熱帯林は、そこに住む人々の暮らしを支えてきた。森に農地を拓き、森の産物を利用し、時にはマラリアなどの危険をもたらすやっかいな森と戦って、人々は生活してきたのである。しかし、森をうまく利用することは、簡単ではない。とくに森が「資源」として市場経済の中に組み込まれていくと、バランスを欠いた乱暴な利用が目立ってくる。フィールドを訪れ、森とのかかわりかたを学ぶことが、この問題に取り組む第一歩だ。そこから熱帯林の多様性そのものを生かすかかわり方が見いだせるにちがいない。
Contents
the last frontier forests
意外に豊かな緑
スマトラのダマール園
チャオプラヤー河に浮かぶチーク
森林開発
農地開発
農地造林
不安定なユーカリ生産
ヤーン樹
フタバガキ油
1本の木を持続的に利用する
安息香生産の林