■■ September 2020 第207号 ■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■【発行部数 897】■■
__今月号の目次 Contents_______
□ フィールド便り………….儚く消えるバラム川の夢
□メルマガ写真館………….仏教と森林保全
□お知らせ..........................入試日程、履修プログラム
□講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars
□最近の出来事........ Facebook・Twitter情報
□編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「スリランカのマスク露天商:新しい生活への挑戦」
清水 加奈子(グローバル地域研究専攻)
私が今居るスリランカでは、Covid-19感染拡大対策としての外出禁止令が3月20日に全島に発令され、4月下旬から地域ごとに段階的な緩和がはじまりました(6月28日に完全解除)。5月26日には全島で昼間の外出が全面解禁となったため、6月上旬から調査を再開しました。
2月から調査を行っているキャンディ市の市街地は人通りが絶えず、普段から様々なものを扱う露天商が立ちます。6月3日、2ヶ月半ぶりに市街地を歩くと、それ以前にはなかったマスクを扱う露天商がいたる所に立っているのが目につきました。いまや街中では皆がマスクを着用している状況だから当然かも知れません。
露天商は素材や形の違う2~6種類の布製マスクを扱っており、価格は50~160LKRで、1回のお茶や昼食に使うくらいの値段です。ほとんどが国内製で、小規模な縫製工場で作られたとみられるものが多かったです。
したがって似たようデザインのものが多く出回っていましたが、一時期、地下道で店を出していた青年が扱っていたのは、他で見たことがないものでした。どこから仕入れたのか聞くと、すべて自分で作ったとのこと。しかもそのうちの一種類は無料で、物乞いの人などにあげるためのものだと言います。
スリランカの仏教徒の間で、物乞いへの施しは“徳”を積む一つの方法だと考えられています。しかし、こうした“施しのためのマスク”を用意している露天商は、聞いている限りでは彼しかおらず、彼は新しい状況下での「正しい行い」を、自分なりに考えたのではないかと想像しました。
さらに3ヵ月経った今では、私自身すっかりマスクの露天商の存在が当たり前になり、気に留めないようになりました。また、青年の店があった場所には今では果物の露天商が並ぶようになりました。
日々が過ぎ、当初は戸惑いや驚きを持って始まった新しい生活が「日常」になりつつあります。状況に合わせた新しい行動は、定着すればとりたてて意識しなくなっていき、定着しなかったものは記憶から消えていきますが、彼の発想と、そこに新しい生活への挑戦を見た自身の気づきは記録に残しておきたいと思いました。
写真1:青年が出していた店
写真2:感染拡大対策として入り口に手洗い場を設置する店も多い
写真3:大通りで店を出すマスクの露天商
(上記のフィールド便りについては次のFacebookでもご覧いただけます)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/3409999225713072
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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「ブータンの犬」
石内良季(グローバル地域研究専攻)
ブータンにおいて犬は、人間の次に徳を積んでいる生き物として広く知られています。道端や寺院、学校、商店、森の中、どこにいっても犬がおり、犬好きにとっては天国のような国です。一方・・・・・・
(続きと写真は次のURLをご覧ください)
第172回 「メルマガ写真館」
(上記の写真館については次のFacebookでもご覧いただけます)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/photos/a.1725324317513913/3342378889141773
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■ お知らせ Announcements
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□ 専攻別 2020年度オープンキャンパスの開催
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*詳細情報と申込方法は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。
◆ アフリカ地域研究専攻 第3回オープンキャンパス2020
日時:2020年11月21日(土)14:00-16:30
オンライン会議システムZoomでの開催となります。
参加申込URL: https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/africa20201121/
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□ 2021年度 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試日程
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*募集要項等の詳細は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。
*新型コロナウイルス感染症予防対策としてオンライン等による入試を実施する予定です.
