グローバル地域研究専攻

Division of Global Area Studies

 アジア・アフリカ地域は、近年の急速なグローバル化のもとに大きく変容し、さまざまな課題(環境問題、持続的発展、貧困問題、地域紛争など)を抱えています。本専攻は、このような国際社会のさまざまな課題に関して、それらの研究と解決策に貢献しうる地域研究をめざします。特に、グローバルな展開をしてきた広域的な地域、すなわちイスラーム世界、南アジア・インド洋世界を主な対象とすると共に、それらを越えたアジア、アフリカの地域間比較、超域的な研究を重視します。

 このような対象地域と課題を踏まえ、本専攻には、「平和共生・生存基盤論」、「イスラーム世界論」、「南アジア・インド洋世界論」の3 つの研究指導分野を置いています。

グローバル地域研究専攻 ホームページ

講座・指導教員紹介

平和共生・生存基盤論講座

グローバル化が進行するなかで、アジア・アフリカの諸地域の人々が、紛争や戦乱にどのように対応しているか、いかに平和的に共生し、自らの生存基盤をどのように持続させるかということに関して、総合的な視点から研究します。

中溝 和弥(なかみぞ・かずや)

E-mail: nakamizo.kazuya.3z@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

「民主主義は貧困と暴力を克服できるか」というテーマの下、現代インド政治、南アジア政治に関する研究を進めている。これまでは、インドのなかでも最も貧しい州の一つであるビハール州をフィールドとしながら、貧困、そしてカースト・宗教アイデンティティに基づく暴力と民主主義の関係について研究を展開してきた。現在は、対象地域をインド全体、さらに南アジアに拡大し、グローバル化の下で進行する新たな格差の拡大とその影響、そして平和と共生の実現について考察している。

〔平和共生論の基礎、アジア比較政治論、地域研究論、グローバル地域研究演習Ⅰ~IV、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

長岡 慎介(ながおか・しんすけ)

E-mail: nagaoka.shinsuke.6v@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

1970 年代に中東地域で本格的に登場し、現在世界的な広がりをみせているイスラーム金融に着目し、中東および東南アジアを対象としてその実態を調査してきた。また、イスラーム金融の実践を支えているイスラーム経済の理念および思想の独自性を、(広い意味での)経済学の方法論を援用して探究してきた。今後は、イスラーム経済の観点から、経済理論、経済史、経済思想を捉え直すことで、西洋近代が作り出した資本主義システムとは何であったのかを批判的に検討していきたいと考えている。

〔イスラーム世界研究論、熱帯乾燥域生存基盤論、イスラーム社会経済論Ⅰ~II、アラビア語原典購読Ⅰ~Ⅱ、アジア・アフリカ地域研究演習、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究演習Ⅰ~Ⅳ、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

デスーザ・ローハン(D’Souza, Rohan)

E-mail: dsouza.rohanignatious.6x@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

これまで環境史、とりわけ南アジアにおける19 世紀後半から20 世紀初頭にかけての水利管理の歴史について研究を行ってきた。研究を進めるにつれて、巨大ダムや「開発」、「環境主義」、「持続可能性」といった現在活発に議論されている論点にも関心を深め、現在は、近代技術、近代科学史、政策論、政治環境論、安全保障論、気候変動論など幅広い分野において研究を進めている。これらの研究を総合することによって、人間社会と環境の維持にとって重要な「持続的生存基盤論」の可能性を探究している。

〔持続型生存基盤と環境、グローバル地域研究演習Ⅰ~IV、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

イスラーム世界論講座

イスラーム世界を構成する一体性と多様性、並びにイスラーム世界に帰属する諸地域の思想・歴史・現代社会を総合的に研究するとともに、西欧や北米におけるイスラームをふくめた複数地域間にわたる諸問題も対象とします。

東長 靖(とうなが・やすし)

E-mail: tonaga.yasushi.2c@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

 アラブ・トルコ世界を中心に、イスラーム思想、とくにスーフィズムを文献学的に研究してきた。非常に高度な思弁的哲学から、現世利益を願う民衆の聖者信仰までを含む幅広い研究対象に、現地調査も多用して挑んでいきたい。

〔イスラーム世界論研究、イスラーム思想研究、スーフィズム・タリーカ論Ⅰ~II、オスマン朝スーフィズム論Ⅰ~Ⅱ、ペルシア語Ⅰ、アジア・アフリカ地域研究演習、グローバル地域研究演習Ⅰ~Ⅳ、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

長岡 慎介(ながおか・しんすけ)

E-mail: nagaoka.shinsuke.6v@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

1970 年代に中東地域で本格的に登場し、現在世界的な広がりをみせているイスラーム金融に着目し、中東および東南アジアを対象としてその実態を調査してきた。また、イスラーム金融の実践を支えているイスラーム経済の理念および思想の独自性を、(広い意味での)経済学の方法論を援用して探究してきた。今後は、イスラーム経済の観点から、経済理論、経済史、経済思想を捉え直すことで、西洋近代が作り出した資本主義システムとは何であったのかを批判的に検討していきたいと考えている。

