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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第197号

■■ November 2019 第197号 ■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■【発行部数 1253】■■

__今月号の目次 Contents_______
□フィールド便り.... 子連れでフィールドに住む
□メルマガ写真館....インドのサリーを体験するマレー人女性の心中は...
□お知らせ..........................入試日程、履修プログラム
□講演会・セミナー情報....アフリカ地域研究会など
□最近の出来事........ Facebook・Twitter情報
□編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「子連れでフィールドに住む」
吉沢 あすな(東南アジア地域研究専攻)

「もうイヤだー!もうイヤだぁぁぁー!!」
もうすぐ2歳になる娘が、高熱に喘ぎながら叫び続けます。フィリピン・ボホール島に家族で住み始めて約1か月。子どもは1週間おきに病気にかかり、家庭内感染で私自身も何度も寝込んでしまいました。心身ともに弱った状態では、冒頭のセリフが「フィリピンなんて来たくなかった!もうイヤだー!」と脳内変換され、居た堪れな
い気持ちになりました。

私は、フィリピンで長期のフィールド調査をした経験があり、今回は5年ぶりの渡比です。夫も同じく研究者で、20年来フィリピンを行き来しています。それぞれミンダナオとマニラを主な調査地としていたのですが、渋滞や大気汚染、治安の問題を考えて、ほどよく田舎で安全なボホール島に住むことに決めました。日本を発つ前、「子連れで1年フィリピンなんて、大変だね」と声をかけられても、私たちは「いやいや、フィリピンなら何とでもなるよ」と高をくくっていました。でも、単身でのフィールド滞在とは全く違った経験に、その自信はすぐに崩れました。

今回の滞在では、大きく2つの想定外がありました。1つ目は、1歳児の病気のなりやすさを甘く見ていたことです。フィリピンではデング熱が大流行中のため、衛生環境に配慮し、閑静な住宅街にある綺麗な一軒家を借りました。でも住環境に関わらず、幼児は人と接すれば感染症になります。逆に、私や夫がこれまで居た貧困層コミュニティと異なり、中間層の住宅地は人間関係が希薄なため、ローカルな情報や相互扶助にアクセスしにくく、孤独感が募りました。

2つ目は、子どものカルチャー・ショックです。日本では保育園の友達と毎日遊んでいたので、シッターに一日中預けて自宅で過ごさせるのは気が引けました。でも、フィリピンには保育園がありません。結局、近くの幼稚園の3歳児クラスに、特別に入れてもらえることになりました。「うちの子は人見知りしないし、異文化に放り込んでもすぐ慣れるだろう」と思っていましたが、そう上手くはいきませんでした。言葉を覚え始めた娘にとって、逆に言葉の壁は大きかったようです。英語やセブアノ語を聞くとフリーズし、授業中も猿のように引っ付いて離れません。「赤はレッド」などと教えようとしても、「イヤだ!」と拒否します。

予想外の大変さに落ち込む私たち家族を救ったのは、意外な人たちでした。単身での調査時には意識的につながってこなかった在比日本人のネットワークが、とても有難いことに気付いたのです。娘は、日本語が飛び交う環境の方がリラックスして遊べました。病院や学校の情報も、日本人目線の口コミが役に立ちました。また、一時帰国した人に、娘の心の拠り所「アンパンマンふりかけ」を買ってきてもらった時は、本当に心強く感じました。

私たちにとって、単身でスラムや紛争後地域に住むよりも、子連れで中間層的な生活をする方が実はvulnerableだったのです。これまで培った「フィールド武勇伝」は、子どもには当てはまらないと思い知りました。今のところ、研究どころではなく生活するだけで精一杯の毎日ですが、様々な新たな気付きを得つつ、残りの子連れフィールド生活を楽しみたいです。    

(上記のフィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/2655790354467300

写真の説明


写真1   朝礼でダンスを踊る幼稚園の生徒達


写真2   「Art」の授業で塗り絵のワークをする


写真3   現地日本人が主催する「ボホール-日本 知的障害者協会(バビタハウス)」のスタッフと

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■ メルマガ写真館   Photo Gallery
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「インドのサリーを体験するマレー人女性の心中は...」
柏 美紀(東南アジア地域研究専攻)
    
スーパーで幼い男の子が口ずさむのは、愛国歌。国旗のデザインのスカーフを被る、イスラーム教徒の女性。今年8月31日、マレーシアは、62回目の独立記念日を迎えました・・・・
 
