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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第251

■■■ May 2024 第251号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 1,098】■■■■■■■■■

___________今月号の目次 Contents__________

□ フィールド便り.......... 眠らない街ジョグジャカルタ
□ メルマガ写真館........ 自然の中は忙しい
□ お知らせ............. 第47回 百越の会
□ 最近の出来事......... Facebook・X(旧Twitter)情報
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「眠らない街ジョグジャカルタ」
樋上真央(東南アジア地域研究専攻)

ここはインドネシア、ジョグジャカルタ。芸術の街、教育の街、王宮がある街、などとして知られています。

少し歩くだけで汗ばむ日中とはうって変わり、日が沈むと心地よい風が優しく頬を撫でていきます。南十字星が遠くで煌めく夜空のもと、滞在先の隣人たちは家の軒先や屋台に集まり、家族や知人とのおしゃべりを楽しんでいました。この目的もなく突発的に始まるおしゃべりのことを、彼らはインドネシア語で「ノンクロン(Nongkrong)」と呼んでいました。日本語だと「世間話」に該当するでしょうか。日が沈んでから帰途に就くときは、私もよくノンクロンに参加させてもらっていました。あらゆる場所で日常的にノンクロンが行われているものだから、家にたどり着くまで通常15分の道を、1時間も2時間もかけて帰るのでした。ある時は行きつけの屋台で、ある時は日用品ショップの軒先で、ある時はご近所さんの玄関先で。通りすがりの隣人が加わり、話が尽きない日もありました。だから私は、家に辿り着くまでの道を「ノンクロン街道」と勝手に呼んでいました。

また、カフェに行けば夜遅くまで多くの若者がノンクロンをしています。ここにあるカフェは24時間オープンしている場所も珍しくなく、「ここは第二の家みたいなものだ」と話す若者もいました。夜が更けるほどにぎわうカフェの店内に、私は驚きを隠せませんでした。時には音楽のセッションや本の出版イベントが開かれることもあり、涼しい夜風に乗せられて、のんびりと穏やかな時間を過ごすのでした。

私はノンクロンからこの地域の暮らしや文化を学び、そして「人とのつながり」をつくることができました。ノンクロンは私にとって、一人で異国の地に来た不安や寂しさを吹き飛ばしてくれる、人のぬくもりに溢れた時間なのでした。

写真1 カフェで開かれた本の出版記念イベント。ギターを奏でながら、煙草をふかしながら、それぞれ自由にその場を楽しんでいる。
写真2 夜景が見えるカフェ
写真3 週末の夜になると広場が「パサールマラム(夜市)」として使われ、家族連れやカップルでにぎわう。

(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid02aziNwC8Ep5eXjWH1fv5GSuaZhj1TdqdQqTpuoUv6S4ZUGcdaHjsYqDTmftbqYKZ5l
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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「自然の中は忙しい」
佐々木恩音(東南アジア地域研究専攻)

週末、滞在先の家族に、自然がたくさんある素敵なところに行こうと誘われ、森の近くの畑に行きました。畑に着くと、近くの池で魚を釣り、畑の青パパイヤでパパイヤサラダを作り、持ってきた干し肉ともち米と一緒に食べました。食後、いつの間にか森の中に入っていったお父さんとお母さんに大きな声で呼ばれました。みんな次々と食べ物を探しながら、森の中を進んでいき、私は迷わないようにと必死に着いて行くだけでへとへとになりました。
「自然がたくさんある素敵なところ」に行こうと言われた時、日がな一日、木陰でお昼寝でもしようかしらと思っていましたが、自然の中に入ると、忙しくてそれどころではありませんでした。何が食べられるのか、どうやって食べるのか、植物の知識も魚を釣る技量もない私は、お昼寝くらいしかやることがありませんが、彼らはそうではありません。
採ってきたマンゴーの若葉やユカンの実が入った袋を眺め、みんなと私が見えている自然は全く違うものであるような気がしました。

写真1 採ってきたマンゴーの若葉
写真2 畑で食べた昼ごはん  

(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid02G2y9XZaqyK5ToiKtxDo9cEMs8EQxykWN41bC555sCtnMALbpMkXoox3SGHEbgYJgl

(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/

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■ お知らせ Announcement
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第47回 百越の会

日時:2024年7月6日(土)14:00開始 (13:30開場)

〇発表言語は英語ですが、日本語の逐次通訳をいれて研究会をすすめます。また、対面・オンラインで開催いたします。

【開催場所】◎オンライン配信有り 京都大学百万遍キャンパス(吉田本町)総合研究2号館4階(東側) AA447会議室

【報告者】Emmanuel Pannierさん

プロフィール:Researcher at the French National Research Institute for Sustainable Development (IRD) within the Research Unit "Local Heritage, Environment and Globalization" (IRD & National Museum of Natural History).   Between 2019-2023,he was hosted as a guest researcher at the University of Social Sciences and Humanities of Hanoi (Vietnam National University).

【発表タイトル】Gift-giving in Contemporary Rural Vietnam: Cultivating social ties through Indebtedness

【Abstract】Contemporary changes in Vietnam are often analyzed through state and market reconfiguration. While many of these studies evoke the existence of informal transactions that build personal connections (quan hệ), few of them elaborate on the concrete functioning of these transactions. Through an analysis of ethnographic data collected from rural communities in northern Vietnam, this paper aims to shed light on the characteristic features, nature, and role of these interpersonal exchanges. By exploring the resources at play, the motivations behind these exchanges, and the social relationships involved, this presentation highlights the intricate interplay between gift-giving, personal ties, and indebtedness. It argues that non-market transfers based on reciprocal obligations play a crucial role in the regulation of Vietnamese society, both within and beyond the state and the market, thereby emphasizing the importance of considering everyday and micro-scale interactions to understand broader social changes.

【逐次通訳(日⇔英)】

小林舞さん(京都大学経済学研究科特定助教)研究会の終了後は、百万遍付近で懇親会を開催する予定です。
※共催:基盤研究(B)23K25076「ベトナムの少数民族言語政策の歴史と言語使用の実態」研究代表者 伊藤正子

◎お申し込み https://forms.gle/jFRgz7tofpziRK497
※会場準備がありますので、対面の方もお申込みをお願いいたします。

Zoomリンクは前日中にご連絡いたします。前日中に届かなかった場合は、ご連絡ください。
研究会の終了後は、百万遍付近で懇親会を開催する予定です。参加の可否もお申し込みのFormsからお回答ください。
みなさまのご参加をお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

【問い合わせ先】近畿大学人権問題研究所  講師 瀬戸徐映里奈(せとそえりな)

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■ 編集子より From the Editor
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5月号に寄稿された記事を読むと、今すぐにもフィールドワークに出て行きたくなる気持ちを抑えきれなくなるような高揚感を感じます。日本では梅雨に本格的な雨が降るとの予報ですが、フィールドワーク前の体調管理に気をつけていきたいですね。(R・N)
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ASAFAS 次世代型アジア・アフリカ教育研究センター 
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協力:
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