■■ September 2019 第195号 ■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■【発行部数 1243】■■
__今月号の目次 Contents_______
□フィールド便り..................内戦の記憶
□メルマガ写真館............トルコの古本屋街
□お知らせ..........入試日程、履修プログラム
□講演会・セミナー情報....アフリカ地域研究会など
□最近の出来事........ Facebook・Twitter情報
□編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「 内戦の記憶 」
岡部 友樹(グローバル地域研究専攻)
地中海沿いの美しいコルニシェ(写真1)に彩られるレバノンの首都ベイルートは,15年におよぶ内戦を経験しました(写真2).かつて「中東のパリ」や「中東のスイス」と譬えられたこの首都は,他地域の同様の紛争,たとえばボスニア内戦(1992~1995),の際には「バルカンのベイルート」と呼ばれるなど,宗教・民族が複雑に絡み合う否定的なイメージをまとった名詞として使われることが少なくありませんでした.
かつて松本清張の短編小説『ベイルート情報』(初出1965年)のなかには「ベイルートには新聞だけでもずいぶん出ていますからね…ベイルート情報というのは複雑怪奇で,平たく云えば,あまりアテにならないということになっています.」との日本人商社マンの会話の一節があります.これにみられるのは,日本人にとって理解が遠く,慢性的な紛争に苛まれる中東地域の一角にあるレバノンでは,中東地域のさまざまな国が各々の思惑をもって情報戦を繰り広げており,その結果ベイルートには異種混交的な出版物や情報が集積される国らしい,との認識です,
しかしながら,近年では隣国のシリアで起こっている内戦を尻目に,上記のイメージも徐々に変わりつつあります.その証左として,ベイルートで撮影が行われた『判決、ふたつの希望』『セメントの記憶』『存在のない子供たち』などのレバノン映画が2018~19年にかけてあいついで日本で上映されたことが挙げられます.これまでの日本でのレバノン認知度を考えれば,ミニブームとでもいうべき流れが来ているように思われます.どの作品も「社会派」の映画であり,日本でも芸術分野での認知度が高まるにつれて,内戦や紛争が市民生活を翻弄しながらも,そのなかで強く生きるレバノン,ベイルートの人々の姿に肉薄することができ,よりリアルな実感がもてるようになるのではないでしょうか.
(上記のフィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/2564270886952581
写真の説明
写真1 ベイルートのコルニシェ(海岸沿いの遊歩道)
写真2 グリーンライン(内戦時の軍事境界線)に建つ博物館
ベイト・ベイルート
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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「トルコの古本屋街」
住吉 大樹(グローバル地域研究専攻)
私が滞在していたイスタンブルでは、このような古本屋街が点在していました。写真の古本屋街は、・・・
(続きと写真は次のURLをご覧ください)
第160回 「メルマガ写真館」
(上記の写真館については次のFacebookでもご覧いただけます)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/photos/a.1725324317513913/2564265646953105
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■ お知らせ Announcements
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□ 2020年度 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試日程
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*募集要項等の詳細は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。
◆ 第2回入学試験
出願期間:2020年1月10日(金)~1月21日(火)17時必着
試験日程:2020年2月5日(水)、6日(木)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application
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■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars
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□ 第91回 KUASS (Kyoto University African Studies Seminar)
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日時:2019年10月8日(火)16:00-18:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階セミナー室(318号室)
演者:Luc Mebenga Tamba 博士(ヤウンデ第1大学・教授)
演題:Funeral Rites in Cameroon
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/kuass/kuass091/
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□ 第245回 アフリカ地域研究会
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日時:2019年10月17日(木)15:00-17:30
場所:京都大学 稲盛財団記念館3階 中会議室
演者:米川正子(筑波学院大学経営情報学部・准教授、「コンゴの性暴力と紛争を考える会」代表)
演題:世界最悪の紛争・コンゴと「性的テロリズム」の実態
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/activities/as/
地域研究会2019年度後期分の講演情報は準備でき次第、上記のウェブサイトに掲載します。
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□ 京都大学アフリカ地域研究資料センター、
アフリカ学際研究拠点推進ユニット共同主催
公開講座「アフリカから学ぶこと:いま私たちにできること」
(要事前申込・受講料 1講座1000円,5講座4000円)
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京都大学では2017年にアフリカ学際研究拠点推進ユニット(アフリカユニット)を立ち上げ、分野を超えてアフリカに関わる研究をつなぐ取り組みをおこなっています。今回のシリーズでは、アフリカユニットから、さまざまな分野でアフリカ研究を展開している5人の専門家に最新の話題を提供してもらいます。アフリカを学ぶ私たちにとって、いま何ができるのか、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
◆ 第1回 2019年10月26日(土)
「アフリカをつくる:ものづくりの営み」
高橋 基樹(京都大学アフリカ地域研究資料センター・教授、副センター長)
◆ 第2回 2019年11月30日(土)
「アフリカを繋ぐ:住民との道直しから」
木村 亮(京都大学大学院工学研究科・教授)
◆ 第3回 2019年12月21日(土)
「アフリカを癒す:健康とは何か」
新福 洋子(京都大学大学院医学研究科・准教授)
◆ 第4回 2020年1月18日(土)
「アフリカを食べる:グラスカッターの家畜化」
村山 美穂(京都大学野生動物研究センター・教授)
◆ 第5回 2020年2月15日(土)
「アフリカを歩く:山・砂漠の自然と人と」
水野 一晴(京都大学大学院文学研究科・教授)
いずれの回も、
時間:15:00~17:00(開場 14:30)
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
定員:80名
*申込・詳細
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/series/koza2019/
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■ 最近の出来事 Recent Topics
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□ Facebook・Twitter情報
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■ 編集子より From the Editor
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京都の暑い夏もようやく終わり、秋の訪れとともに10月からは後期が始まります。気持ちも新たに、夏の間のフィールドデータを整理しながら、また新たな文献と向かい合いながら思考を深めるには最適な季節と言えるかもしれません。博士予備論文や博士論文の締切が近づく季節でもあり、大学は一気に慌ただしくなります。順風満帆に進むのが一番ですが、気持ちだけが焦り、思うようにいかないこともたくさんあるのが執筆というものの常だと思います。そんな時は、鴨川に出て緑豊かな景色を眺め、涼やかな風に身を委ねてみると心も晴れる気がします。そんな雄大な自然が身近にある京都だからこそ書き上げられるものがあるのだろうと思いつつ、私も後期を楽しみに机に向かうことにします(M.S.)
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
ASAFASキャリア・ディベロップメント室
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協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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