(続きと写真は次のURLをご覧ください)
第162回 「メルマガ写真館」
(上記の写真館については次のFacebookでもご覧いただけます) https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/2655782021134800 ========================================================= ■ お知らせ Announcements ========================================================= ──────────────────── □ 専攻別 2019年度オープンキャンパスの開催 ──────────────────── *詳細情報と申込方法は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。 ◆ 東南アジア地域研究専攻 オープンキャンパス2019 日時:2019年12月11日(水)13:00-17:00(受付開始12:30) 場所:京都大学本部キャンパス文学部校舎地下1階 大会議室(L012) 詳細および参加申し込みについては下記をご参照ください。 https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/asia20191211/ ─────────────────────────────── □ 2020年度 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試日程 ─────────────────────────────── *募集要項等の詳細は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。 ◆ 第2回入学試験(東南アジア地域研究専攻、アフリカ地域研究専攻のみ) 出願期間:2020年1月10日(金)~1月21日(火)17時必着 試験日程:2020年2月5日(水)、6日(木) https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application   ─────────────────────────────── □ 令和元年度 アジア・アフリカ地域研究履修証明プログラムの開催 ─────────────────────────────── *詳細情報と申込方法は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。 ◆ 東京オフィス2019 出願期間:~2019年8月29日(木)17時必着 日程:2019年10月~2020年2月(週末土・日) https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/rishushomei/ ========================================================= ■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars =========================================================  ──────────────────── □ 第247回 アフリカ地域研究会 ──────────────────── 日時:2019年12月19日(木)15:00-17:00 場所:京都大学 稲盛財団記念館3階 中会議室 演者:砂野 唯(名古屋大学大学院生命農学研究科・特任助教) 演題:酒を食べる:エチオピア農耕民デラシャの暮らし https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/as/as247/ ──────────────────── □ 京都大学アフリカ地域研究資料センター、 アフリカ学際研究拠点推進ユニット共同主催 公開講座「アフリカから学ぶこと:いま私たちにできること」 (要事前申込・受講料 1講座1000円,5講座4000円) ───────────────────────────────―― 京都大学では2017年にアフリカ学際研究拠点推進ユニット(アフリカユニット)を立ち上げ、分野を超えてアフリカに関わる研究をつなぐ取り組みをおこなっています。今回のシリーズでは、アフリカユニットから、さまざまな分野でアフリカ研究を展開している5人の専門家に最新の話題を提供してもらいます。アフリカを学ぶ私たちにとって、いま何ができるのか、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。   ◆ 第1回 2019年10月26日(土) 「アフリカをつくる:ものづくりの営み」  高橋 基樹(京都大学アフリカ地域研究資料センター・教授、副センター長)   ◆ 第2回 2019年11月30日(土) 「アフリカを繋ぐ:住民との道直しから」  木村 亮(京都大学大学院工学研究科・教授)   ◆ 第3回 2019年12月21日(土) 「アフリカを癒す:健康とは何か」  新福 洋子(京都大学大学院医学研究科・准教授)   ◆ 第4回 2020年1月18日(土) 「アフリカを食べる:グラスカッターの家畜化」  村山 美穂(京都大学野生動物研究センター・教授)   ◆ 第5回 2020年2月15日(土) 「アフリカを歩く:山・砂漠の自然と人と」  水野 一晴(京都大学大学院文学研究科・教授) いずれの回も、 時間:15:00~17:00(開場 14:30) 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 定員:80名 *申込・詳細 https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/series/koza2019/ ───────────────────────────────── ============================ ■ 最近の出来事 Recent Topics ============================ ──────────────────── □ Facebook・Twitter情報 ──────────────────── FacebookとTwitterから最新情報を発信しています。是非ご登録ください! ○ 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS) https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/ https://twitter.com/asafasprcc ○ 東南アジア地域研究専攻Facebook https://www.facebook.com/AsafasAsia/ ○ 東南アジア地域研究専攻生態環境論講座Facebook https://www.facebook.com/asaseaeco/ ○ アフリカ地域研究専攻 Facebook https://www.facebook.com/ASAFASAfrica ○ グローバル地域研究専攻Facebook https://www.facebook.com/京大アジアアフリカ地域研究研究科グローバル地域研究専攻-545053518980616/ ○ 京都大学アフリカ地域研究資料センター https://www.facebook.com/CAASKyotoUniv/ http://twitter.com/Africa_Kyoto_U http://twilog.org/Africa_Kyoto_U ============================ ■ 編集子より From the Editor ============================ 今年の紅葉は遅いななどと言っているうちに、もう11月の下旬になってしまいました。もうすぐ師走です。師走とはよく言ったもので、たしかにこの時期になると我々教員もがぜん忙しくなります。博士予備論文や博士論文の締め切りがあり、3年次編入試験や第二回入試(東南アジア、アフリカ)の準備も始まります。今年はどんな論文が出てくるだろうか、来年はどんな新入生が入ってくるだろうか。そうした新たな期待はわくわくするものです。ですからこの時期は、忙しいけれどもどこか浮き立つ気持ちがあります。(T.K.) ============================ □ メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。 http://form.mag2.com/gianoubima ============================ ◆ このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント室、ASAFAS臨地教育・国際連携支援室より発行しています。 ◆ ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。 宛先:http://form.mag2.com/gianoubima ◆ バックナンバーは、こちらのページから読むことができます。 https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/melmaga/ ◆ このメールは「まぐまぐ」と「melma!」システムを利用して配信しています。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。 https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/magazine/ ============================

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