〔イスラーム世界研究論、熱帯乾燥域生存基盤論、イスラーム社会経済論Ⅰ~II、アラビア語原典購読Ⅰ~Ⅱ、アジア・アフリカ地域研究演習、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究演習Ⅰ~Ⅳ、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

帯谷 知可(おびや・ちか)

E-mail: obiya@cseas[この後に.kyoto-u.ac.jpを付けてください]

 旧ソ連中央アジア、特に現在のウズベキスタンの領域を対象に、ロシア帝国およびソ連との関係性の中でこの地域の近現代史を掘り起こすことに関心を持ってきた。具体的な研究テーマとしては、ロシア帝国支配下の中央アジア、中央アジアとロシア革命、ソ連体制下における中央アジア民族・共和国境界画定、社会主義のもとでの近代化の諸相、 現代ウズベキスタンのナショナリズム。また近年では中央アジア地域研究のための希少資料の保存・共有・有効利用にも関心がある。

〔中央アジア地域研究論、地域研究論、グローバル地域研究演習Ⅰ~Ⅳ、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

中西 竜也(なかにし・たつや)

E-mail: nakanishi.tatsuya.7s@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

 中国ムスリムが、中国という非イスラーム的世界での適応・存続のために、イスラーム文明と中華文明とのあいだをいかに架橋してきたかを探究する。彼らは17世紀以降、イスラームと中国伝統思想とのあいだをいかに調和させてきたか。また、19世紀以降、中国ナショナリズムの高揚や西南アジアのイスラーム改革主義の隆盛にどのように対処したか。この問題の検討を通じて、マイノリティの生存戦略や文明間対話、異文化共生といった、より大きな諸問題への手掛かりを得ることを目指す。

〔アジア・アフリカ・スーフィズム論、グローバル地域研究演習Ⅰ~Ⅳ、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

南アジア・インド洋世界論講座

南アジア地域固有の諸問題を研究するとともに、南アジアを軸としてインド洋を媒介とする全域あるいは複数地域間にわたる諸問題も対象とします。

藤倉 達郎(ふじくら たつろう)

E-mail: fujikura.tatsuro.6a@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

 ネパールにおける近代化過程についての人類学的研究を行ってきた。とくに、開発実践や国民教育を通して、どのように人々の主体が変容し、予期されていない社会運動(暴力的革命運動や債務農業労働者解放運動)が起こってきたかを論じてきた。

〔南アジア地域論Ⅰ~II、地域研究論、グローバル地域研究演習Ⅰ~IV、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

中溝 和弥(なかみぞ・かずや)

E-mail: nakamizo.kazuya.3z@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

「民主主義は貧困と暴力を克服できるか」というテーマの下、現代インド政治、南アジア政治に関する研究を進めている。これまでは、インドのなかでも最も貧しい州の一つであるビハール州をフィールドとしながら、貧困、そしてカースト・宗教アイデンティティに基づく暴力と民主主義の関係について研究を展開してきた。現在は、対象地域をインド全体、さらに南アジアに拡大し、グローバル化の下で進行する新たな格差の拡大とその影響、そして平和と共生の実現について考察している。

〔南アジア政治論、地域研究論、グローバル地域研究演習Ⅰ~IV、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

デスーザ・ローハン(D’Souza, Rohan)

E-mail: dsouza.rohanignatious.6x@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

これまで環境史、とりわけ南アジアにおける19 世紀後半から20 世紀初頭にかけての水利管理の歴史について研究を行ってきた。研究を進めるにつれて、巨大ダムや「開発」、「環境主義」、「持続可能性」といった現在活発に議論されている論点にも関心を深め、現在は、近代技術、近代科学史、政策論、政治環境論、安全保障論、気候変動論など幅広い分野において研究を進めている。これらの研究を総合することによって、人間社会と環境の維持にとって重要な「持続的生存基盤論」の可能性を探究している。

〔持続型生存基盤と環境、グローバル地域研究演習Ⅰ~IV、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕

池亀 彩(いけがめ・あや)

E-mail: ikegame.aya.5u@[この後にkyoto-u.ac.jpを付けてください]

 南インド・カルナータカ州を中心に長期に渡るフィールドワークと歴史資料の調査という方法を使って、19 世紀後半から現代までの権力・権威構造の複層的なあり方について研究を続けている。これまではイギリスによる植民地統治下におけるマイスール藩王国の王族たちのさまざまな文化的・政治的挑戦を明らかにする研究、カルナータカ州の農村地域においてガバナンスの中心となっている宗教リーダー(グル)の研究、旧不可触民であるダリトの自己肯定運動について研究した。最近は、デジタル技術によって生まれている新しい労働・経済の形(ギグ・エコノミー)にも関心を持っている。

〔南アジア地域論Ⅰ~II、南アジア文化論、グローバル地域論研究演習Ⅰ~IV、グローバル地域論課題研究Ⅰ~III、グローバル地域研究公開演習、グローバル臨地演習Ⅰ~III、アジア・アフリカ地域研究演習〕