絶対的な壁とせずに、現地に行く途を何とか見つけ出したい。そして、その途を許すように客観的状況が変わることを願わずにはいられない。(M.T.)
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
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協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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