◆ 第2回入学試験(東南アジア地域研究・アフリカ地域研究専攻のみ)
出願期間:2021年1月8日(金)~1月19日(火)17時必着
試験日程:2021年2月3日(水)、4日(木)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application
*大学院入学試験の受験を検討されている皆様へ
本研究科東南アジア地域研究専攻及びアフリカ地域研究専攻の博士課程[5年一貫制](第2回試験)、 並びに研究科博士課程[5年一貫制]第3年次編入学試験は、例年とは異なり、 新型コロナウイルス感染症予防対策としてオンライン等による入試を実施する予定です。
詳細については、後日、本研究科のWebサイトでお知らせいたします。大学院入学試験は、募集要項のとおり実施される予定です。
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■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars
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□ 第251回 アフリカ地域研究会
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日時:2020年10月15日(木)15:00-17:00
場所:Zoomによるオンライン会議形式での開催を予定しています。
演者:楠 和樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・特任助教)
演題:サバンナを統治する:ケニア乾燥地域における権力の系譜学
主催:京都大学アフリカ地域研究資料センター・日本アフリカ学会関西支部
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/archives/9055
*本研究会は2018年度総長裁量経費(若手研究者に係る出版助成事業)による成果に基づき、アフリカ研究出版助成記念講演として開催されます。Zoomへの参加申込手続き等は、随時、アフリカ地域研究資料センターのウェブサイトで情報を掲載していきます。
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/
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□ 2020年度アフリカ地域研究資料センター公開講座(第1回)
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日時:2020年10月24日(土)15:00-17:00
場所:Zoomによるオンライン会議形式での開催を予定しています。
演者:安岡 宏和(京都大学アフリカ地域研究資料センター・准教授)
演題:アフリカの森の暮らしをおびやかす諸問題
主催:京都大学アフリカ地域研究資料センター
Zoomへの参加申込手続き等は、随時、アフリカ地域研究資料センターの
ウェブサイトで情報を掲載していきます。
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/
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□ シンポジウム「社会進化の比較考古学」
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日時:2020年10月10日(土) 13:00~18:00
2020年10月11日(日) 10:00~15:40
会場:Zoom を用いた遠隔シンポジウム
◎ シンポジウムの趣旨、キーワード、主な論点等の詳細は以下のURLよりご確認ください。
URL:https://asnet-utokyo.jp/news/external/6449
◎ Zoom を用いた遠隔シンポジウムとなります。Zoom ミーティング ID および パスワードは、
下記 Google フォームより、事前登録いただいた皆さまに、シンポジウム当日までに、e-mail
にてお知らせいたします。
ご登録先(Google フォーム):https://forms.gle/Jqf7xrCjXiKix9Qo7
お申込み〆切:9月30日(水)17:00
定員:先着150名(参加料無料、要事前登録)
【プログラム】
2020年10月10日(土) 13:00~18:00 (司会:小茄子川 歩)
(各報告の目安60分[質疑応答はディスカッション部分でまとめておこないます])
13:00~13:10
北條 芳隆(東海大学) 趣旨説明
13:10~13:30
辻田 淳一郎(九州大学) 本シンポジウムの論点
13:30~14:30
有松 唯(広島大学)
「社会の進化論の射程-オリエント文明における「中心」の都市と「周辺」の国家-」
14:40~15:40
小茄子川 歩(人間文化研究機構/京都大学)
「インダス文明と「亜周辺」における社会進化-バッファー・都市・文明・国家-」
15:50~16:50
角道 亮介(駒澤大学)
「中国初期王朝時代における「中心」の形成-祖先祭祀の共有と物質文化-」
17:00~18:00
辻田 淳一郎
「古代国家形成期におけるモニュメント造営と威信財-日本列島の事例から-」
2020年10月11日(日) 10:00~15:40 (司会:有松 唯)
(各報告の目安60分[質疑応答はディスカッション部分でまとめておこないます])
10:00~11:00
北條 芳隆
「周縁国家概念の提唱」
11:10~12:10
関 雄二(国立民族学博物館)
「権力分析の異なる位相-アンデス文明初期における威信財と社会的記憶-」
12:10~13:10 昼休み
13:10~13:40
野島 永(広島大学) コメント
13:40~15:40
ディスカッション(司会:北條 芳隆)
【お問い合わせ先】
シンポジウム「社会進化の比較考古学」実行委員会
E-mail: konasukawa[at]asafas.kyoto-u.ac.jp
※迷惑メール防止のために、@ を [at] と表記しています。送信の際は @ におき換えてください。
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■ 最近の出来事 Recent Topics
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□ Facebook・Twitter情報
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■ 編集子より From the Editor
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コロナ渦で迎えた夏休みが終わり、後期授業が始まります。前期は対面授業が行えなかったため、対面授業の可能性が残されていた夏期集中講義に授業を振り替えたのですが、あえなくオンライン授業になりました。準備に対面授業の3倍ほど時間がかかりましたので、結局、夏休みはありませんでした。コロナ対策では教員も苦労していますが、学生も本当に大変です。そのなかで、今月号はコロナ渦のフィールドで奮闘している報告を掲載することができました。厄災のなかでこそ見つかる新しい発見もあり、調査地で頑張っている学生が無事に調査を終えられることを切に願っています。皆様におかれましても、無病息災であることをお祈りいたしております。(KN)
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◆ このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント室、ASAFAS臨地教育・国際連携支援室より発行しています。
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