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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第252

■■■ June 2024 第252号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 1,098】■■■■■■■■■

___________今月号の目次 Contents__________

□ フィールド便り.................. ネパールのスリリングな交通手段
□ メルマガ写真館..................うたたね
□ 最近の出来事...................グローバル地域研究専攻オープンキャンパス情報
□ 最近の出来事...................Facebook・X(旧Twitter)情報
□ 編集子より 
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「ネパールのスリリングな交通手段」
荒木彩陽(グルーバル地域研究専攻)

首都・カトマンズ市内を移動するときには、車による渋滞や細い路地が非常に多いことから、バイクタクシーかローカルバスを利用しています。ただしどちらを利用するにも、慣れないうちはかなりスリリングな体験となります。ネパールでは、運転手以外の同乗者にヘルメットの着用義務がないのはもちろん、信号はほとんど存在しないのです。スピード制限自体はあると信じたいですが、取り締まりが行われている様子を目にしたことはないです。ジェットコースターよりもスピードが出てるのでは⁈と思ってバイクのスピードメーターをのぞき見すると、70km/hという目を疑うようなスピードが出ていたこともありました。
また、ローカルバスにも様々な種類があり、バス停が決まっていない、あるいは目印など何もない場所でバスを捕まえる必要がある場合もあります。乗るのも大変なバスですが、降車にもかなりの気を使います。基本的にはドライバーがバス停の名前を大きな声で叫び、降りたいバス停のときに「チャ(はい)」や「ロクノス(停車してください)」などの意思表示をする必要があります。一見簡単なように見えますが、最初は地名を聞き取ることも、大声をあげて降車の意思を表すことも苦手で、毎回緊張していました。
首都から飛び出して郊外の都市に向かう時には、通る道によって利用する車両の大きさが異なります。山道の少ない、南や南西の地域に向かう際には、大型バスに乗って移動することができる一方で、山道の多い東の地域には、マイクロやスモという比較的小型の車両及びジープが使われます。ガードレールなどがほとんど存在しない、そしてところどころ未舗装な道を車がスピードを上げて走る車の風には爽快感がありますが、整備不慮などにより目的地にたどり着く前に止まってしまうことも多々あります。今回は山道の急カーブの途中でタイヤとハンドルの連結が外れてしまい、近くの村から整備士が来てくれるまで約2時間の足止めを喰らいました。
ここで「ネパールに鉄道はないの?」と疑問を持つ人もいると思います。たしかに鉄道自体は存在していますが、インドとネパールを結ぶものであり、全部で8駅、そして1日に2往復のみの運行と、非常に限定されています。そして、ネパール国民とインド国民以外はあらかじめ決まっている1駅分しか乗車することができない決まりもあります。しかし、ネパールとインドを越境して働いている労働者の足になっている様子がみられました。

写真1. 首都の主要なバス停の一つと長距離移動バス
写真2. ハンドルとタイヤが連携せず、制御が効かなくなったスモ
写真3. ネパール唯一の鉄道

(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid0XW9TqQJJ2NNDqjSqe8sQLPnmkwoFFFmm8DnVmQGQckTT3HFcC9rrVrBU1vzwbMY6l

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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「うたたね」
池上羽乃(グローバル地域研究専攻)

 トルコの海沿いの街、イズミル。ここが私の去年の滞在先だ。飛行機の時差ボケで昼から夕方までバルコニーで包み込むような夕陽と爽やかな潮風を感じながら、安心して気づくと私は眠り込んでしまっていた。ふと、香ばしい香りが鼻に届いた。と同
時にキッチンの方から私を呼ぶ優しい声が聞こえ、私はゆっくりと目を開けた。私が来る前に行きつけの肉屋から仕入れた羊の肉を丁寧にばらし下準備をした上で、家族みんなで私の喜ぶ顔を考えながら肉を丁寧に串に刺していったようだ。キッチンに向かうと滞在先の父はこう言った。
「よく来たね。私の魂、私の娘よ。よく休めたかい?もうすぐ焼き上がるからね」
 トルコでは、家族やパートナーなど、特に大事な人に対して「can(魂)ım(私の)」という呼称をよく使う。ありがたいことに滞在先の家族は、私のことをまるで小さい娘のように大切にしてくれる。焼き上がった肉を皿に取り分け、家族みんなが揃ってから食べ始める。調味料で誤魔化すのではなく、肉自身の持つ水分と油の旨みが活かされており、食べ物を”味わうこと“の喜びを思い出した気がした。サラダにはブドウの酢を使っており、酸味と爽やかさでするりとお腹に入る。美味しい料理と温かい家族の愛とでお腹も心も満たされた小さい娘は、料理の匂いにつられて集まってきた野良猫のように丸まり、またソファで眠り込んでしまったのであった。

(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid02PTvjjko9YJP2Lp3uwiBcVaAE4D3t9VTSzTfNUqe6tzvbH1XtjLcDFQ5tWmQQKQArl

(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/

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■ 最近の出来事 Recent Topics
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◆ グローバル地域研究専攻オープンキャンパス
2024年7月3日(水)14時30分~17時頃
参加申込URL:https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/oc-global2024july/
*オンラインのみでの開催となります。
*詳細情報と申込方法は上記の研究科ウェブサイトで公開しています。

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■ 編集子より From the Editor
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 6月も末になると、ASAFASの院生にとってフィールドワークシーズンが近づいてきます。世界各地に出向き、たくさんの人々と出会い、貴重な体験をして日本に戻ってくることでしょう。
 ぜひ無理することなく、体調に気をつけて、充実したフィールドワークをしてきてください。
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
ASAFAS キャリア・ディベロップメント室
ASAFAS 次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
    臨地教育・国際連携支援室
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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